Yumikoのサバイバル・クッキングレシピ

アイルランド在住の料理家・松井ゆみ子さんから届く、いま作りたい&作ってもらいたいレシピと日々のエッセイ。

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2021 / 7月

クイック・トマトサルサ

焼き菓子のレシピをご紹介するつもりだったのですが、日本からは「ハンパなく暑いですっ」のメールが続々。オーブン使う気にはなりませんよね。
なんとアイルランドも先週から夏日が続いており、うちで登場回数の多い「トマトサルサ」のレシピをお伝えしたいと思います……なんて大仰に言うようなものではないのですけど、便利な一品ですので。

トッピングの花はワイルドガーリック。初夏に撮ったカットです。うちの食卓にしばしば登場する一品。

【材料】(作りやすい分量)
トマト 2個 湯むきして種をとり、粗みじん切り
たまねぎ 半分 みじん切り
エクストラバージン・オリーブオイル 適量
レモンの絞り汁 適量
塩 少々
はちみつ 小さじ1ほど
ハーブは、バジル、パセリ、コリアンダーなどお好みで(みじん切り)。
パンチがほしいときは、にんにくのみじん切りかすりおろしを小さじ1ほど。
そしてチリ。これもお好みで。チリ抜きだとサルサとよべないですね(笑)。ケイパーのみじん切りを加えて「サルサ」とよぶことがありますが。わたしは青唐辛子で、きりっとした味にするのが好みです。

作り方は材料をただまぜるだけ。カリカリに焼いたバゲットにのせたり、ごはんにまぜてもいいですし、冷製パスタにも、トルティーヤの具材にも。朝、大きなボウルにこれを作っておくと、1日中使い回しができて、とても便利です。グリルした魚やお肉にのせればソースに早変わり。
ちょっと加える甘みがミソ。メープルシロップでもかまいません。トマトは少し甘みを加えると、ぐっと奥行きのあるソースになります。フルーツですもんね。
こどもの頃は、お砂糖少しかけて食べていました。そう言うと、うえ〜ってのけぞる人と、あ、わたしもやってた。と同調する人とに分かれて面白いです。

ラジオで「今夜はトロピカルナイト」と警告(?)していました。20℃ほど。アイルランドの夜の気温としては異常な高さですけれど、日本ではクーラー使っても、この気温にはならないですよね(苦笑)。
昨日まではまだ、夜になるとさっと気温が下がり、スパッツ2枚重ね。この夏ようやくお目見えした半袖シャツ!ですが、夜はフリースなどに逆戻り。1日に2回着替えることになり洗濯物が増えますけど、今はさっと乾いてくれるので洗濯も楽しいです。なんだか所帯染みた話になっちゃいましたけど、ここの冬、洗濯物をいかに乾かすかは大問題!なので、ここ数日の”夏日”、大いに助かっているのです。
冬中着ていたセーターもようやく洗えたし。みんなどうやって乾かしているのだろう?と思って、地元の人に聞いてみたところ「厚手のセーター?洗わないで干す」が基本のようでした。東京生まれには、まだまだハードル高いです(苦笑)。

トマトサルサから思いっきり話がそれました。
日本のフルーツトマトなら、はちみつ要らないのかも?と、ふと本題に戻り。
はちみつは、トマトの酸味の緩和とともに、水気を封じ込める役割もさせているのですけど、甘すぎるようでしたらオリーブオイルをからませるだけにとどめてみてください。



グースベリー

 毎年、初夏の楽しみのひとつがグースベリー。日本ではなじみの薄い食材ですが、アイルランドでもごく短い間しか市場に出回らないので、ここ数年はずっと買いそびれていました。他国から輸入されるので、いちごやブルーベリーはもちろん、野生のブラックベリーでさえ通年手に入るようになり「旬を迎えたこの季節にしか食べられない」のは、ルバーブとグースベリーだけなのでは?と感じています。
 そんな希少なグースベリーが旬を迎えました。おまけに田舎暮らしのおかげで収穫のお手伝いをする機会にも恵まれたので、その顛末含め、どんな風に食べるのか?などをお伝えいたしますね。

