Yumikoのサバイバル・クッキングレシピ

アイルランド在住の料理家・松井ゆみ子さんから届く、いま作りたい&作ってもらいたいレシピと日々のエッセイ。

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himaar

進化するレシピ/アップルケーキ

 ちっともレシピをアップしなくてすみません〜〜
 本日も少々手抜きですが、ひさびさの焼き菓子です。
 拙著「アイリッシュネスへの扉」のおまけレシピ、作ってみました? りんごの季節到来なので、ぜひお試しくださいね!
 そしてこれは「進化」したアップルケーキ。最近はこのバージョンで作っています。手順はほとんど変わりませんが、ポイントはアーモンドフラワーを加えて味に奥行きが出たこと。りんごをたくさん入れているところ。
 なんせ庭でじゃんじゃん収穫できてしまうので、なるべくたくさん消費できるレシピというのが重要なんです。たくさん入れると、ごろごろして焼き上がりが心配でしょう? ところが!
 生地の中で案外小さくなるし、ケーキ自体がりんごでしっとりするし、甘みもでてきて大成功。りんごはヘルシーですしね。たくさん入れましょう。
 紅玉1個としていますが、どのくらいの大きさだったか忘れているので(苦笑)、試しに1個からはじめて、まだいけるな、と思われたら、増やしてください。
 生地が増えすぎちゃったら、型を大きくしてたくさん召し上がってくださいませ〜。

 以下の分量にココア大さじ2を、粉類をまぜるときに加えて、チョコレート味にするのもいいですよ〜。ファームショップでは、まずチョコ味から売れます(笑)。
 まだやってないんですけど、チョコ味のときはレーズンをラムなどに漬け込んでおくと合うのじゃないかな。ナッツはほぼ必須。超合いますから。

 三温糖をはちみつやメープルシロップにする場合。
 分量は40gほど。手順はバターを湯煎で溶かしてはちみつをまぜ、卵を入れるタイミングでまぜこんでください。ちょっとふくらみにくくなるかもしれません。そしたら次回は、ベーキングパウダー小さじ半分、重曹小さじ半分で作ってみてください。解消できるはずなんだけどなー(と、またもや乱暴な料理人の発言)。

「アップルケーキ進化系」

最近のアップルケーキの体裁はこんな感じ。丸型にするときもあります。ポイントはりんご多め、トッピングでなくまぜこむ。

【材料】 1/2 パウンド型
バター 60g
三温糖 60g
薄力粉 100g
アーモンドフラワー 20g
ベーキングパウダー 小さじ1
シナモン 適量
レーズン 適量
紅玉 1個
卵 1個
*牛乳(オプション)生地が粉っぽいようでしたら少し。
*くるみ、アーモンドをまぜたり、トッピングすると食感が楽しめます。

【作り方】
拙著の付録とほぼ同じです。少し変えているのは、りんごをざく切りにして、生地にまぜこむところ。 
1.バターと三温糖をクリーム状にする。
2.粉類、レーズン、ざく切りにしたりんご(5センチ四方✕1〜2センチの厚みくらい。大きさは不揃いの方が食感をいろいろ楽しめます)、卵を加えてさっくりまぜ、粉っぽいようだったら牛乳でととのえてください。
3.アーモンドをちらし、180℃に予熱したオーブンで30〜40分ほど焼けば完成。

追伸
ヒマールのツイッターで紹介していただいたわたしの音楽コラム ”クラン・コラ”というメルマガでも掲載されています。充実の執筆陣ですので、ぜひご購読を。無料です〜〜

【追加情報】
新刊O’Bento、アイルランドにお住まいの方は以下の書店で販売しています。
今のところ国内のみ郵送してくれます。
価格は24ユーロ(送料別途ですが、5ユーロ以下と思います)
Liber bookshop Sligo
071-9142219
info@liber.ie
オンラインショップは liber.ie
bookという項目の中の Food&Drinkをクリックすると料理本が出てきます。
拙著は2ページ目に。表紙をクリックすると内容とともにカートが出てきます。
どうぞご利用くださいませ!



