ケール(チップスとパスタ)

 日本では“青汁”の材料として知られるケールは、栄養価が高いので「野菜の王様」の異名があるほど。たくさん食べるにこしたことないのですが、緑野菜好きのわたしも、ついついほうれん草やカラフルなスイスチャードを選んでしまいます。
 毎週、野菜の仕込みに通っているオーガニックファームのボス、エイダンに「ケールが採れすぎで、たくさん使えるレシピを考えて〜」と泣きつかれてだいぶたちました。ペストにしてみたり、カレーはまずまずでしたけど、毎日食べたいレベルに及ばず。
 しかしながら、ようやく「旨っ!」のレベルのレシピができました。

 説明が前後して恐縮ですが、ポピュラーなケールの種類は3つ。青汁にする、葉の縮れた“カーリーケール”の他に、イタリア食材のトースカーナ(ン)ケールは、黒いキャベツの意味の“カーボロ・ネロ”ともよばれ、パスタソースや煮込みに使われます。炒め物にも。
 わたしがいちばん使いやすいと思うケールは、ロシアン・ケール。葉がやわらかく、味わいがあって、おじやのトッピングにしたりしています。
 調理においていちばんハードルの高いカーリーケールは水分が少なく、佃煮にしてみたのですけど、一旦しんなりした葉が、冷めると煮汁の中から直立する有様。
 そんなタチなので、オーブンでからからに乾かしたクリスプス(チップス)はかなり楽しめます。
 葉を一口大にちぎってボウルに入れ、塩とごま油少々を振り入れて混ぜ合わせ、130℃に予熱したオーブンで10分ほど焼くと、紙のようにパリパリに。オーブンは様々なタイプがあるので、温度を限定するのは好まないのですが、要は、100℃のような低温だと時間がかかるし、150℃だと焦げがち。その中間で、焼くというより乾かす感じ。カロリー限りなくゼロのスナックができます。

 そして会心の作はケールのパスタ。
 パスタにすりゃなんでもおいしいんですけど、手軽で栄養とれて、いいじゃん!
 ケールを一口大にちぎり、パスタ(わたしはスパゲッティとの組み合わせが好みですが、なんでも)と一緒に塩茹でします。茹で上がったら、湯こぼしして、オリーブオイル少々をかけて混ぜ、ガーリックペースト(チューブのものでもいいですけど、自家製がおすすめ。すりおろしにんにくとレモン汁を混ぜて瓶詰めしておくと、すごく重宝です)大さじ1と醤油少々、みじん切りしたチャイブ(パセリでもコリアンダーでもオッケー)大さじ1〜2を和えるだけ。ドライドチリをちょっとかけるのがおすすめです。
 や〜、これは毎日食べてもいいな。
 ケールをパスタと一緒に茹でるのが要だと思っています。リゾットに入れたときも、いい具合にしんなりしてくれて、もしかするとスターチ(でんぷん質)がからむことでケールの水分が保たれるのでは??
 科学の部分はググってみてください。台所の実験では「スターチがケールをやわらかくする」と出ているのですが、どうでしょうか?




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