5年を費やした「O’Bento」もやっと完成! 感無量です。
アイルランドで編集を担当してくれたシボーンの、情熱と忍耐がなかったら実現できなかった料理本。デザイナーのショーンとともに、感謝してもしきれません。奇しくも、ここでもまた「アイリッシュネスへの扉」と同様ミニマムなチーム構成でした。編集者、デザイナー、著者の3人に印刷屋さん。
印刷は「Printed in Ireland」にこだわり続けた結果、北アイルランドのタイローンで印刷できました。超クール!!
今年の国技ゲーリックフットボールで優勝を遂げたのもタイローン。応援しましたとも。国の大半が、対戦相手のメイヨーを応援する中で。すべてがラッキーな方向へ向かうような気分にしてくれました。
「O’」としたのは、アイルランドの名字「O’Donnell」などに使われる「O’」を利用したら覚えやすいかなと思ったのです、この国でもぼちぼちBentoは見かけるようになっているのですが、わたし自身「べんとー」と口にするのに抵抗があり、「お」はつけようよ、と提案したかったのです。
ちなみに名前につく「O’」は息子を意味し、O’Donnellはドネルさんの息子という意味。O’Bentoの「O’」は丁寧な言い方です、と説明しています。
「O’Bento」はおべんとうをテーマにしていますが、レシピはランチにもディナーにも使えるようにしていますし、おやつも盛り込んでいます。
アイルランドのおべんとうといえばサンドウィッチに果物、お菓子がちょこっとといったシンプルなものばかり。グルテンフリーが主流になる中で、ランチボックスの中身はあいかわらずというのは、いかがなものか?
冷めてもおいしく食べられる日本米を紹介しつつ、自家製のパイなどなじみのあるものも含めています。ベジタリアンが増えているので、肉なしの麻婆豆腐やビーフンなど、日本人にはちょっと珍しいレシピも。
出汁や、みりん、酒など、ふだんここで使わない食材を加えないレシピなのが工夫したところです。
海苔巻きなどに使う酢飯も、レモンとはちみつを使っています。酢にはグルテンが含まれていることが多いので。
ヒマールのじゅんこ編集長から「O’Bentoから1品、紹介してください。和訳で!」とリクエストがありましたので、ご披露いたしますね。
「肉なし麻婆豆腐」
夫マークの大好物。ベジタリアンメニューを捻出しているときに思いつきました。作ってみて「なんだ、肉を入れなくても充分おいしいじゃん!」と自画自賛。家にある野菜でさっと作れる気軽な1品になりました。
【材料 2人分】
干ししいたけ 2枚(水100mlに15分浸し、スライス)
にんにく 1カケ みじん切り
しょうが 15g
豆腐 1丁
長ネギ 1本 スライス
*ソース
味噌 小さじ2
ケチャップ 小さじ2
はちみつ 小さじ2
醤油 小さじ2
唐辛子 1本 種をとってみじん切り
片栗粉 小さじ2(葛粉もおすすめ)
しいたけの戻し汁 100ml
水 100ml
【作り方】
1.深めのフライパンにソースの材料を入れてまぜあわせ、にんにく、しょうが、しいたけを加えて火にかける。
2.ソースを煮立たせて、とろみが出たら豆腐とネギを加えて3分ほど煮ればできあがり。
*おべんとう本のレシピとは、若干変えています。
しいたけの戻し汁など、ビギナーのアイリッシュには少しクセが強いかな?と思って減らしていますが、逆に日本では物足りないかもしれませんので。
材料は最少限にしていますが、にんじんのみじん切りや、さやえんどうなど、いろいろ加えてみてください。セロリもいい仕事します。野菜を足すときは、豆腐を入れる前にもう2〜3分煮てください。
とろみは少なめかもしれません。ベシャメルなどクリームソースはポピュラーですが、アジア系の「あんかけ」はあまり見かけないので、さらっとした仕上がりにしています。
【追加情報】
新刊O’Bento、アイルランドにお住まいの方は以下の書店で販売しています。
今のところ国内のみ郵送してくれます。
価格は24ユーロ(送料別途ですが、5ユーロ以下と思います)
Liber bookshop Sligo
071-9142219
info@liber.ie
オンラインショップは liber.ie
bookという項目の中の Food&Drinkをクリックすると料理本が出てきます。
拙著は2ページ目に。表紙をクリックすると内容とともにカートが出てきます。
どうぞご利用くださいませ!