おべんとう本「O’Bento 」もついにアイルランドで刊行!(先取りレシピも最後にご披露します)

 5年を費やした「O’Bento」もやっと完成! 感無量です。
 アイルランドで編集を担当してくれたシボーンの、情熱と忍耐がなかったら実現できなかった料理本。デザイナーのショーンとともに、感謝してもしきれません。奇しくも、ここでもまた「アイリッシュネスへの扉」と同様ミニマムなチーム構成でした。編集者、デザイナー、著者の3人に印刷屋さん。
 印刷は「Printed in Ireland」にこだわり続けた結果、北アイルランドのタイローンで印刷できました。超クール!!
 今年の国技ゲーリックフットボールで優勝を遂げたのもタイローン。応援しましたとも。国の大半が、対戦相手のメイヨーを応援する中で。すべてがラッキーな方向へ向かうような気分にしてくれました。
 「O’」としたのは、アイルランドの名字「O’Donnell」などに使われる「O’」を利用したら覚えやすいかなと思ったのです、この国でもぼちぼちBentoは見かけるようになっているのですが、わたし自身「べんとー」と口にするのに抵抗があり、「お」はつけようよ、と提案したかったのです。
 ちなみに名前につく「O’」は息子を意味し、O’Donnellはドネルさんの息子という意味。O’Bentoの「O’」は丁寧な言い方です、と説明しています。

 「O’Bento」はおべんとうをテーマにしていますが、レシピはランチにもディナーにも使えるようにしていますし、おやつも盛り込んでいます。
 アイルランドのおべんとうといえばサンドウィッチに果物、お菓子がちょこっとといったシンプルなものばかり。グルテンフリーが主流になる中で、ランチボックスの中身はあいかわらずというのは、いかがなものか?
 冷めてもおいしく食べられる日本米を紹介しつつ、自家製のパイなどなじみのあるものも含めています。ベジタリアンが増えているので、肉なしの麻婆豆腐やビーフンなど、日本人にはちょっと珍しいレシピも。
 出汁や、みりん、酒など、ふだんここで使わない食材を加えないレシピなのが工夫したところです。
 海苔巻きなどに使う酢飯も、レモンとはちみつを使っています。酢にはグルテンが含まれていることが多いので。

 ヒマールのじゅんこ編集長から「O’Bentoから1品、紹介してください。和訳で!」とリクエストがありましたので、ご披露いたしますね。

「肉なし麻婆豆腐」

 夫マークの大好物。ベジタリアンメニューを捻出しているときに思いつきました。作ってみて「なんだ、肉を入れなくても充分おいしいじゃん!」と自画自賛。家にある野菜でさっと作れる気軽な1品になりました。

この写真はボツカットです(笑)。すごく最初の頃に撮影したもので、われながら稚拙〜。でも、天気のいい”麻婆豆腐日和”で、撮影後にがつがつ食べたのが昨日のことのような気がします。

【材料 2人分】
干ししいたけ 2枚(水100mlに15分浸し、スライス)
にんにく 1カケ みじん切り
しょうが 15g
豆腐 1丁
長ネギ 1本 スライス

*ソース
味噌 小さじ2
ケチャップ 小さじ2
はちみつ 小さじ2
醤油 小さじ2
唐辛子 1本 種をとってみじん切り
片栗粉 小さじ2(葛粉もおすすめ)
しいたけの戻し汁 100ml 
水 100ml

【作り方】
1.深めのフライパンにソースの材料を入れてまぜあわせ、にんにく、しょうが、しいたけを加えて火にかける。
2.ソースを煮立たせて、とろみが出たら豆腐とネギを加えて3分ほど煮ればできあがり。

*おべんとう本のレシピとは、若干変えています。
しいたけの戻し汁など、ビギナーのアイリッシュには少しクセが強いかな?と思って減らしていますが、逆に日本では物足りないかもしれませんので。
材料は最少限にしていますが、にんじんのみじん切りや、さやえんどうなど、いろいろ加えてみてください。セロリもいい仕事します。野菜を足すときは、豆腐を入れる前にもう2〜3分煮てください。
とろみは少なめかもしれません。ベシャメルなどクリームソースはポピュラーですが、アジア系の「あんかけ」はあまり見かけないので、さらっとした仕上がりにしています。

まだ郵便事情が改善しておらず、ヒマールから拙著を郵送してもらうとき、O’Bentoの編集者シボーンあてにしてもらいました。北アイルランド在住なので、なぜかずっと早く届くのです。で、この日。彼女の家に納品されたO’Bentoと一緒に、うちに届けてくれました。まさかの2冊同時!さすがにちょっと、ぐっとくるものがありました。狙ってできることじゃありません。別の国で、別々にスタートした作業が、ほぼ同時に仕上がるなんて!

【追加情報】
新刊O’Bento、アイルランドにお住まいの方は以下の書店で販売しています。
今のところ国内のみ郵送してくれます。
価格は24ユーロ(送料別途ですが、5ユーロ以下と思います)
Liber bookshop Sligo
071-9142219
info@liber.ie
オンラインショップは liber.ie
bookという項目の中の Food&Drinkをクリックすると料理本が出てきます。
拙著は2ページ目に。表紙をクリックすると内容とともにカートが出てきます。
どうぞご利用くださいませ!



