Yumikoのサバイバル・クッキングレシピ

アイルランド在住の料理家・松井ゆみ子さんから届く、いま作りたい&作ってもらいたいレシピと日々のエッセイ。

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2021 / 2月

お知らせ

 長らくダブリン在住だった、友人のアイリッシュハープ奏者・村上淳志(むらかみ・じゅんし)くんが日本在住になり、東京で新しい曲をたくさん作っています。とってもすてきなので、ぜひ聴いてみてください。

 アイルランドの伝統を踏襲していますけれど、とてもオリジナル。彼にしかできない、彼だからこそ作れる世界が広がっていて素晴らしいです。

 YouTube にアップされた曲には、彼の友人がビオラで参加しています。ラトビア在住なのですって。ちょうど東京にいらしたときで共演したのだそう。

 そして。ビデオを撮影したのは、なんと東京にあるわたしの実家(笑)。今、彼が仕事場として使ってくれています。

 わたしも同じ部屋で、何冊かアイルランドに関わるエッセイ本を書きました。じゅんしくんも読んでくれていて、今度は彼が同じ部屋で新しい曲を作っていることが不思議で、そして嬉しいです。

 まずはyoutubeをご覧いただいて、アクセスできる方はぜひインスタグラムも見てくださいね。

村上淳志Instagram @junshimurakami



シュガーフリー・ケーキ

 いつもこのブログを読んでくださって、お嬢さんと一緒にレシピを活用してくださっている”つながるさん”からリクエストをいただき、シュガーフリー・ケーキのレシピを考案いたしました。
 じゃーん、第一弾「アーモンド&レモン・ケーキ」です。
 シュガーフリー(砂糖不使用)に加えて、グルテンフリー(小麦粉不使用)、おまけにデイリーフリー(乳製品不使用)の三拍子そろった”ギルティーフリー”(罪の意識のない)お菓子!
 卵は使っています。アーモンドのアレルギーがある方は、ごめんなさい! アーモンドフラワーを使っています。カロリーが高めですが、バターを使っていないので差し引きゼロになるかしら?
 砂糖の代わりには、メープルシロップを使いました。香りが好きなので。
 はちみつを使ったお菓子もただいま試作中。メープルシロップよりも少し重たい感じになる気がするので、今回のこのレシピはメープルシロップでトライしてみてください。はちみつに関してはまた後日。

 このケーキ、超簡単です。アーモンドフラワーは、しっとり仕上がるので最近気に入ってよく使っています。小麦粉を使うときに少しまぜたり。
 アーモンドフラワー100パーセントの場合は、焦げやすいので気をつけてくださいね。

アーモンド&レモン・ケーキ

【材料】1/2パウンド型ひとつ分
*写真は丸いケーキ型を使っていますが、分量は1/2パウンド。くっつきやすいので、型にオーブンペーパーを敷いてください。
アーモンドフラワー 80g
ベーキングパウダー 小さじ1
メープルシロップ 大さじ4
レモンのしぼり汁 1/2個分
卵 2個

【作り方】
1.ボウルにアーモンドパウダーとベーキングパウダーを入れてまぜあわせ、残りの材料すべてを加えてよくまぜる。
2. 160℃に予熱したオーブンで30分ほど焼く。表面の色づきが早すぎるようなら、オーブンペーパーなどで覆う。

*ゆるめの生地なので、焼き時間30分は必要だと思います。焦げそうで心配でしたら、余熱を使って焼き上げてください。
*甘みが少なすぎると思われる方は、召し上がるときにメープルシロップを少しかけてください。生地に入れるよりも、少しの量ですみます。
*焼きあがったときに、上からレモン汁とメープルシロップをかけて、さらにしっとりさせる方法もあり。

ただいま試作中は、黒砂糖を使ったチョコレートケーキと、はちみつのケーキ。はちみつのケーキはかなりおいしいです。けど、膨らみにくいので改善中。

お?と思ったのは、アイルランドのアップルタルトはお砂糖使わずに作ることが多いです。甘みのあるりんごを選び、ワイン(赤でも白でも)少々でさっと煮て、タルト生地で包んで焼きます。
ここでは、食べるときに生クリームを添えますが、クリーム自体の甘みだけで、お砂糖を入れないこともしばしばです。アイスクリーム添えは人気ですが(笑)。

あと、スコーン。わたしはお砂糖を少し加えますが、入れないレシピが多いのです。あとでジャムのっけたりしますから。
スコーンには、はちみつやメープルシロップもよく合うので試してみてください。

つながるさん、いいお題をくださって感謝です!
アイルランドも”フリー”流行りなので、たくさんレシピを作って自慢します!



