Yumiko's

松井ゆみ子がアイルランドからお届けする「食」と「音楽」のこと

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拙著O’Bento

アイルランドの本屋さんに拙著が並ぶのは大きな夢のひとつでした。
英語の料理本を作るのは無謀に近いことでしたけれど、幸いにも素晴らしい編集者とデザイナーに巡り合い、約5年の月日をかけてO’Bentoを完成させました。自費出版ですが、地元スライゴーの書店Liber bookshopが快く販売を担ってくれ、初版を売り切ってくれました。派手な宣伝をしたわけでもなく、店頭で拙著を手にとった方が購入してくださった、そのシンプルなリアクションに感激しています。
ちなみにLiber bookshopはアイルランドの優良個人書店として毎年トップクラスに選ばれている素敵な書店です。

今年、晴れて増刷。そこそこ大きく重たい本なので、日本に持ち込むのはためらわれていたのですが、今回初めてヒマールで販売してもらえることになり、少量ですが入荷したところです。
値段に言及するのは、わたしの好みではないのですけれど、エクスキューズの意味もあり。
アイルランド&UKの料理本の多くは分厚いハードカヴァーで、価格も安価ではなく、クリスマスのプレゼントなど特別なものとして扱われています。
気軽に買える料理本もたくさんありますが、著者が気合いを入れた料理本は、それなりの体裁を構えます。わたしも、というかわが編集者はそこを目指してくれたのです。
なので、拙著を見て「わ、高っ!」と思われませんよう!!
現地アイルランドでは、24ユーロ(編集注:1ユーロ175円とすると4,200円)で販売しています。
わたし自身が「わ!高っ!!」と思ったのですが、それがフツーなので、異議を唱えるわけにもいきませんし、そもそも自費出版で、ほぼ利益度外視・笑 
同じような本は体力的にも二度と作れないので、そこをお汲み取り頂ければ幸いです。
買わずとも、ヒマールにおいでのみなさまはちょっと手に取ってみてくださいね!!
英語版の日本の料理本は今やたくさん出版されていますけれど、長年住んでいる異国の地で、地元の編集チームと制作された料理本はそう多くないと思うのですが??アイルランドでは初です。きっぱり!

日本で暮らす方には珍しくない料理も多いですが、異国だとこんな作り方するんだ!と驚いていただけたら幸いです。

O’Bentoと名付けたのは。
今やアイルランドでも”べんとー”が知られつつあるのですけど、われわれ日本人は”おべんとう”って丁寧語を使いますよね?これをまず、ここで知ってほしかった。”べんとー”も時によってはいいけど、丁寧語の”お”を使ってね。
奇しくも、アイルランドでは”O’”(O&アポロストロフィー)は、よくある苗字なのです。誰々さんの息子という意味で、たとえばO’Donnellなど。
地元でなじみのある”O’”を使ったのは、わたしなりのジョークを伴うメッセージなのです。べんとうの息子?というつっこみは勘弁してもらうとして!

すでに晩秋の様相濃いスライゴーの片田舎より

ゆみこ

限定10冊!ヒマール店頭とヒマールのオンラインストアのみで販売しております。
ご希望の方はどうぞお早めにお求めください。 (ヒマール)


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2025. 開幕

去年は念願のミュージシャンたち、Ye Vagabonds、Lankum、John Francis Flynn、Daoiri Farrell、Eoghan O’Ceannabhainのコンサートを観られて幸せでした。さらにはDervishのCathy Jordan に続き、Altanのコンサートで締めくくり。贅沢なことです。

ヒマールでスタートした”つまびくロバの会”の趣旨も素晴らしいけれど、”アイリッシュなロバの会”の好調ぶりも素晴らしい!
アイルランドの音楽は、いつも強調するのですけれど”演奏してみてなんぼの音楽”。聴くだけでも充分に楽しめますが、自分で演奏してみて初めてその奥深さに気づく仕組みになっているのです。
その深みにはまりつつあるわたくしも、去年はかなり前向きにレッスンと自習に取り組み(がんばる感じではなく、弾くこと&学ぶこと自体が楽しくなった)、仲間も増えてスローなセッションを見つけては参加するようになりました。
速い演奏のセッションに参加できる日が来るとは思い難いけれど、一緒に演奏できる仲間が増えていくのはすてきな体験です。

わたしにとってはまだ夢のようなアイルランドのパブセッションでフィドルを弾いていたのが、サイファー斗亜さん。
この数年間、日本に行く機会がぐっと少なくなっているわたくしなので、斗亜さんの活躍ぶりは、お会いしたあとにネットをググって初めて知った次第。共通の友人もたくさんいて、いつかゆっくりお喋りするのが楽しみ。
ヒマールで2月11日にライブ演奏されます!歌も素晴らしいので、ぜひいらしてくださいね!!!
共演のハープ奏者・木村林太郎さんもおともだちなのですーーー
日本にいたら絶対に行ってたっっ!!!