土曜のランチ

 拙著がオフィシャルに出版され「届きました」や「半分読んだー」などなどメールがわんさか。ひさかたぶりの”声”も多く、返信も長くなりがちで、先週はずっとパソコンの画面に向かっておりました。なので今回のブログはレシピなしでごかんべんください。そのかわりというのもナンですが、毎週土曜日の昼食風景をご披露いたします。
 土曜日はオーガニックファームに焼き菓子を納品し、オーダーしていた野菜をピックアップする日。金曜日は丸1日、焼き菓子作りに追われるので、土曜日はその開放感もあり、採れたての新鮮野菜と、アンの作る自然酵母パンの、シンプルだけれど最高のごちそうを楽しみます。
 ここに引っ越してきて、お皿に並ぶ食材に、それぞれ「だれそれさんの」と生産者の名前がつくことに気がつきました。
 たとえばこの日。ジェリー・バーンズのビーフ、エイダンのサラダリーフとズッキーニ、アンのパン。すてきでしょう? ときには、ジョニーのサバや、ジェイソンのポロック(スケソウダラ)、ヤスミンのレタスと卵なども。新たに加わったのはエルカのアップルジュース。エルカからも卵をいただいた。サイダー(シードル)作りのためにおすそわけしたリンゴのお返しで。
 日曜日にマーケットがある週は、ここにイーアンの野菜や最近やみつきになっているコーリーンのチリジャムなども肩を並べます。生産者が異なると同じ野菜でも味がちがうので、エイダンとイーアンのじゃがいもの食べ比べなど楽しみも倍増。
 ポロックは身がくずれやすいので、まだ調理になれませんが、大きなタラよりも味が繊細で新たなお気に入りの魚になりました。ジェイソンが自分で釣って、きれいにさばいてきてくれるので大助かり。耳よりな情報も。
「タラは大食いで、腹をさばくと中からヨーグルトのパックとか出てくるんだぜー。その点ポロックはお上品でね、食べるものを選ぶから内臓美人」
 フィッシュ&チップスといえば、たいていはCod(大きいタラ)を使いますが、最近ポロックを使うレストランを発見。値段が安いこともあるのでしょうけど、理由はそれだけではなさそうです。
 上記の人たちのほとんどは、拙著新刊の登場人物ですので、合わせてお楽しみくださいね。おっとエルカはここで初登場。去年までクリフォニー・カントリーマーケットのメンバーでした。今はお客さんとしてやってきます。彼女のだんなさんは趣味でリンゴの発泡酒サイダー(シードル)を作ると紹介されたのが去年の秋の終わり。残念なことに、庭のリンゴのほとんどは使い切ってしまっていて「来年は必ず」と約束していたのです。すでにやってきた「来年」。今年は大豊作だったので、助けて〜〜とリンゴもぎに来てもらいました。
 次に、わが食卓を飾るのは手作りサイダー。週末にエルカのファミリー総出で収穫したリンゴがお酒になって帰ってくるのです。
 まさしく、わらしべ長者の気分!

エイダンのサラダリーフ(エディブル・フラワー入り)とズッキーニのソテー、ジェリー・バーンのビーフステーキ。味付けは赤ワインと醤油。たまねぎもエイダンのだった。じっくりソテーして、さらにフライパンのわきに寄せてビーフの肉汁をたっぷりすわせます。マッシュルームはアイルランド産でオーガニックですがスーパーで買ったもの。シーズンオフでもありますし。
アンの自然酵母パン生地で作ったフォカッチ。じゃがいもがのってるのはご愛嬌ですが、彼女の育てた作物です。まだ小さいのでトッピングにしたのだそう。

<編集部より>
松井ゆみ子さんの新刊「アイリッシュネスへの扉」、9月1日に発売となりました。
通販でのお求めはヒマールのオンラインストアにて、ぜひどうぞ!
お読みになっての感想など、こちらのブログのコメント欄にぜひお寄せください。



ついに出版!「アイリッシュネスへの扉」

 早々にご予約くださった方々は、すでにお手元に届いていると思います。まだ刷り上がってもいない時点でご購入くださって、恐縮しております。

 アイルランドに到着するのはいつかしら??
 ヒマールの辻川純子編集長が、速攻で発送してくださって。ポストカードのときと同様、北アイルランド在住の「O’Bento」本の編集者シボーンあてです。日本とアイルランド共和国間の郵便事情はまだ改善しておらず、イギリス圏の北アイルランドへの郵便はずっと早く届くので。待ち遠しい〜〜
 でも、多少のタイムラグがあってよかったのかも。本は、出版されると同時に著者のものではなく、読者のものになるのだと誰かが言ってましたけれど、ほんとうにそのとおりなんです。できあがった拙著を見て「え? 誰が書いたの?」という感じで、実感がわかない。
 友人が「本を作るって、出産みたいなものよね」って言ってくださったのですが、産んだ途端に成人して家から出て行っちゃう感じ。なんだかネガティヴに聞こえることを書いちゃいましたけれど、強調します。拙著はみなさんのものになりました。お楽しみいただけたら嬉しいです!!!
 で、タイムラグ。忘れた頃に届く拙著に「わー、できた〜〜」って、無邪気に喜べたらいいなと思って。

