月別アーカイブ: 2011年5月

アタック失敗…の巻

台風一過、さっぱりと洗車して、上関町へ。
目的地は、中国電力の上関原子力発電所計画の建設予定地、田ノ浦。
映画「祝(ほうり)の島」「ミツバチの羽音と地球の回転」の舞台・祝島(いわいしま)から、約4kmの対岸にあたるところです。

祝島へはフェリーに乗らないと渡れませんが、田ノ浦のある長島へは、橋がかかっているので車で直接渡れます。

長島は本当に本州に近い島なのですね。
とても短い橋です。

素晴らしい景色に心を奪われて運転が危うくなることのないよう、注意が必要(いい写真が撮れてなくて、すみません……)。
そうでなくても、対向車が来ないことを願わずにはいられない、洗いたての車が擦り傷だらけになってしまうほどのくねくね細道が続きます。

途中、上関原発について、反対派と推進派、両方の看板を目にしました。
「上関原発、絶対反対!」
「活力ある町を原電とともに」(←原発、とは言わないのですね。)

車を走らせながら、なので、すべての看板を撮影することはできませんでしたが、これは撮っておこうかと。

この看板は、つい最近(東京電力福島第一原発の事故後、全国の自治体でも停止中の原発の運転再開や新設に疑問の声があがるようになって以降)立てられたものだそうです。
推進派のみなさんも、かなり動揺していらっしゃるのだと思います……。

5月24日付の中国新聞の記事によると、昨年の山口県の観光客動態調査で、上関町は前年比なんと37.8%も観光客が増加!(ちなみに、我が岩国市は6%減……)
この増加の要因は、おそらく昨年公開された上述の映画2作品をはじめ、祝島の上関原発反対運動がメディアなどで取り上げられたためであろうと思われ……。
推進派の方々にとっては、観光客は来てほしいけど……という、なかなか複雑な心境かもしれません。

さて。
こうして田ノ浦を目指した私たちですが……。
結果からご報告すると、たどりつけませんでした……。

あの……その……
一番近い集落は「四代」というところだ、ということは頭に入っていて……
海岸のすぐそばまでは車で行けないので、かなり手前に車をとめて、細道を歩いていかなくてはならない、ということもなんとなく知っていて……
なので、カーナビもあるし、それだけわかってれば行けるだろう、と。

甘かった!
つまり、迷ったのです……お恥ずかしい。
住民の方も見かけないし、携帯電話も圏外なので、便利な“ネットで検索”もできず……。

四代まではたどりつき、その先の細い山道を恐る恐る車でのぼり、行き止まりからはけもの道を歩き、蛇(!)にビビったりしつつ別の道を探したり、したのですが……夕方になり断念。

アタック失敗です。
ベースキャンプに戻り、反省会。
装備が適切でなかったのではないか? ←小型車で来るべきだった!
情報収集を怠ったのではないか? ←イエス!調べが全然足りとらーん!
計画が不十分だったのではないか? ←午後からふらっと行くようなところではなかったです……

帰宅して、“ネットで検索”でわかったこと。
四代の集落のほうに行っちゃダメだった……。

初アタックは失敗しましたが、これでいろんなことがわかったので、近いうちにリベンジします!

本当は行くことがなかったはずの、四代にも行けたしね。
記念に、四代の港を撮影。

住まいの解剖図鑑

台風が近づいていますね。
山口は昨日も今日も雨でしたが、明日(日曜)も一日雨の予報。
出かけようと思っていた予定をどうしようかと、悩んでいる土曜の夜です。

さて、久しぶりにおすすめの本をご紹介。

「住まいの解剖図鑑 〜心地よい住宅を設計する仕組み」(増田奏著・エクスナレッジ刊)

製作部長が「寄藤文平さんの装丁っぽくて、おもしろそうな本だなー」と本屋で手にとったら、思ったとおり寄藤文平さんが装丁をされていて、やっぱりおもしろかった、という本です。

これから家を買う、あるいはリフォームするご予定のある方は明日にでも!急いで手に入れてください。
そんな予定はないけど、いつか家を買いたいなー、もしかしたら買うこともあるかもー、そのうちリフォームすることもあるかなー、という方も、読んでおいて損はないです。
将来を遠くまで見通してみてもそんなことはなさそう、という方も、今お住まいのおうちを客観的に見てみるとおもしろいと思います(もしかするとショックを受ける可能性も!?)。