 おなじみエイダンのオーガニックファームで知り合いになったご夫婦は、マナーハウスでゲストハウスを経営。ロックダウンでセミ・リタイア状態なのだそうで、広大な敷地内の果樹園にあるフルーツを「無駄にしたくないから」と、エイダンのファームに”寄付”しています。去年の秋は、わたしにも「お菓子にしてね」と段ボール箱いくつものりんごをくださって。今度はグースベリー。摘むのに手がかかるので、マークとわたしが二つ返事でお手伝いに駆けつけた次第。お屋敷を見てみたかったのも大きな理由でした。
 ワイルドなウッドランドの中に建つ美しいマナーハウスに感嘆。泊まってみたかったな〜。

 庭というより森、の奥にある果樹園に向かうと、たわわに実をつけたグースベリーの低木が数本。となりには同じ種属のレッドカラントが何本か並び、そろそろ色づき始めていたので「次はこれ」と狙いを定める自分は、まるで鳥みたいですね。
 ずっと以前、パリでランチしたときに、サラダの上にちらしてあったレッドカラントにいたく感動して以来、真似したいのですけれど、これもまたあまり流通しない食材のひとつなので、思わず「お!」と目が止まったのでした。
 グースベリーがあまり流通しないのは、摘むのが厄介なせいかも。枝にはたくさんの鋭いトゲがあり、気をつけないと腕が傷だらけになります。つい袖をまくって作業していたマークはやられてました。長袖着てきた意味ないじゃん。
 鳥たちのコーラスを聞きながら手元に集中して、ちまちま摘み続けること数時間、10kgほどを収穫しました。全部わたしがいただいたわけではなく、エイダンのファームショップで小売りするのが目的で。しかし。
 意外に売れなかったのです!
 ファームで酵母パンを売るアンとわたしが残ったグースベリーを引き取り、手分けしてジャムと焼き菓子にして販売する予定。みなさん、それをお待ちなのかも。
 グースベリーの使い方ですが、ポピュラーなのはジャム。同じ時期に花を咲かせるエルダーフラワー(ニワトコ)と一緒に煮るのだそう。これは最近知りました。酸味が強く、甘みも香りもほとんどない果実なので、エルダーフラワーのほのかな香りづけと、たっぷりめの砂糖が必須。
 りんごやルバーブと同じく、タルトの具材にすることも多いです。わたしは「フール」を作ってみたかったので、果実の形を残したコンポートに。
 摘みに行ったときにもらったアドヴァイスが「煮立たせないで、静かにゆっくり煮ること」。果実が重ならないような大きいお鍋にグースベリーをぎっしり並べ、半身浴ほどの水と大さじ数杯のウォッカとハチミツを注いで煮てみました。エルダーフラワーの花は茎を少し残した状態で2本ほど。これは煮た後に取り出します。
 10分ほど煮て味見したら、思わずうっとり。エルダーフラワーの静かな力が大きく、こんどはコーディアルを作ろうと固く決意しました。
 「フール」は、なんのことはない、ベリーなどに生クリームをからませただけのデザートです。おばかさんと同意語のFoolの由来も謎ですが、生クリームに空気をまぜこむ”ホイップ” からきてるのでは?が自論です。

グースベリー
エルダーフラワー
グースベリーのフール。果実をフィーチャーしたかったので、”のっけ”たスタイルですが、ふつうはもっとぐずぐずに混ぜあわすようです。シンプルですが、旬の味を楽しむには最適。生クリームに砂糖はまぜないのが基本。でもグースベリーも甘さ控えめなので、上から少し、Agave(テキーラの原料)シロップをかけました。上品な甘さで最近のお気に入り。



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