 そして、なんと。5年がかりで制作していたレシピ本「O’Bento」も、今印刷にとりかかっています。2冊同時刊行は人生初。狙ってできるものではありません! なんせ日本とアイルランド2カ所で、ばらばらに取りかかっていた作業ですから。
 たくさんの方々に読んでいただくための努力をしつつ、次の本にとりかかれる喜びを密かにかみしめてもいます。

 ツイッターに、拙著新刊が出ると思わなかったってコメントがあり、ちょっとショックでした。17年かかっちゃいましたけど、出す気は満々でしたので(笑)。

 ご感想、ご意見、どうぞ遠慮なくお寄せください。お手やわらかに〜

通販でのお求めはこちら



プラムケーキとパイナップルケーキ

 オーガニックファームのショップでの”小商い”で、定番のケーキです。
 以前ご紹介したシュガーフリーのアーモンドケーキの応用版。手抜きな感じで恐縮ですけれど、最初にご紹介したのはレモンの搾り汁だけのシンプルなもので、これに果物を加えるとぐっと特別感が増すので、ぜひお試しいただきたく。

プラムは皮ごとで大丈夫です。種はとってくださいね! 桃もいいと思いますし、ワインで煮た洋ナシをのせた”ペア&アーモンドケーキ”は、とてもポピュラーな焼き菓子です。これもまた、いろいろな果物でアレンジしてみてくださいね!

 写真のは、初物のプラムをのせました。まだちょっと酸っぱかったので、アガヴェシロップを少し回しかけ、その上にアーモンドスライスをトッピング。アーモンドはから炒りしなくても、焼いている間に香ばしくなるので大丈夫。
 もうひとつの応用版はパイナップル。これは大好評で、売り切れ必須のアイテムになりました。缶詰ではなく、生のパイナップルを刻んで生地にまぜこみ、さらにスライスしたものをトッピングし、アーモンドスライスをちらします。
 難点は、パイナップルが生地になじみにくいのか、少し大きめに刻むと焼きあがったあと、気をつけないと壊れやすいのです。おうちで食べる分には「切る手間が省けた」くらいですみますけれど、どなたかにあげるときはちょっとヒヤヒヤ。アイルランドでは「ちょっと割れちゃってるけど、ごめーん」ですんじゃいますが(笑)。

 どういうわけか、スライゴー界隈では生のパイナップルがとてもポピュラーで、最初はびっくりしました。ニューブリッジでは、大きなスーパーに行かないと買えませんでしたし、いつもたくさんあるというわけでもなし。
 それがスライゴーでは、コンビニのような店でも扱っていましたし、スーパーではほとんど山積み状態。おまけに安いし。
 友人は、家で作るスムーディーのベースにするため、パイナップルは常備。アイルランド北部のキッチン風景としては、かなり不思議な感じです。
 そんな土地柄なので、パイナップルケーキを思いついたわけです。
 アップサイドダウンケーキといって、輪切りのパイナップルと、その真ん中にチェリーの砂糖漬けを飾り、ケーキ型の底にならべ、その上に生地をのせて焼いたケーキがあります。焼きあがったら逆さにして、パイナップルが上にくるので”アップサイドダウン”。これは缶詰のパインを使うようで、おまけにザラメのお砂糖を型にまぶし、焼き上がりがカラメル状態に。チェリーも甘いし、そこそこあま〜いケーキです。
 わたしのパイナップルケーキは砂糖抜き、メープルシロップかハチミツで作るので、さっぱり系です。
 焼き上がりに、アイスクリームをのせていただくのもおすすめ。
 レモンのシャーベットとかも合う気がします。

<編集部より>
松井ゆみ子さんの新刊「アイリッシュネスへの扉」、まもなく発売です!
早ければ今週前半にも印刷所からあがってくる予定。
すでにたくさんの方にご予約でご購入いただき、誠にありがとうございます! 印刷所より納品され次第、発送いたしますので、どうぞあと少しお待ちくださいませ。
特典ポストカード付きのご予約購入は発売日前日8/31まで承っております。ぜひ!


