去年のクリスマス、まだ引っ越し途中だったマークとわたしは、スライゴーからニューブリッジの家に車で向かっていました。見事にがら〜んとしたモーターウエイはSF映画のよう。前日、クリスマスイブはマークの従姉妹がディナーに招待してくれて、伝統的なターキーとハム、オーブン焼きの野菜、じゃがいもetc、家族親族友人たちと、わいわい楽しい時間をすごし、わたしは数年ぶりにクリスマスディナーを作らないですんじゃった年でした。
さて今年。あんな風に誰かと集うことはできないので、夫婦水入らず。いつもと同じです(笑)。
引っ越し先の家の庭には、いろんな種類のヒイラギがあるので、少しいただいてリースに。ツリーも庭中にあるので、あえて家の中にすえる意味なし。
今まで当たり前にしてきたことに「意味ある?」と自問する、いい機会を得たのが今年だったと感じています。ウィルスの影響だけでなく、今の家に引っ越してきたことが大きなきっかけでした。
「今年を振り返って」的なコメントをあちこちで耳にしますが、ちょっと意外に思うくらい「最悪な年だった」と言う声を聞きません。アイルランド人らしいポジティヴさか?とも思ったりしますが、それだけではないみたい。著名ミュージシャンが「ツアーがなかったので、曲づくりもできたし、家族とすごせた」って言っていたのが象徴的でした。
身近でも、長年やりたかった趣味がやっと実現できた、とか、特に創作活動に適する機会だったのではないかと思います。
世の中が忙しく動いているとき、そこに巻き込まれないようにしながらものを作るのは、容易いことではありません。
アイルランドではクリスマス前、そんな時期に生まれた新しい歌がたくさん発表されました。
この国の底力を感じる瞬間です。
わたしもヒマールから出版するエッセイ本を書き上げました。
来年、みなさんに読んでいただけることを願っています。