アイルランドの音楽事情を知るのならラジオがいちばん。 わたしの音楽情報源はほぼ全部ラジオといってもいいくらい。今や世界中どこでも聞けるようになったのも嬉しい限り。リクエストはアイリッシュゆかりの地アメリカやオーストラリアをはじめ、ときどき日本からも。 Pod castでいつでも聞かれますから、ぜひお試しください。 まずはほぼ欠かさずに愛聴している番組から。
別の日にかかったのは、UKのパンクバンド“ハーフマン・ハーフビスケット”。’90年代はじめのダブリンで、わたしの友人たちが愛聴していたバンドです。マークから教わって、結婚式でも流しました・笑 貴重なアルバムは’85年にリリースされた「Back in the DHSS」 もしもどこかで見つけたら絶対にgetしてください!必聴盤です。
「The Plains of Kildare/キルデアの平原」は、マークとわたしにとって特に思い入れの多い歌です。だって“キルデアの平原”=Curragh(カラ)はマークの実家のすぐ近く。わたしもしばらく住んでいた思い出深い場所です。 歌の舞台になっているカラ競馬場には数え切れないほど行きました。 マークが競馬専門のジャーナリストになったきっかけでもありますし。
ヒマール刊「Never Tire of The Road/旅に倦むことなし」の82ページを参照してください(学校の授業みたい・笑) カラではダービー始めクラシックレースが開催されますが、2頭立てのレースって??と不思議だったのですが、この歌の舞台は18世紀までさかのぼるそう。歌われている馬たちはサラブレッドではなくポニーと総称される少し小さめの馬です。ポニーレースは今も健在ですが、正規の競馬とは異なります。でも“草競馬”の様相で、この歌のシーンに近いかもしれません。 アンディが参加したPlanxty/プランクシティのイルンパイプス奏者リーアム・オフリンが乗馬の名手であったことは、日本ではあまり知られていないと思います。
John Francis Flynn の名前はよく耳にしていましたが Ye Vagabondsと親交があるのはラジオのインタビューで知りました。 「ロックダウン中のほうが会う機会が多かったかも。解けたらお互いツアーに出ちゃってちっとも会えない」と冗談まじりにコメント。 ではジョン・フランシス・フリンのオリジナル曲を。
次は、1950年代にアメリカで活躍したアイルランド人グループ The Clancy Brothers(以下クランシーズ)。今彼らの映像を見ると、あまりにステレオタイプなルックスで笑っちゃいますが(失礼)かのボブ・ディランもファンだったそう。ヴォーカリストのひとり、リーアム・クランシーのことを「最高のバラッドシンガー」とコメントしています。
ファーストアルバムからのシングル曲で、ラジオでしばしば耳にしていました。イアンとダラは兄弟で当初バンドは彼らの苗字LynchをもじってLynchedを名乗っていたのですが、デビューするにあたって“リンチ”は誤解を招くかもとLankumに改名しています。 フィドルのコーマックはスライゴーフィドル奏者の代表格Oisin Mac Diarmada(オシーン・マクディアマダ)の弟!と気づいたのはこのコラムを書いている途中のこと。他のメンバーはみなダブリン出身なので、スライゴーつながりがなんだか嬉しい。