 



ズッキーニのケーキ

 ヒマールのじゅんこ編集長にズッキーニの焼き菓子を作ったと言ったら即「食べてみたーい、作ってみたーい」のリクエストがきました。アメリカのテレビドラマでズッキーニケーキが登場したのだそうで「どんな味なんだろう?」と思われたばかりなのだそうで。
 そろそろ”デッキーニ”状態(日本で見た造語ですが、なかなか言い得ていますね。これを英語で説明すると長くなってインパクトなし。まずズッキーニとよばないし!)で、たくさん消費できる方法は? とレシピを探していて見つけたのがケーキ。しかし以前一度試してみたのですが、いまひとつピンとこない味で。ズッキーニをすりおろすレシピがほとんどで、それも水分をしっかり絞り出す方法。せっかくの水気を捨てるのは忍びなく、そのまま混ぜ込んだせいでしっとりを通りすぎ、味もぼんやり。なんだかなあ……の結果でした。
 最近わたしの中で定着しているズッキーニの下ごしらえは千切り。前にも書きましたけれど、輪切りにしたあとに千切りにすると、切った両端に皮がつくことになり、食感が残せます。きゅうりも春雨サラダにするときなど、この切り方が重宝。
 これでばっちり。と思ったのですけど、膨らまないのよ。オーブンの中ではいい感じでしたけど、外に出したらぺっちゃんこ。で、少し足してみました。奥の手の重曹に加えてヨーグルト。前回は牛乳だったので、生地がゆるくなりすぎたのかも。こういう試行錯誤がけっこう楽しいんですよね~。最終的にうまくいけば、ですが。
 幸い、大成功。かなりの自信作になりました。
 ファームでも販売したのですけど「ズッキーニのケーキ」の名前でひるむ人もいそうなので「チョコ&ミントケーキ、プラス、ズッキーニ」と心理作戦。これもまた成功したようで(笑)。
 味のコンビネーションもぴったりと自画自賛。ミントは庭の野性味あふれる葉で、まるで歯磨き粉(苦笑)。なので使いそびれていたのですが、ぼんやりなズッキーニにはよさそうな気がして。こちらも作戦成功。
 前置きはこのくらいにして。どうぞお試しくださいませ!
 トッピングのピスタチオは、色がきれいなので最近多用していますが、くるみでもアーモンドでもいいですし、なしでもオッケー。ズッキーニを散らすのもいいかも。レモンの皮のすりおろしをまぜこんだり、スパイス足したり、毎度のごとく、アレンジいろいろできそうなので、合わせてお試しくださいね!

「ズッキーニのケーキ」

【材料】*1/2パウンド型
ズッキーニ 150g (そこそこ大きいものを半分くらい)
バター 100g
三温糖 120g
薄力粉  120g
アーモンドフラワー 20g
ココア 大さじ3
ベーキングパウダー 小さじ1
重曹 小さじ1/2
たまご 2個
ヨーグルト 大さじ1
ミントの葉 6枚
ピスタチオ 適量(砕いてトッピング)

【作り方】
1.ズッキーニを薄く輪切りにしたあと、縦に千切り。
2.バターと三温糖を混ぜ合わせてクリーム状にする。(一気に混ぜようとすると、けっこうたいへんですが、少し混ぜてから10分ほど置いておくと、砂糖の湿気で混ぜやすくなります。)
3.2に、薄力粉、アーモンドパウダー、ベーキングパウダー、重曹、ココアを加え、さっくり混ぜ合わす。
4.3にズッキーニ、ミントの葉、ヨーグルトを加えてさっと混ぜ、溶き卵を加えてさっくり混ぜ合わせる。
5.型にオーブンペーパーを敷き(底の部分だけでもオッケー)生地を入れ、砕いたピスタチオをトッピングする。
6.180度に予熱したオーブンで35分ほど焼く。

<お知らせ>
新刊「アイリッシュネスの扉」が9月1日に発売になります!
ただいまヒマールのオンラインストアにてご予約販売を受け付けています。
すでにたくさんの方にお申し込みをいただいていて、心から感謝いたします!
ご予約購入には特典として「レシピ付きポストカード」をおつけしておりますので、よろしければ。
どうぞよろしくお願いいたします!