去年の年末は異様に暖かかったのですが、ようやくいつも通りの寒さが戻り、年明けからはときおり雪化粧。珍しく南部、中部域の方が積雪している様子。

アイルランドでリリースした拙著料理本「O’Bento」が見事に完売し、増刷を検討しているところです。
販売を一手に引き受けているスライゴーのLiber bookshopは、アイルランドのベストブックショップ・アワードの上位に入賞。誰もが賞賛する書店に拙著を置いてもらえるのは光栄なことです。
さらに場所柄、イエイツ関連書籍が豊富で、すぐとなりに並ぶ拙著を見て感無量。

今年は、友人が作る本にレシピを提供したり、なかよしのフレンチシェフと新作料理をつくるなどなど、楽しみな予定があってわくわくしています。
去年は音楽が主軸でしたけど、今年は少し料理にシフトかな?

今年もどうぞ、お忘れになりませんようご贔屓のほどを!!

ゆみこ



アナログレコードと蔵書

もっと早くにお知らせするつもりだったのですけれど、ヒマールご店主ご夫妻もご多忙でしたし(大きな言い訳!)わたしもイベントごとが多くて出かけまくっていました。
面白い話がたくさんあるので、それはまたあらためて。

去年の東京滞在中、西荻の実家にあったアナログ・レコードと本を引き取ってもらいました。すてきなお店ばかりなので、ぜひいらしてみてください。

・RANA-MUSICA   RECORD STORE
世田谷区代沢5-28-12 フジタビル2A
03-6450-9931

わたしの父親はレコード会社に勤めていました。定年退職後の再就職先もレコード会社で通算50年以上。なので家には、父が仕事で関わった作品に加えて趣味で集めたレコードなどなどが約3,000枚!
実家を手放すにあたって、このレコードたちをどうするかが最大の懸案事項でした。幸い、実家のように親しくさせていただいている隣家のお嬢さん、かなちゃんが、下北沢でレコード屋さんを営んでいるおともだちの、りょうちゃんを紹介してくれて、めでたく全て引き取ってもらいました。
売るのがむずかしいであろう作品もあったのに「破棄するのは忍びないですから」と、太っ腹かつ音楽に対しての温情あっての措置で、すごく感謝しています。
昨今のアナログ盤の再ブームがなかったら、無理だったかもしれません。
聴く方が増えたことにも感謝しつつ、家から旅立ち、再び愛聴してもらえることを願っています。

・Robbin’s nest

弘前にあるアイリッシュパブで、オーナーの翔一くんが収集しているアナログ盤を聴くことができますが、そこに我が家のコレクションも入れてもらいました。

・音羽館

西荻にある老舗の古書店です。ほとんど押しかける感じで本を持って行ったのですが、すでに書棚にアイルランド本があるのを発見(笑)。
ご店主さん、ティンホイッスルを習っていらしたそうで!
ふだんはあまり扱われない洋書まで引き受けていただきました。
品揃えがすごいので、ぜひいらしてみてくださいね。

・STORY’s 落合慎二さん

大崎シャノンズでイベントをさせていただいたときに、オーナーの福井ゆうこさんにご紹介いただき、書籍をたくさん引き取っていただきました。
売り物にはなりそうもないけれど、ご趣味と言ってくださったレコードもお持ちいただいて。
お会いしたのは、拙宅に下見に来てくださったときだけで「次回の東京滞在中にはぜひお店にうかがいますね」と約束していたのに、今年1月に急逝され、再会は叶わなくなってしまいました。
わたしの持っていた「ライ麦畑でつかまえて」(白水社刊)を「ぜひ」とリクエストいただいたとき、すでに誰もが持っている本なのに売れるのかな?と不思議だったのですが、愛読書なのだそうで、ご自分のためだったのかも。今頃、読んでいらっしゃるのだといいな。

千葉ライブハウスANGAのオーナー、なおみちゃんには家具と食器をたくさん引き取ってもらいました。もうオープンしたのかな?なおちゃんのおばんざいをふるまう居酒屋さんで、うちの食器に遭遇できるはずです。

 ”家仕舞い”の作業の大半は家財道具の処分。捨てる作業が主で、それってかなりエネルギーを要します。愛着のあるものたちをどなたかが引き取ってくださると、作業はぐっとポジティブなものに変化。
多くの友人知人たちに助けられました。この場を借りてお礼申しあげます。

ヒマールにも多くのCDや書籍を救ってもらいました。
「次に日本に行くときまでとっといて!」とお願いしているCDたちは、いずれなんらかの機会に、みなさんにお聴かせしたいと思っています。
もう手に入らないものも多いのです!

上記のお店、住所などはググれるので手抜きでほぼ割愛いたしました。陳謝。


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