今までまったく意識していなかった家の間取りやつくり、ドアなどのサイズ、家の中での行動など、なるほどー、そういうわけかー、と気づかされることがたくさんあって、おもしろいです。

住宅設計を学んでいる学生さんへの本でもあるようで、学生さんへの言葉の中にとっても共感できるところがありました。

よく「まず、コンセプトを決めなさい」と言うけど、私は違うと思う。
方針など決めるから余計に進まなくなるのだ。
心配しなくてもいい。コンセプトはどうせ最後に決まるのだ。

そうそう、そうなんですよねー!と苦笑しながらうなずいたのでした。

あなごめし

夕べのごはんは、うえのの「あなごめし」。
有名な観光地にして世界遺産でもある宮島の名物です。

宮島は、岩国から広島市街へ行く、ちょうど中間くらい。
昨日は用事で出かけたついでに、両親が買ってきてくれました。

いろんなお店があなごめしをつくっているけど、両親によると「やっぱり、うえのが一番うまい!」のだそう。
昔からそうなので、私はよそのあなごめしを食べさせてもらったことがないため比較できませんが、確かに、あなごの味はもちろん、ごはんが冷めてももっちりしていて、味付けの加減も絶妙だと思います。

けっこうボリュームがあるので、夕べ半分食べて、今朝の朝ごはんに残りを食べました。

機会がありましたら、ぜひ一度!
おすすめです。

おじいさんは山へ…

両親は、今日も山へ、草刈りと筍掘りに。
毎日毎日、元気に働いていて、頭が下がります。

宣伝部長の実家は、現在は駅前にありますが、宣伝部長が住んでいたころは川のもっと上流のほうにあって、両親は今も昔の家の裏山へ畑をつくりに行ったりしております。

裏山の筍は、孟宗(もうそう)が終わって、淡竹(はちく)が盛り。
どちらもおいしいけど、淡竹は孟宗より細くてやわらかい。
毎日食べています。ちょっと飽きてきた……贅沢な悩みですね。

製作部長がちょっと風邪気味なので、今日は私たちは休息日。

下の写真は、先日のようす。
伸びてきた孟宗筍を鍬で倒しておくよう(竹に育つと邪魔になって困るので)、両親に命じられた製作部長。

見事なへっぴり腰の都会っ子!
(それにしても、山で作業する服装じゃありませんね……)

フォローするわけじゃありませんが、実はここ、へっぴり腰もやむなしと思えるほど、かなりの急勾配なんです。

どれくらい急勾配かというと、これくらい。

宣伝部長はロクに手伝いもせず、のんびり景色を眺めておりまーす。

100,000年後の安全

朝ご飯を食べてから電車に乗り、横川シネマへ、映画を観に行ってきました。
岩国駅から約45分、広島駅のひとつ手前、横川駅のすぐそばにある映画館です。

すぐ脇に線路があって、上映中に電車の通る音が聞こえてきますが……(苦笑)
単館上映の名作を観せてくれる、貴重な映画館です。

観たのは、「100,000年後の安全」

フィンランドに現在建設中の、世界で初めての高レベル放射性廃棄物最終処分場「オンカロ」を取材したドキュメンタリー。

原子力発電所から出た高レベル放射性廃棄物を、生物に安全な状態となる10万年後(!)まで、自然災害や人災、戦争や経済などの社会的変化による影響を受けやすい地上で管理し続けることは不可能なので、火山も地震もないフィンランドの固い岩盤の地層に埋めるための施設を建設しているのだそうです。

埋める、と言っても、ただ穴を掘って土をかぶせるような、そんな単純なものではなくて、それは地下都市のような巨大システムで、10万年間保持されるように設計されているのだそう……。

10万年間、管理を引き継いでいくことも不可能なので、おさめる放射性廃棄物がいっぱいになったら施設は封鎖され、二度と開けられることはない、という計画なのですが……。

映画の中で、「施設を閉じた後、未来の人々に、ここに高レベル放射性廃棄物があることを警告すべきかどうか」という議論があります。
警告しなければ掘られてしまう可能性がある……
しかし警告するにしても、どうやってすればいい?……
10万年後の人々は現代の言語を理解できるだろうか? 絵で表現してはどうか?……
などなど。

警告しても(むしろ警告したほうが!?)、好奇心で掘られてしまうんじゃなかろーか……と思うのですが、みなさんはどう思いますか?