ズッキーニ

 まずは、9月1日に発売の拙著「アイリッシュネスへの扉」、ご予約販売ですでにたくさんご購入いただいているようで、みなさま本当にありがとうございます! 書店さんからもご注文をいただいていると聞き、とても嬉しく思います。
 発売まであと3週間ちょっと、たのしみにお待ちいただけましたら幸いです。

 さて、元気な夏野菜がファームにあふれ、どれもこれも欲しくなって、毎週末ダンボール箱にいっぱいの野菜を買い込んでいます。
 家庭菜園でも、プロのファームでも、どうしても生産過剰になってしまうのがズッキーニ。成長がとまりません。採れ始めの頃の小ぶりなズッキーニだけ欲しいといっても無理。一旦育て始めたら大きいやつも面倒みないと。
 無駄にならないよう、わたしもせっせと購入していて、おいしい食べ方プラスたくさん消費できる方法を試しまくっています。
 レシピの話に入る前に。このあたりで「ズッキーニ」(イタリア由来)とよんでいるのは、わたしくらい。たいていの人は「クールジェット/courgette」(フランス由来)とよんでいます。アメリカ英語とイギリス英語のちがいのひとつで、理由はどうぞ各自でググってみてください。

 まずは炒めもの。まちがいのない調理法で、なんだかんだいちばんたくさん食べられる気がします。
 写真にあるのは、千切りをオリーブオイルでさっと炒めただけ。味付けは塩と、フライパンが熱くなってきたときに入れたクミンシードほんのひとつまみ。これがいい仕事をしてくれました。一緒に炒めたのは、長ネギの輪切りに見えますが、たまねぎの軸。今の時期はまだ新たまねぎで、茎つき。そろそろ茎は”腑抜け”の状態でスカスカしたものもありますが、使えるものもあり、炒めものやスープに使っています。これは長ネギを使っていただくか、なくてもぜんぜんオッケー。
 塩は、千切りにしたズッキーニにからめておくのがポイント。水分が出てきて、炒める時間をさらに短縮できます。
 切り方は、わたし流ですが、まず輪切りにして(薄くなりすぎず5ミリ強)それを粗く千切りに。そうすると、切り口の上下に皮がつくので食感が保てます。

 今までのズッキーニの炒めものの定番は、ごま油で炒め、最後にすりごまを和える。で、韓国料理のレシピを簡素にしたもの。これも最初に塩をまぶしておいて、余計な水気を絞ってから炒めます。この方法のときは、輪切りか半月。最初に覚えた方法なので今もキープ。確か、元のレシピはガーリックと唐辛子が入っていたはず。韓国料理ですね。
 写真の二品目は、ピカタっぽいですけど、卵多めのパンケーキ。かな? これもまた、ワインのアテにぴったり! ズッキーニ(半分)をわたし流粗めの千切りにしてボウルに入れ、塩、米粉小さじ1ほど、卵1個を加えてまぜあわせます。フライパンにオリーブオイルを熱して生地を入れて焼くだけ。
 エイダンのファームの卵が、すごくヴィヴィッドな黄色で抜群の仕上がりになるのはラッキーなことです~。ズッキーニは卵との相性がとってもいいので、オムレツやキッシュ、フリタッタなどに。和風に厚焼き卵に入れてもいいですね。今度やってみよ。
 塩気を気持ち強めにしたので、何もつけずにそのままでいただけます。が、薄味にして、酢醤油をちょっとつけるのもいいかもしれません。

 ズッキーニのケーキ、材料のひとつを切らせたままなので、すみません! 次回に持ち越し!

ズッキーニの炒めもの。酒のつまみにサイコー。
ピカタ風パンケーキ。米粉は、サクサクした仕上がりになるので、いい感じです。


ごあいさつ

 ヒマールのサイトで”発表”! されましたように、拙著「アイリッシュネスへの扉」が9月1日に発売されます!!

ヒマールのオンラインストアにて、特典付きのご予約販売開始されました!

