お料理雑誌の特集記事のタイトルみたいですけど、この夏に実感していたことなんです。台所にたくさんハーブがあるって、なんて豊かな気分にさせてくれるんだろう、と。今までも、スーパーマーケットでパック入りのハーブはけっこう買っていました。でも、イスラエルやら遠くの国から運ばれてくるものが多く、すぐにぐったり。それが今年は、近所にあるエイダンのオーガニックファームに野菜を注文するときに“bunch of”(超適当な分量!)ハーブを追加してもらっていて、料理がぐっと楽しくなりました。レギュラー陣は、バジル(夏ですから!)、ミント、コリアンダー(わしわし食べられる!アジアっぽい料理には欠かせません、特にヌードル系)。毎週魚を買うようになってからはディルも常連。日持ちするので隔週にやってくるのはローズマリーとタイム。最近レギュラーに加わったのがチャイブ。今の時期にあるのを知らず、たまたまファームで見つけたので「ほしい〜」と言ったらすぐに切ってくれました。定番のパセリ(今はイタリアンのフラットパセリ)が入っていないのを不思議に思われるかもしれませんけれど、さすがに使いきれなくなるので今はお休み。
ハーブは家で育てるのがいちばんなんですけど、これだけの種類を常に置くのはスペースが要るので台所で育てるのには限界があるし、外で育ちますけど美しいコンディションを保たせるのは簡単ではないので、元気できれいなハーブを毎週入手できるのは、ほんとうにラッキーなことだと感じています。
摘みたてのハーブは元気で、切り口がきれいなものは水につけておくと根が出てくるのですが、土に入れてだめにしたことが何度もあるので、水耕栽培にとどめて誰かほしい人にあげています。いつか、ハーブ専用の小さなビニールハウスを持ちたいな〜
ハーブは使い道がよくわからない、という声を聞きますが、わたしもそうでした。アイルランドで料理するようになって、パセリ、タイム、ローズマリーは郷土料理にしばしば登場するので身近なものになりましたけれど、セージやタラゴンなど使いこなせていないハーブは多数。コリアンダーは嫌いな人が多いですけれど、アイルランドで育つものは香りがやわらかくて使いやすいです。わたしはそもそもコリアンダー好きなので、アジア産のがっつり系も問題ないのですが。アジア風の麵ものにはたっぷりトッピングします。幸い夫マークもコリアンダー好きなので、炒めものやタイ風カレーにはてんこ盛り。餃子にも欠かせません。
フレッシュ・ミントは、お菓子づくりに大活躍。ご存知のようにチョコとの相性がいいので、先日はチョコ味&ミント入りのマドレーヌを作りました。
ローズマリーもベイキングに最適。タルト生地にまぜこんだり、オレンジマーマレード入りのスコーンにちょこっとまぜたら、いい仕事をしてくれました。
ハーブは、料理人のイマジネーションを刺激する名脇役たちだと思います。
レシピってほどではないですが、調理例をいくつか。
「ハーブ・バター」
室温でやわらかくしたバターに、にんにくのすりおろしと刻んだハーブ(チャイブ、ローズマリー、ディルなど)を混ぜ込む。使い方は、トーストしたバゲットにぬる他、魚や肉のソテーにのせるなどお好みで。
「バジル・ペスト」
常備したい便利な保存食。冷凍できます。
<作りやすい分量>
バジルの葉 25g
パインナッツ(松の実) 大さじ1(くるみなどでもオッケー)
レモン汁 小さじ1
オリーブオイル 大さじ1(たいていのレシピはもっと多いと思います)
塩 少々
材料全部をハンドミキサーなどでブレンドするだけ!
ミキサーがないときは、すり鉢でもできます(オイルは最後に)。
塩はブレンドした後に、味見しながら加えてください。
バジルをコリアンダーにしたり(唐辛子との相性抜群)、レモンをライムにしたり、変幻自在です。
パルメザンチーズを入れるのがオリジナルのレシピですが、うちはパスタにするときに最後に加えたり、ダイエット事情で入れなかったり(笑)。
最近は、これにケールをまぜこむ知恵がつきました。かさが増すだけでなく、栄養価もぐんとアップ。
たくさん作り置きすると便利な調味料です。
茹でたパスタにまぜるだけで一品になるし、サンドウィッチのベースにしたり、魚料理のソースにしたり、万能選手。
庭にあった、ウイキョウ(フェンネル)の実を収穫したところで、家の中にいい香りが漂っています。もうね、それだけで豊かな気分。