Yumikoのサバイバル・クッキングレシピ

アイルランド在住の料理家・松井ゆみ子さんから届く、いま作りたい&作ってもらいたいレシピと日々のエッセイ。

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potato

ホットポット/ hotpot

アイリッシュシチューと材料はほぼ同じですが、じゃがいもを煮込まず “ふた”にします。イギリスでポピュラーなスタイルらしく、料理本などにもよく登場しますけれど、うちの食卓にはあまり出てこないなと思って、作ってみました。オーブン焼きしたじゃがいもの表面はカリカリに、シチューに触れていた面は味つきでしっとり。なるほど、2度楽しめる。

煮込み料理にチップスやローストポテトを添える感じですが、調理は一発ですむし。合理的ですね。

アイルランドで「パイ」と名のつく料理で有名なのは、シェパーズパイ(あるいはコテージパイ)、フィッシュパイで、どちらもマッシュポテトをたっぷりのせてオーブン焼きしたもの。パイというと、タルト生地(ショートクラスト・ペーストリーとよばれるビスケット状のもの)やパフ・ペーストリー(ミルフィーユ状のもの)を連想していたので、アイルランドの「パイ」の領域の広さに驚きました。どうやら「パイ」は愛称のようなもので、具材を詰め込んでオーブン焼きしたらパイ。なんでも巣に持ち込む鳥のマグパイ(カササギ)が由来なのではと言われています。なので、パイの具材はなんでもあり。

うちのホットポットは、アイリッシュシチューのオルタナティヴバージョンとして考案いたしました(大げさ)。

「ホットポット/ hotpot」

【材料】多めの2人分
じゃがいも 350g(皮付きで)メークイーン系
たまねぎ 1個
オリーブオイル 小さじ1
マッシュルーム 5個
ラム肉(シチュー用。なければ牛肉で)350g
にんにく 1カケ
にんじん 1本(厚めのスライス)
ターニップ(オプション)にんじんと同量(にんじんと同じくらいにスライス)
セロリ 1本 (スライス)
タイム(できれば生)小さじ1
パセリ(生)みじん切りを小さじ1
シードル(なければ白ワイン)400ml
塩 小さじ 1/2

【作り方】
1.じゃがいもを皮付きのまま、少し芯が残るくらいに茹でてスライス(厚み1〜2センチほど)。
2.たまねぎをスライスし、オリーブオイルで炒め、しんなりしたらマッシュルームを加えて炒める。ラム肉とにんにくを入れて、さらに軽く炒める
3.にんじん、ターニップ(op)、セロリ、タイム、パセリ、塩を足し、シードル(あるいは白ワイン)を加えて30分煮る。
4.耐熱皿などに入れ、上にじゃがいものスライスを並べ、180℃に予熱したオーブンで15〜20分焼く。じゃがいもに焼き色がつけば完成。

*じゃがいもに薄く溶かしバターを塗るといい焼き色に。



ポテサラ/ pote-sala(potato salad)

実はマヨネーズ好きです。母はよく手作りしていたのですが、会社勤めをしていたわたしは、なかなか食べるチャンスがなく、母が全部食べる羽目になって、よくこぼしていました。
お弁当本のレシピをまとめているときに、編集者から “自分で作らないの?” と聞かれて、母の二の舞を懸念していたことに気づいた次第。レシピ本で市販のマヨネーズを多用するのもはばかられ、代用を考えるのが習慣になっています。

そんななかから生まれた「マヨもどき」。免疫力アップの食材ヨーグルトを積極的に使いたかったこともあり、理想的なレシピと自画自賛。味はほぼ完全にマヨネーズです。マヨネーズ嫌いのともだち・ヒロシに一口食べさせて「これ、マヨネーズじゃん!?」と言わせたい(笑)。

レモン汁を少し加えるのもいいと思います。わさび味はまだ試してないな〜。

ポテサラ/ pote-sala(potato salad)

【材料】2人分
じゃがいも 2個
*メークイーン系を。新じゃがが手に入るようでしたら6個くらい。いずれにしても皮付きで茹でて、大きいものなら四つ割に)
りんご 日本のは大きいから1/2個かな(厚めのいちょう切り)
パセリ(みじん切り)小さじ1

以下はお好みで
セロリ 1/2本(スライス)
きゅうり 1/2本(乱切り)
にんじん 1/2本(乱切り、茹でて粗熱をとる)

和えるソース「マヨもどき」
*下記の材料すべてをよくまぜます。ほんとのマヨネーズと異なり、長いこと常温に置くと少しダレますので、食べる直前に作られることをおすすめします。
プレーンヨーグルト 大さじ2
マスタード 小さじ1/2
オリーブオイル 小さじ1/2
はちみつ 小さじ1/2
塩 少々

【作り方】
じゃがいもの粗熱をとったら、あまり冷めきらないうちに(味がしみやすいので)、ほかの材料と一緒に、「マヨもどき」とパセリを加えて和える。

[Ingredients] Serves 2
Waxy potatoes 2   boiled & cut  into 1/4 pieces
( or 6 baby new potatoes   boiled and cut into 1/2 pieces)
Carrots 1/2   thickly sliced & boiled 
Apple  1/2 thickly sliced
Cucumber  1/2  thickly sliced
Celery  1/2 sliced
Parsley  chopped 1 teaspoon

[mayo “like” dressing]
Plain yoghurt  2 tablespoon
Mustard  1/2 teaspoon
Olive oil ( preferably extra virgin ) 1/2 teaspoon
Honey 1/2 teaspoon
Salt  a hint

Make “mayo like dressing”, just mix the ingredients.
When potatoes and carrots are still lukewarm (it’s easier to absorb the dressing), add the vegetables and mix with the dressing.