 エッセイ本を出すのは、なんと17年ぶり。レシピ本を2013年に出していますが、それだってもう8年前。書籍の制作は時間がかかるので、そんなに次々と作れるものではないですし、そもそも本を作る機会に恵まれたこと自体が幸運なことなので、じっくりと取り組みたいといつも思います。
 今回の新作は、ヒマールのじゅんこ編集長と「作りましょう!」のGoサインが出てから2年足らずで完成したので、あれ? 今までの拙著のなかではかなりのハイスピードかも。
 前にも書いたような気がしますが、今までの拙著はプランに何年か要し、出版社にプレゼンテーションし、運良く企画会議に出してもらって、そこからいくつもの難関(編集会議、営業会議、会社トップの決断)を数ヶ月かけてくぐり抜け「出しましょう」の嬉しい快諾をいただいてから原稿を書き始め(レシピ本のときは料理撮影。これがまたわたしひとり作業なので、調理、スタイリング、撮影をちまちまこなすのに1年半を要した気が。買い出しがいちばんたいへんでしたが・笑)そのあとにデザインワークが始まり……と軽く1年がかりの作業です。楽しいんですよ! すべて。チームでの作業が始まると特に新鮮で。
 校正を何度も繰り返して「これで完了、印刷屋さんに回すのみ」を迎えるのは、嬉しくもあり、ある意味いちばん不安なとき。は、わたしだけかしら? 出かける前に、家中の鍵を閉めたにもかかわらず、見落としがある気がしたりしませんか? あれと同じ。
 じゅんこ編集長に「お疲れさまでした! これにて終了」と言われたとき、嬉しさよりも寂しさの方が大きかった。
「自分の本を見るのは、エキサイティングよね!」と誰にも言われるのですが、「え? この本誰が書いたの?」という幽体離脱のような気分。
 こういう一種の虚脱感を打開する手はひとつだけ。次の本に取りかかる!
 いつもスタートは、出せるかどうかもわからない「本」をひとりでプランして、作業を始めます。たいてい、これが「たたき台」になってくれるので、まずは作り始めないと。あ、何か「やってみたい」と思っていることがあったら、夢想も大事ですけど、着手するのが早道です。きっぱり!
 ひとりで構築するうちに上達もするし、誰かが気づいてくれる機会が増えるし、可能性が広がるのはそこから。
 今までの拙著は写真が多く、読者の方から「3時間で読み終えちゃいました」と、それは「面白かった」のかわりに言ってくださった言葉だったのですが、次にいつ出せるかわからない本なので「ゆっくり読んで!」と答えた気がします。が、今回はずっと憧れていた”文字ばっかりの本”。写真も少しは入れていますが、基本”読み物”です。自分で書いたものでも、校正時に数日要しましたから、秋の夜長にゆっくりお読みくださいね!
 やっと書けた「硬派」な本です。が、わたしのテイストですから爆笑エピソードもお楽しみいただけると思います。

 前置きが長いのは、クールじゃないので切り上げます~

 次回のブログでは再びレシピをご紹介いたしますね。
 夏野菜の使い方がテーマです。旬のズッキーニの焼き菓子も!

夏の庭。裏庭ですが、まるで空き地を借りて洗濯物干しているようにしか見えませんよね〜。左の木はりんごです。今年は豊作になりそう。こんな庭を眺めながら書いた新作です。


クイック・トマトサルサ

焼き菓子のレシピをご紹介するつもりだったのですが、日本からは「ハンパなく暑いですっ」のメールが続々。オーブン使う気にはなりませんよね。
なんとアイルランドも先週から夏日が続いており、うちで登場回数の多い「トマトサルサ」のレシピをお伝えしたいと思います……なんて大仰に言うようなものではないのですけど、便利な一品ですので。

トッピングの花はワイルドガーリック。初夏に撮ったカットです。うちの食卓にしばしば登場する一品。

【材料】(作りやすい分量)
トマト 2個 湯むきして種をとり、粗みじん切り
たまねぎ 半分 みじん切り
エクストラバージン・オリーブオイル 適量
レモンの絞り汁 適量
塩 少々
はちみつ 小さじ1ほど
ハーブは、バジル、パセリ、コリアンダーなどお好みで(みじん切り)。
パンチがほしいときは、にんにくのみじん切りかすりおろしを小さじ1ほど。
そしてチリ。これもお好みで。チリ抜きだとサルサとよべないですね(笑)。ケイパーのみじん切りを加えて「サルサ」とよぶことがありますが。わたしは青唐辛子で、きりっとした味にするのが好みです。

作り方は材料をただまぜるだけ。カリカリに焼いたバゲットにのせたり、ごはんにまぜてもいいですし、冷製パスタにも、トルティーヤの具材にも。朝、大きなボウルにこれを作っておくと、1日中使い回しができて、とても便利です。グリルした魚やお肉にのせればソースに早変わり。
ちょっと加える甘みがミソ。メープルシロップでもかまいません。トマトは少し甘みを加えると、ぐっと奥行きのあるソースになります。フルーツですもんね。
こどもの頃は、お砂糖少しかけて食べていました。そう言うと、うえ〜ってのけぞる人と、あ、わたしもやってた。と同調する人とに分かれて面白いです。

ラジオで「今夜はトロピカルナイト」と警告(?)していました。20℃ほど。アイルランドの夜の気温としては異常な高さですけれど、日本ではクーラー使っても、この気温にはならないですよね(苦笑)。
昨日まではまだ、夜になるとさっと気温が下がり、スパッツ2枚重ね。この夏ようやくお目見えした半袖シャツ!ですが、夜はフリースなどに逆戻り。1日に2回着替えることになり洗濯物が増えますけど、今はさっと乾いてくれるので洗濯も楽しいです。なんだか所帯染みた話になっちゃいましたけど、ここの冬、洗濯物をいかに乾かすかは大問題!なので、ここ数日の”夏日”、大いに助かっているのです。
冬中着ていたセーターもようやく洗えたし。みんなどうやって乾かしているのだろう?と思って、地元の人に聞いてみたところ「厚手のセーター?洗わないで干す」が基本のようでした。東京生まれには、まだまだハードル高いです(苦笑)。