パンケーキ・チューズデー

 イースターは、クリスマスと同じくらい大切な祝祭日です。
 キリスト教が伝わる以前の習慣を踏襲していて、満月が関わり、毎年イースターのスケジュールが異なります。そのためか、日本ではなかなかイースターをとらえにくいようですね。
 冬の間、屋内ですごすことが多かった家畜が、ふたたび放牧されるようになるのがイースターのあたり。子牛や子羊も、寒さがすぎたこの時期に合わせて生まれるよう調整されていて、初夏を迎える頃の牧場には、ミニチュアサイズの牛や羊がいっぱい。うさぎたちも穴から出てきて、野原を飛び回ります。
 自然界が再生し、活気が戻ったことを祝う、喜びの日がイースター。わたしはクリスマスよりも、そんなイースターが大好き。冬の長い北国では特に、春の訪れはもうそれだけでお祝いに値します。畑のある人たちは、なおさら。
 さて、キリスト教においては、イースターの前40日間、レントとよばれる”がまんの日々”があり、肉食を禁じています。現代においては、そこまで厳しいものでなくなりましたけれど、クリスマスのごちそうの後のデトックスにもなるので、ヘルシーで質素な食事を心がける人は多いのじゃないかしら? 魚はまだまだ旬ですし。
 レントは常に水曜日から始まるのですが、その前日、パンケーキ・チューズデーとよばれるアイルランドでは誰もが大好きなしきたりがあります。今年は2月17日からレントが始まるので、パンケーキ・チューズデーは2月16日。
 そもそもは、レントの前、家の中にあるタンパク源(卵と乳製品)をすべて使い切るのが目的だったそう。そのために作るのがパンケーキなんです。なかなか合理的。
 ケルティックタイガーとよばれた好景気以前、パンケーキはレントの前に食べるものときっちり位置づけされていたそうです。ゲストハウスの朝食や、カフェのメニューにパンケーキが登場するようになったのは、ぐっと最近のこと。
 今やすっかりポピュラーな食べ物になっていますが、それでもレントの前に食べるパンケーキはまだまだ特別なもの。

 アイルランドのトラディショナルなパンケーキは、クレープよりやや厚めですが、日本のホットケーキに比べるとぐっと薄めです。
 大雑把なレシピで恐縮ですが、薄力粉カップ1に対して、卵1個、牛乳1カップ強(280ml)。お砂糖もベーキングパウダーも入れません。お砂糖は、焼きあがったものにグラニュー糖をぱらぱらっとかけます。その前にレモンの絞り汁をかけて。

 わたしは昭和の、ホットケーキで育った世代なので、ついついパンケーキが分厚くなっちゃうんですよねー。

 アイルランド式パンケーキは、下の写真をご参照ください。
 ニューブリッジにあったお気に入りの大衆食堂のパンケーキです。王道。
 毎年食べに行ってました。マークは毎回「おかわり」して。
 あ、これは伝統。「パンケーキ、何枚食べた?」は、日本でいうと元旦にお餅を何個食べた?と同じで、お決まりの確認事項です。
 そしてわたしは思い切り邪道(シェフのドニー、そんなこと言ってごめんなさい!)な、ピリ辛ミートソースを巻き込んだトルティーヤ風が超お気に入りでした。
 去年は引っ越しのばたばたで、食べたのかどうかも忘れてしまいましたから、今年はリキ入れて作るぞー。

これが王道、アイルランド流パンケーキ。ニューブリッジの”キシュテン”ドニー作。アイスクリームのっけは、マークが大人になったから許される特別バージョンです。本来は、レモンの絞り汁とグラニュー糖!



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