東京では渋谷アップリンクなどで上映中です。
ぜひご覧になってみてください。

ご報告とお礼

先日ご紹介した、友人(正確には学生時代の先輩)からの支援物資ご協力のお願い。
大勢の方々がお力を寄せてくださり、おかげさまでたくさんの物資が集まって、無事に第一弾を発送しました、とのこと。

こちらに、友人からのご報告があります。

私たちのブログを見て物資を送ってくださったみなさん、本当に本当に、ご協力ありがとうございました!
心より感謝いたします。

これからも、このような呼びかけがありましたらご紹介していきたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

岩国、といえば…

ご紹介が遅くなりました。

岩国、といえば……錦帯橋(きんたいきょう)です。
お待たせしましたー!

雨が続いた後に行ったので、錦川(にしきがわ)が白っぽく濁っています。
やっぱり錦帯橋は、いつ見てもええのう。

錦帯橋のむこうに見えるのが、お城山(おしろやま)。
てっぺんに岩国城があります。
なので、このあたりは城下町として賑わっていた昔の雰囲気が、なんとなく感じられる街並みです。

こんな感じとか……

こんな感じとか……

錦帯橋に向かって何本も平行にのびている通りを行ったり来たり、錦帯橋に近づいたり離れたり、しながら散策。

こんなところもあったんじゃー、知らんかった。
公設市場のようです。

人がいらっしゃったので、ちゃんとやっているようす。

そして、あった!あさを!

子どもの頃からよく親が連れていってくれた、お菓子の量り売りのお店です。
芋けんぴとか、そばぼうろとか。
高校が錦帯橋の近くにあったので、学校帰りに買い食いも……。
25年ぶりくらいに行ったけど、店の中の陳列も、置いてあるお菓子も、まったく変わってない!
まさか、25年以上前のものを売ってるんじゃないよね!?と思うほど(そんなことはありませんが)。

あさをで、2つに割れるソーダアイスバー60円を買い、製作部長とはんぶんこして食べながら、またぶらぶら。
勉強堂!ムーラン!!大判焼き!!!……といちいち歓喜の声をあげながら歩いてしまった!
ご近所のみなさん、お騒がせしました。

しっかし、変わっとらんねー。
西岩国はのんびり、とってもいいところです。

「被災地へ」情報

私たちの友人呼びかけの支援について前回ご紹介したところ、さっそくご協力くださった方がいらっしゃったようで、本当にありがとうございます!

友人(正確には学生時代の先輩)から連絡があり、直接の知り合いではない方から物資が届いたことを本当にありがたいと、とても感謝していました。

私たち自身、何かしたい、でも何ができるだろう……と考えることが多いので、こちらのほうこそ、こういう呼びかけや情報はとてもありがたいと思います。
個人の力でできることを……とはいっても、窓口になってくださる方がいらっしゃらないとできないことも多いですし。

支援物資を送るところから一歩踏み込んで、被災地へ……と考えていらっしゃる方に。
これは参考になるかも、と思う情報を、前述の友人が教えてくれていますので、またリンクさせてもらいます。

被災地支援ツアー(「ナミダの玉すだれ日記」より)

ここに書いてあるボランティアパッケージツアーの詳細を読んで、破傷風予防接種の記述にビビる、注射が苦手な製作部長(健康診断で、血液検査→血圧検査の順番だと必ず血圧がぐーんと高くなってしまうので、お願いして順番を変えてもらうヒトです……泣)。

そんな製作部長の近況ショット。
元・弟の部屋の、元・弟の机でグラフィックデザインのほうの仕事をさせてもらい、その合間に元・妹のマンドリンをつま弾いて気分転換させてもらってます(弟・妹へ、事後報告)。

マンドリンのチューニングがわからないらしい。

今だから欲しいもの

友人(正確には学生時代の先輩)が、気仙沼と陸前高田と大船渡へ、あたたかい食べ物とごきげんな音楽を届け(るお手伝い)に、行ってきたそうです。

そうしてご縁のできた大船渡の避難所のリーダーさんを通じて、現地の方々へ届ける品物を現在募集中です。

そこの、大船渡の避難所の方々が今、欲しいと思っていらっしゃるものは、
・半袖のTシャツ、またはポロシャツ
・仮設住宅の壁を楽しく飾るカレンダー
・帽子や、日焼け防止のための手袋
……だそうです。

