Yumiko's

松井ゆみ子がアイルランドからお届けする「食」と「音楽」のこと

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2023 / 2月

デーツ&ウォールナッツ・ケーキ

ぐっと春めいてきた今日この頃。まだ寒さが戻る日もありますけれど、陽射しが力強くなり、子羊たちが放牧されているのを見かけました。
クリフォニーのカントリーマーケットもホリデータイムを終えて再開したばかり。2023年最初のマーケットは、今年初めて加わった祝日“セント・ブリジッドズデー”の連休と重なったこともあって大賑わいでした。
わたしの人気商品だった“ベジ・スシ(野菜入り海苔巻き)”は衛生局のルールがきびしくて、やむなく敗退。今もお客さんたちから「残念〜」と惜しむ声をいただいております。でも正直、仕込みがたいへんだったので少し肩の荷を降ろした気分もあり。しかしながら“ベジ・スシ”に代わるものがなかなか見つからず試行錯誤を続けています。
そんななかで思いがけずプチ・ヒットしているのが「デーツ&ウォールナッツ・ケーキ」。ずっと前にファーマーズマーケットのパン屋さんでアルバイトしていたときに初めて知ったクラシックな焼き菓子で、地味な体裁なのに不動の人気だったことを思い出し、試しに作ってみたら大当たり。といっても1回のマーケットで売るのは2〜3本ですが、開店早々に売り切れるのは嬉しいことです。
わたしの商品ラインアップは、このケーキの他にバナナケーキ、グルテンフリーのアーモンドケーキ、最近作り始めて好評な海藻入りパンetc 。
先輩ベイカーたちが、自然酵母パンをはじめブラウンブレッドやスコーン、アップルパイなどの人気定番を押さえているので、かちあわないように売れ筋を作るのは容易いことではないのです。でもそこがまた醍醐味でもあるのですが。異国人のわたしが作るのですからユニークなものを紹介したい、と欲があります。まだまだ模索中ですが。
この小さなヴィレッジでは食べ物に関してとても保守的な人たちが多く、あまり冒険できないのも事実。そんななかで海苔巻きが飛ぶように売れたのは奇跡に近かったのです。あるいは“寿司”がそんな保守的な人たちにも興味をそそらせる食べ物になっていたということなのかな。
満々の自信で出した“オニオン・タルト”が最後の最後まで売れ残って、えらく悲しい思いをしたことも。おいしいのに!!
「ユミコ、あれは無理よ。ここの人たちにはエイリアン」。
的確なアドヴァイスでした。

では人気商品、デーツ&ウォールナッツ・ケーキのレシピをご紹介します。

「デーツ&ウォールナッツ・ケーキ」

【材料】1 パウンド型 
デーツ 100g
*マジョール(medjoul)デーツのセミ・ドライが理想的です。乾燥した小さいデーツしか入手できないときのヒントはレシピ内で。
重曹 小さじ1と1/2
濃いめにいれた紅茶 100ml
バター 40g
三温糖 70g
薄力粉 125g
ウォールナッツ 25g
卵 1個
*お好みでナツメグ、シナモンなど。

【作り方】
1.デーツの種をとって重曹とともにボウルに入れて紅茶を注ぎ、10分おく。
*乾燥したデーツは長めに20分ほどおく。
2.バターと三温糖をクリーム状にまぜる。
3.2に薄力粉、ウォールナッツ、スパイスなどを加え、1と溶き卵を加えてさっくりまぜあわせて型に入れる。
4.180℃に予熱したオーブンで35〜40分焼く。

しっとりした、ちょっと和風ともいえる自然な甘さのケーキです。
レモンの皮のすりおろしを入れるレシピもあります。
紅茶と重曹の力でふっくら、失敗なくできますのでぜひお試しくださいね〜〜

ゆみ子さんからのおまけ写真「出荷待ちの商品たち」。
どれもおいしそう〜!近所に売りに来てほしいです!!(編集部)



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