続・プーカと冬の嵐

 しばし間があいちゃってすみません。
 オイルタンクから聞こえてくるヴァン・モリソンの歌声の続きです。

 毎朝11時になると、あいかわらずタンクの中から声が聞こえてきます。
 流れてくるのは地元ラジオ番組「フランシー・ボイラー・ショウ」。そうか、ボイラーだからタンクの中か!と納得したら、マークに「残念だけど、ボイラーじゃなくてボイランです」よくある名字だそう。知らなかった。
 ここの大家さんは、ちょくちょく納屋やファームのメンテナンスに来るのですけれど、しばらく留守するとかでご無沙汰の時期に起きた出来事。用心深い人なので、きっとラジオにタイマーを仕掛けて「留守じゃないぞ」とアピールしてるのだろうと納得することに。でも、われわれがいるのに??
 そしてある朝、大家さんが納屋に置いてある薪を取りに来たとき「ラジオにタイマーかけていきました?」と聞いてみると「おお、ラジオ!なくしたと思ってたよ。タイマーって??」
 ラジオは、雨に濡れないようオイルタンクの陰から現れました。中じゃなかったのね。しかし、大家さんはラジオにタイマー機能があるのをご存知なかった……。
 それは大家さんが来る時間帯に合わせてあり「夜の11時じゃなくてよかったねー」と笑い合ったあとに気づいたのです。そういう可能性もあったのに、あえて午前11時。やはりプーカだったか……と確信したのでした。

The End ?

 話は変わって。クリスマスを控えた12月7日、アイルランドに台風が上陸しました。南西部コーク、ケリー、クレアが最初に直撃され、ゆっくりと北上し、スライゴーに到達したのは夜になってから。日中は比較的おだやかだったので「ここまで来ないんじゃないの?」と油断してたら、やってきました。
 キッチンは海の方に向いているし、換気扇から入り込む風の音でラジオのボリュームを上げないとならないほど。
 夜半からさらに風は強まり、部屋の照明がふーっと弱まるときがあり、停電するかも……と心配し始めました。念のために、いつもより多くのキャンドルを灯しておいたのは大正解。うたた寝して目が覚めると電気もラジオも消えており。
 おまけにバスルームは水浸し!幸いトイレからの水ではなかったのですが、部屋まで水がきたらどうしよう……停電はいつまで続くのか?ごはんは!?
 クッカーもオーブンも電気なので手も足も出ません。お茶も飲めないのか〜
 おにぎり作っておくべきだった、と反省しながら寝直したのですが、幸い翌朝、電気は復旧しました。まだ停電が続いている地域も多かったので、うちはラッキーだったようです。バスルームの水も引いていました。前の家だったら、どこも雨漏りでえらい騒ぎだったと思います。
 強風は翌日の夕方になっても勢いが衰えず、今までここで体験した風雨の中ではダントツに激しかった。家の中で聞いているだけで、なんだかひどく疲れました。レスキューの人たちや、電気工事の人たちは、ほんとうにたいへん。

 そんなこんなで、レシピのご紹介はもう少しお時間くださいませ。
 火を使わない料理を研究しておかなくちゃ!と考えています。

非常食としてとっておくべきだったポテトブレッド。マーケット仲間のコーリーン作で、すっごくおいしいんです。人気商品で、いつもあっという間に売り切れ。バターで焼き直すとカリカリに。やはり停電中には向きません〜〜



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