エッセイ「ホットドッグ」by Yumiko

 どちらかといえばアイルランドでは、ホットドッグよりもハンバーガーの方が人気が高いような印象です。レストランのメニューにハンバーガーはあっても、ホットドッグはまず見かけません。アメリカのホットドッグ専門店のチェーンはそこそこ人気ですが、どの町にもあるわけではないし。チッパーとよばれるフィッシュ&チップスの店などで買えますが、ソーセージをはさんだだけの素っ気ないものばかり。

 ダブリン郊外ダンレアリのファーマーズマーケットのロイのホットドッグ屋さんは、いつも行列の人気店。炒めたたまねぎとパプリカをたっぷりのせてくれる数少ない例外です。大きすぎてちょっと食べづらいので、わたしはいつもミニサイズのキッズ版を買っていました。それでも大きい。夏の定番行事、各家庭でのバーベキューでも、ソーセージはみんな大好きですが、パンにはさむのはバーガーだけで、ソーセージはそのままかぶりつくのがお決まり。

 わたしは断然ホットドッグ派。初めてアメリカに行ったときは毎日食べてました。どこかの美術館の庭だったか公園だったか、屋台で買ったら30センチくらいあって驚愕。それも中身はソーセージだけでしたっけ。でもあれに他の具材が入ったら食べきれなかったな。

 アイルランドにまだ “通って” いた頃、毎回出立の日の朝、健在だった母がホットドッグを作って持たせてくれていました。ひとりっこのスポイル度全開。いつからそんな風に “恒例化” したかは忘れてしまいましたけど、バターロールに炒めたキャベツと普通サイズのソーセージを入れた特製ホットドッグ。生まれ育った実家は東京・西荻窪にあり、グルメ度の高いエリアなので、パンもソーセージもトップクラスで、おいしかったな〜。
 小ぶりだったので、いつも4個はバッグに詰め込んで、1〜2個はマークにとっておいたりもして。燻煙の強いソーセージだったし、よく火を通してくれてたし。

 母が亡くなった後、2年ぶりにアイルランドへ出かける日。母のいない日々には少しずつ馴れていっていたのですが、アイルランドへ向かう道中に母のホットドッグがないことに気づいた瞬間、大きな喪失感でいっぱいになりました。

 いま住んでいるクリフォニーのヴィレッジにあるコンビニエンスストアで、レストランにだけ卸している精肉業者の肉が買えるのです。小売はしていない業者なのですが、近所のよしみでほぼ毎日、数パックだけ配達しているので、お肉はいつも新鮮。鶏肉の扱いはなく、牛肉が中心ですが、ときどきラムやポーク、そこそこ厚切りのベーコンも。そしてたま〜に買えるのがソーセージ。思わず買っちゃったのでホットドッグを作りました。
 キャベツとたまねぎのソテーをたっぷり入れて。フランクフルト・ソーセージ級の大きさで、焼くのに少し難儀しましたけど、や〜、ジューシーでおいしかった!

 アイルランドのソーセージの多くは燻煙していない生ソーセージで、焼くよりも煮込みにした方が調理がラクなんですけど、やはりフライパンかグリルでよーく焼いて、皮がぱりっとした方が好き。でも、煮込みやパイ、パスタソースなど、ソーセージは大活躍します。ただ脂肪分も多いので、最近は少し控えておりますが。そういう風潮を考慮して、脂肪分を減らしたものや、小麦などの “つなぎ” を減らした肉肉しいもの、牛肉や鹿肉を使ったものなど、種類はぐんと増えています。

ほんとは上を切ってあるパンが体裁として好きなんですけど、市販のもの、すでに横をスライスしてありました。でも内側を焼くのに便利だった。ソーセージ焼いた後のフライパンの上に、パンを開いてぱかっとふせて、内側を軽く焼くとおいしさアップ。
キャベツとたまねぎをオリーブオイルで炒めた後、ちょびっとバターをまぜこみ、パセリを散らしました。もちろん写真撮ったあと、ケチャップとマスタードをたっぷり!
本文とまったく関係ないのですが、本日のレトロな昼食。コロッケもどきは冷凍食品のチキンバーガーの中身。カツ丼もどきが作れるかな?と思って買ってみたのですが、衣に力がなく、そのまま食べることに。チキンナゲットを平たくしたようなものでした。サラダは近所のオーガニック農家のもので、近所のコンビニで買えるのがラッキー。そして甘みのない自国のトマト。じゅんこブログ編集長が「岩国のを食べさせたい!」と叫ぶこと必須。



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