トマトサルサから思いっきり話がそれました。
日本のフルーツトマトなら、はちみつ要らないのかも?と、ふと本題に戻り。
はちみつは、トマトの酸味の緩和とともに、水気を封じ込める役割もさせているのですけど、甘すぎるようでしたらオリーブオイルをからませるだけにとどめてみてください。



グースベリー

 毎年、初夏の楽しみのひとつがグースベリー。日本ではなじみの薄い食材ですが、アイルランドでもごく短い間しか市場に出回らないので、ここ数年はずっと買いそびれていました。他国から輸入されるので、いちごやブルーベリーはもちろん、野生のブラックベリーでさえ通年手に入るようになり「旬を迎えたこの季節にしか食べられない」のは、ルバーブとグースベリーだけなのでは?と感じています。
 そんな希少なグースベリーが旬を迎えました。おまけに田舎暮らしのおかげで収穫のお手伝いをする機会にも恵まれたので、その顛末含め、どんな風に食べるのか?などをお伝えいたしますね。

 おなじみエイダンのオーガニックファームで知り合いになったご夫婦は、マナーハウスでゲストハウスを経営。ロックダウンでセミ・リタイア状態なのだそうで、広大な敷地内の果樹園にあるフルーツを「無駄にしたくないから」と、エイダンのファームに”寄付”しています。去年の秋は、わたしにも「お菓子にしてね」と段ボール箱いくつものりんごをくださって。今度はグースベリー。摘むのに手がかかるので、マークとわたしが二つ返事でお手伝いに駆けつけた次第。お屋敷を見てみたかったのも大きな理由でした。
 ワイルドなウッドランドの中に建つ美しいマナーハウスに感嘆。泊まってみたかったな〜。

 庭というより森、の奥にある果樹園に向かうと、たわわに実をつけたグースベリーの低木が数本。となりには同じ種属のレッドカラントが何本か並び、そろそろ色づき始めていたので「次はこれ」と狙いを定める自分は、まるで鳥みたいですね。
 ずっと以前、パリでランチしたときに、サラダの上にちらしてあったレッドカラントにいたく感動して以来、真似したいのですけれど、これもまたあまり流通しない食材のひとつなので、思わず「お!」と目が止まったのでした。
 グースベリーがあまり流通しないのは、摘むのが厄介なせいかも。枝にはたくさんの鋭いトゲがあり、気をつけないと腕が傷だらけになります。つい袖をまくって作業していたマークはやられてました。長袖着てきた意味ないじゃん。
 鳥たちのコーラスを聞きながら手元に集中して、ちまちま摘み続けること数時間、10kgほどを収穫しました。全部わたしがいただいたわけではなく、エイダンのファームショップで小売りするのが目的で。しかし。
 意外に売れなかったのです!
 ファームで酵母パンを売るアンとわたしが残ったグースベリーを引き取り、手分けしてジャムと焼き菓子にして販売する予定。みなさん、それをお待ちなのかも。
 グースベリーの使い方ですが、ポピュラーなのはジャム。同じ時期に花を咲かせるエルダーフラワー(ニワトコ)と一緒に煮るのだそう。これは最近知りました。酸味が強く、甘みも香りもほとんどない果実なので、エルダーフラワーのほのかな香りづけと、たっぷりめの砂糖が必須。
 りんごやルバーブと同じく、タルトの具材にすることも多いです。わたしは「フール」を作ってみたかったので、果実の形を残したコンポートに。
 摘みに行ったときにもらったアドヴァイスが「煮立たせないで、静かにゆっくり煮ること」。果実が重ならないような大きいお鍋にグースベリーをぎっしり並べ、半身浴ほどの水と大さじ数杯のウォッカとハチミツを注いで煮てみました。エルダーフラワーの花は茎を少し残した状態で2本ほど。これは煮た後に取り出します。
 10分ほど煮て味見したら、思わずうっとり。エルダーフラワーの静かな力が大きく、こんどはコーディアルを作ろうと固く決意しました。
 「フール」は、なんのことはない、ベリーなどに生クリームをからませただけのデザートです。おばかさんと同意語のFoolの由来も謎ですが、生クリームに空気をまぜこむ”ホイップ” からきてるのでは?が自論です。

グースベリー
エルダーフラワー
グースベリーのフール。果実をフィーチャーしたかったので、”のっけ”たスタイルですが、ふつうはもっとぐずぐずに混ぜあわすようです。シンプルですが、旬の味を楽しむには最適。生クリームに砂糖はまぜないのが基本。でもグースベリーも甘さ控えめなので、上から少し、Agave(テキーラの原料)シロップをかけました。上品な甘さで最近のお気に入り。



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