This dressing will soften by room temperature if you keep too long on a table.
I recommend to eat this salad straight way after making.

Stay safe & keep healthy !!
Yumiko



クリスプス・サンボ/Crisps sambo

究極のサバイバル・レシピです。コロナ騒ぎのずっと前から、非常食であり国民食でした。アイルランドのどの家庭にも必ず常備している材料で、素早く作れるだけでなく、トーストしたパンの後にクリスプスを食べるよりも、一緒にすることで満足感が増すのがマジック。夫マークが大学生の頃、仮住まい先でよく作っていたそうで、青春の思い出とともに教えてくれたレシピです。

“ポテトチップス” は “クリスプス” とよびます。“チップス” はフライドポテトのこと。

日本でアイルランド関連のイベントに参加したときに作ることがあるのですが、日本にはアイルランドでいちばんポピュラーな “チーズ&オニオン” 味のクリスプスがないので、代用をあれこれ試作してみたのですが、某社コンソメ・パンチがいちばん近い味になります。個人的には、海苔塩が新鮮。逆にアイルランドにはない味なので!

レシピに “クリスプスは3層に積んで” としています。重ねることで、食感の楽しさが倍増。入れすぎると、こぼれる方が多くなるので、3層が理想的。

嫁ぎ先のヌーナン家では、サンドウィッチは “サンボ” の愛称でよばれていました。すべての人が使う表現ではないですが、たまにカフェのメニューなどで見かけるので、少なからずの人が使っているよう。“サンゲッジ” とよぶ人もあり。サンドウィッチをちゃんと発音するのって簡単ではないし、気取った感じになるので “サンボ” が好き。

アイルランドの “食パン” は、日本のサンドウィッチ用パンの薄さです。ふわふわで、買いたての新鮮なパンはトーストにするのが “もったいない”と感じます。でも、太る原因になりがちなグルテンたっぷりなので、近年は買い控えているのですけど、ときどき無性に食べたくなるんですよね。オソロシイのは、2斤パックで売られていること。1斤パックもあるのですが、この近所ではあまり見かけず、今回も買い出し部隊のマークが2斤パックを持ち帰り、大慌てで半分は冷凍しました。
サバイバル・レシピですからね、全部食べちゃったら意味ないですもんね。

でも、クリスプス・サンボ。何事もなくても、ときどき食べたくなるんです。そこがソウルフードとよばれる所以。

「クリスプス・サンボ/Crisps sambo」

マヨネーズはこんな感じに塗ります。

【材料】2人分
サンドウィッチ用パン 4枚
バター 適量
マヨネーズ 小さじ2
クリスプス(ポテトチップス)20g強

【作り方】
1.パンの片面にバター、もう片面にマヨネーズをぬる。マヨネーズはきちんとぬるとパンに吸い込まれてしまうので、波立たせるような感じで=写真参照。クリスプスがくっつきやすいように。
2.クリスプスをパンの片面に3層に並べる。少ないと食べ応えがないし、3層以上だと食べづらいので。
3.片面のパンをクリスプスの上にのせ、手のひらで軽く押さえる。じゃりっと音がしたら出来上がり。

[Ingredients] Serves  2
Normal white bread  4 slices
Butter  2 knobs
Mayonnaise  2 teaspoons
Crisps  1small pack (25g) preferably cheese & onion

1.Spread butter on one slice of bread. Roughly spread mayonnaise onto the other slice.
2.Put crisps onto one slice.  Place 3 layers of crisps on it. This makes a nice texture when you bite it.
3.Put the other slice onto crisps then lightly press the bread by hand. When they make crunchy sounds it’s done !

Stay safe & keep healthy !!
Yumiko



クラブ・ケーキ/ crab cake

コロッケみたいですが、油で揚げるのではなく、フライパンで “揚げ焼”(shallow fry)するのでお手軽です。カニでなくても調理済みの魚ならなんでもオッケー。燻製した魚やツナ缶でも。まだ作ったことありませんが、日本でなら塩鮭とか焼サバ、アジの干物なんかでもよさそう!