なるほどー!
そろそろ暑くなってきましたもんね。
仮設住宅はまだまだ全然数が足りないと聞きますが、入居できた方は少しでも居心地よく落ち着ける雰囲気にしていきたいはずですもんね。

被災地で必要とされるものは、時間の経過と場所によってさまざまに変わってくるものだと、当然のことながらあらためて思いました。
国や自治体からの支援はもちろん重要ですが、一人ひとりの声にきめ細やかに応えられるのは、やはり一人ひとりの支援なのだ、とも。

友人がとりまとめをしている支援、まずは第1弾を一週間以内に送りたい(素早く対応、これも個人支援ならでは!)とのことなので、今すぐ送れる方はぜひご協力ください!
(Tシャツ・ポロシャツは新品をお願いします!)

送付先など詳しくは友人のブログをご覧ください。
被災者の方々がほっとするようなメッセージも、募集しているそうです。

……今年のカレンダーなんて、もうないよなー、と思いつつ母に聞いてみると「あるよー」とのこと!
孫が絵を描いたり、何かに使えると思ってー、と。
さすが!年配者!!
かわいい動物の写真や、きれいな車の写真のがありました。
実家に来ていてよかったよ〜。

西の小京都

日曜のことですが。
偵察(?)と観光を兼ねて、山口市へ行ってきました。
宣伝部長の実家がある岩国市から高速道路を使って1時間半弱。案外かかります。

山口市は、山口県の県庁所在地。
県のほぼ中央、盆地にあります。
国立大学や美術館もあり、歴史と文化を感じさせる街です。

まずはお昼を食べようと、ずっと行ってみたかったカフェへ向かったのですが、すでに閉店されていました……残念。

気を取り直して、もうひとつ行ってみたかったところ、クラフトギャラリー なごみスタイルさんへ。
今の季節にぴったりの「ガラスのうつわと花器」展が開催中でした。
この企画展以外にも、私たちでも知っている人気作家さんの器が並んでいて、あれも素敵!これも使ってみたい!と心を揺さぶられっぱなしでしたが、なにぶん“行ったり来たりの身”で出費は抑えねばならぬので、グッと我慢……。
それでも欲しくなった、富山のガラス作家・西山芳浩さんの花器を購入!
帰宅してさっそく、製作部長の岩国での作業机に置きましたよ。

続いて、なごみスタイルの方にお昼を食べるのにおすすめの店を教えていただき向かったのは、茶房はせ、というお店。
おまかせランチは1,200円で、6種類くらいの小鉢、焼き魚、たっぷりの生野菜サラダ、ごはん、おみそ汁、香の物までついて、おなかいっぱいで大満足!(写真を撮り忘れました……)

遅めのお昼を終え、定番の観光もしよう、ということで、瑠璃光寺さんへ。

瑠璃光寺の五重の塔です。国宝です。

さすが有名観光スポット、夕方近くてもたくさんの人で賑わっています。
でも、とってものんびりした雰囲気で、気持ちがいい。

すぐそばに枕流亭(ちんりゅうてい、だったかな?)という建物があり、製作部長一目惚れ。
明治維新の時代に、西郷隆盛や伊藤博文らが密議を開いたところらしいです。
自由に入れるようになっていて、ほかに誰もいなかったので、2階でごろり。
気持ちのいい風が吹いて、林の向こうに五重の塔が見えて、贅沢。

近くに、さるすべりから松が生えているという、不思議な木を発見。

さらに近くに、うぐいす張りの石畳というところがあったので、行ってみました。
手を叩いたり足踏みをしたりすると、階段をのぼった奥のほうから「キュッ、キュッ」という音がやまびこのように聞こえてきます。
その階段をのぼった奥のほうに何があるか、というと……墓地が……
ギャーッ!!!

さて。
最後に、秋に開催される「山口アーツ&クラフツ」の会場を下見(?)して帰路につきました。
広い芝生で、気持ちのいい場所。
出たいなー。

両親から買ってくるよう指令を受けた御堀堂の外郎も忘れずに購入。
山口土産には御堀堂の外郎をおすすめします!