Yumikoのサバイバル・クッキングレシピ

アイルランド在住の料理家・松井ゆみ子さんから届く、いま作りたい&作ってもらいたいレシピと日々のエッセイ。

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2021 / 12月

リセット

 アイルランドでは最近まであまり使わない言葉だと聞きました。ほんとかな??でも確かにデジタルなものがあふれだしたのはつい近年のこと。リセットという言葉になじみが薄かったのかもしれません。
 年明けの1月、わたしの暮らしも”リセット”してみようと思います。
 月2回のカントリーマーケットも1月はお休み。ファームも農閑期で休みになり、わたしの海苔巻きづくりもベーキングもしばし休業。
 この数ヶ月、引っ越しも加わり、珍しく追いまくられるような日々で、ごはんづくりも手抜きになりがちだったし、新しいレシピをつくる余裕もなく、このままじゃいかんな、と感じていました。そもそも不器用で、時間の使い方が超下手。頭脳の使い分けも得意ではないので、リセットという手段に行き着きました。
 なので1月、このブログもお休みをいただくことにいたしました。
 次に進むために立ち止まる。そんな時間にしたいと思っています。

 リフレッシュ休暇をいただく前に、手抜きレシピをご紹介しておきますね。

「ハーブ&チーズ・ペーストリー」

これは、たまねぎのみじん切りをちらせています。チーズはチェダーとパルミジャーノの2種。

パンより手軽。甘くないビスケット生地でつくるピザのような感じかな。トマトソースは使いませんが。冬に欠かせないスープのお供に最適です。
マークのお母さんがアイリッシュシチューを作ると必ず、ペーストリー生地を大きく伸ばしたものを焼いて食卓の真ん中に置き、家族それぞれがちぎってシチューにひたして食べたという話が忘れられず。
これは少しリッチなヴァージョンで、スープ抜きでそのまま食べても充分おしいいです。

【材料】ふたり分
小麦粉 200g
バター 100g
水 大さじ3
ハーブ(タイム、ローズマリーなどを適量。できれば生を)
チェダーチーズ 適量 すりおろす
塩 少々(ナチュラルでよい品質のものを。まぜこまず、最後にちらすのがわたしは好みです)

【作り方】
1.小麦粉とバターをそぼろ状にまぜあわせる。
2.水を1に加えて生地にまとめる。
3.生地を二分して平たくのばす。綿棒なしでもオッケー。あまり薄くしすぎず、5ミリから1センチくらいの厚みで。わたし流は、へりを薄めにし、中央を少し厚めにして、カリカリとパン食感の両方を楽しみます。
4.ハーブ、チーズ、塩をトッピング。200℃に余熱したオーブンで約15分焼き、余熱で5分。
5.オーブンから取り出したらラックの上で5分ほど休ませる。
*カリっとした食感になるには少し冷まさないとならないのですが、冷ましきらない方がおいしいので、うまくジャッジしてください。
*ブラックペッパーやカイエンペッパーを少しまぜるのもおいしいです。

追記ですが、今年のクリスマスディナーはローストチキン。アイルランドでは珍しくもない料理ですが、うちでは滅多に登場しないので充分にエキサイティング。ふたり家族にターキーは大きすぎるし、なにより大味だし。
ガーリックとローズマリーをつめてローストし、焼き上がり20分ほど前に、醤油とマーマレード、バルサミコをあわせたものをまわしかけて軽くカラメライズ。これがいい味をかもしだしました。翌日、ゼリー状になったものがさらにおいしかった!

翌日、スープストックづくり。いつも水を入れすぎて薄味になるのを解消したく、今回は少なめの水(骨1羽分に対して水2リットルほど)で30分じっくり煮出します。ベイリーフ1枚とパセリの軸数本、これで充分でした。
スープをガラス容器に移したあと、同じ鍋と同じ骨に水を1リットル加えてまた30分。2番出汁も充分な味でした。

ローストチキン、ときどき作ろう!と固く決意。
肉だけでなく、スープストックをつくるだけでも調理する価値あり。
余った鶏肉はサンドウィッチ、サラダなどに活用し、スープはカレー、麺もの、炊き込みごはんにして数日間、献立考えずにすみました(笑)。
ブログの再開はヒマールのサイトでお知らせいたしますので、チェックしてくださいませ。

Stay safe & Stay in touch



続・プーカと冬の嵐

 しばし間があいちゃってすみません。
 オイルタンクから聞こえてくるヴァン・モリソンの歌声の続きです。

 毎朝11時になると、あいかわらずタンクの中から声が聞こえてきます。
 流れてくるのは地元ラジオ番組「フランシー・ボイラー・ショウ」。そうか、ボイラーだからタンクの中か!と納得したら、マークに「残念だけど、ボイラーじゃなくてボイランです」よくある名字だそう。知らなかった。
 ここの大家さんは、ちょくちょく納屋やファームのメンテナンスに来るのですけれど、しばらく留守するとかでご無沙汰の時期に起きた出来事。用心深い人なので、きっとラジオにタイマーを仕掛けて「留守じゃないぞ」とアピールしてるのだろうと納得することに。でも、われわれがいるのに??
 そしてある朝、大家さんが納屋に置いてある薪を取りに来たとき「ラジオにタイマーかけていきました?」と聞いてみると「おお、ラジオ!なくしたと思ってたよ。タイマーって??」
 ラジオは、雨に濡れないようオイルタンクの陰から現れました。中じゃなかったのね。しかし、大家さんはラジオにタイマー機能があるのをご存知なかった……。
 それは大家さんが来る時間帯に合わせてあり「夜の11時じゃなくてよかったねー」と笑い合ったあとに気づいたのです。そういう可能性もあったのに、あえて午前11時。やはりプーカだったか……と確信したのでした。

The End ?

 話は変わって。クリスマスを控えた12月7日、アイルランドに台風が上陸しました。南西部コーク、ケリー、クレアが最初に直撃され、ゆっくりと北上し、スライゴーに到達したのは夜になってから。日中は比較的おだやかだったので「ここまで来ないんじゃないの?」と油断してたら、やってきました。
 キッチンは海の方に向いているし、換気扇から入り込む風の音でラジオのボリュームを上げないとならないほど。
 夜半からさらに風は強まり、部屋の照明がふーっと弱まるときがあり、停電するかも……と心配し始めました。念のために、いつもより多くのキャンドルを灯しておいたのは大正解。うたた寝して目が覚めると電気もラジオも消えており。
 おまけにバスルームは水浸し!幸いトイレからの水ではなかったのですが、部屋まで水がきたらどうしよう……停電はいつまで続くのか?ごはんは!?
 クッカーもオーブンも電気なので手も足も出ません。お茶も飲めないのか〜
 おにぎり作っておくべきだった、と反省しながら寝直したのですが、幸い翌朝、電気は復旧しました。まだ停電が続いている地域も多かったので、うちはラッキーだったようです。バスルームの水も引いていました。前の家だったら、どこも雨漏りでえらい騒ぎだったと思います。
 強風は翌日の夕方になっても勢いが衰えず、今までここで体験した風雨の中ではダントツに激しかった。家の中で聞いているだけで、なんだかひどく疲れました。レスキューの人たちや、電気工事の人たちは、ほんとうにたいへん。

 そんなこんなで、レシピのご紹介はもう少しお時間くださいませ。
 火を使わない料理を研究しておかなくちゃ!と考えています。

非常食としてとっておくべきだったポテトブレッド。マーケット仲間のコーリーン作で、すっごくおいしいんです。人気商品で、いつもあっという間に売り切れ。バターで焼き直すとカリカリに。やはり停電中には向きません〜〜



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