ディルを使っていますが、パセリやコリアンダーなど、お好みで。

形をととのえるとき、おにぎりを作る要領が応用できます。これは日本人にしか通用しないアドヴァイス(笑)。

こちらでは、トマトレリッシュやタルタルソースを添えたり、ウスターソースをかけたりしますが、日本にはとんかつソースがありますもんね。
即席タルタルソースは、ゆで卵と刻んだピクルスをマヨネーズで和えて。ケイパーを入れるとちょっとよそゆきになります。

「クラブ・ケーキ/ crab cake」

アイルランド流は、パン粉をてっぺんと底にだけつけるんですよね。焼くのが簡単。
粉と卵をつけるときも、そうすればいいのかな。わたしはつい、どっぷり。ってしてしまいましたけど。前にアッップしてるトマトレリッシュ、合うと思います!

【材料】4個(2人分)
じゃがいも 300g
バター 小さじ1( 5gくらい)
小ねぎ  2本(みじん切り)
カニのほぐし身 100g
ディル(みじん切り)大さじ1
牛乳 大さじ1
塩 少々
薄力粉 大さじ1ほど
卵 1個
パン粉 3/4 カップ
オリーブオイル 小さじ1

【作り方】
1.じゃがいもを茹でてマッシュ、バターを加えてまぜる。
2.小ねぎ、カニのほぐし身、ディル、塩、牛乳を加えてよくまぜあわし、4等分して形をととのえる。
3.薄力粉をはたき、溶き卵にくぐらせ、パン粉をからませる。
4.オリープオイルをフライパンで熱し、3の両面をキツネ色になるまで焼く。

[Ingredients] Makes 4 (serve 2)
Potato  300g
Butter 1 teaspoon  or about 5g
Scallion  2 (chopped)
Crab meat  100g
Dill  chopped 1 tablespoon
Milk  1 tablespoon
Salt   a hint
Plain flour  around 1 tablespoon for dusting 
Egg 1
Bread crumbs 3/4 cup
Olive oil 1 teaspoon 

1.Boil the potato and mush, add butter mix  well.
2.Add scallion, crab meat, dill, milk and salt, into mushed potato. Mix well. Divide 4 equally, make round shape for each of them.
3.Dusting flour around potato mixture, then dip into beaten egg. Coating by breadcrumbs.
4.Heat olive oil on a frying pan, cook 3 until lightly garden colored.

★ You can use cooked salmon, smoked fish, even tin tuna instead of crab meat. 

Stay safe & keep healthy !!
Yumiko



バブル&スクィーク/Bubble & Squeak

マッシュポテトが残ったときの便利なレシピ。滅多に残らないのですけど。

これもイギリス料理で、ロースト肉のごちそうの後、付け合せの野菜の残りで作るのが始まりだったそう。アイルランドの伝統料理コルカノン(マッシュポテトにキャベツ、スカリオン=小ねぎ)を焼いたみたいと思っていましたが、つなぎの卵とか小麦粉とかがなくて、まとまるのかな?と少しナゾだったのですけど、じゃがいものでんぷん質でほどよくまとまるのにびっくり。残り物でなく、わざわざ作りたい一品です。

小さく見えても案外お腹いっぱいになるので、この量で2人分いけます。足りないのはオレンジ系の野菜なので、にんじんなどをあしらってください。

「バブル&スクィーク/Bubble & Squeak」

フライパンは、直径16cmくらいの小ぶりなものが向きますが、なければお手もとにあるもので。大きい場合は平べったくなるので、お好み焼き風情になりますけど、問題なし。薄い場合は火をやや弱めにしたほうが安全かもしれません。

【材料】2人分
じゃがいも 1個
バター  小さじ1
牛乳   大さじ1
オリーブオイル 小さじ1(半分をたまねぎ、キャベツを炒めるときに。あと半分はじゃがいも生地を焼くときに使います)
たまねぎ 小さいもの1/2(みじん切り)
キャベツ   色の濃い外側の葉を2枚(あらい千切り)
塩 少々

【作り方】
1.じゃがいもを茹でてマッシュし、バター、牛乳を加えておく。
2.フライパンにオリーブオイル小さじ1/2、たまねぎ、キャベツを入れ、しんなりするまで炒めた後、1にまぜこみ塩を加える。
3.2で使ったフライパンで小さじ1/2のオリーブオイルを熱し、2の生地を押し込むように入れ、中火で3分焼く。
4.ひっくり返してさらに3分焼く。

[Ingredients] Makes 2
Potato 1
Butter  1 teaspoon
Milk   1 tablespoon
Olive oil 1 teaspoon (half for frying onion & cabbage, another half for cooking the potato mixture)
Onion 1/2 (chopped)
Cabbage  2 outside leaves (preferably strong green colour)
Salt a hint

1.Cook a potato, then mash it. Mix butter and milk, then set aside.
2.Put 1/2 teaspoon of olive oil, onion, cabbage in a frying pan, fry them until softened.  Then mix with mashed potato, add salt.
3.Put 1/2 teaspoon of olive oil into the frying pan which was used for onion & cabbage. Push the potato & onion, cabbage mixture into the frying pan.
4.Bake for 3 minutes by moderate heat then turn the potato mixture and cook for another 3 min.

Stay safe & keep healthy !!
Yumiko




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