Ballyshannon Trad & Folk Festival 2023

アンディ・アーヴァインとドーナル・ラニーのステージを観てきました!
ものすごくよかったので興奮冷めきらぬうちにお伝えしたいと思います。
バリーシャノンはカウンティ・ドニゴールにある街で、アイルランドが誇るロック・ミュージシャンRory Gallagher (ロリー・ギャラハー/ギャラガーとよぶのは英国人と外国人)にまつわる場所。毎年6月に彼のトリビュートフェスティヴァルが開催されます。
今回わたしが行ったトラッド&フォークフェスティヴァルは、ロリー・フェスの後なので以前よりも若干規模が小さくなったと聞きましたけど、大げさでない分ローカル色が濃くて、そこが素晴らしかった。地元の夏祭りにすごい出演者が登場するような感じ。

ふたりのステージは1時間ほどでしたが、濃厚なラインアップで聴きたかった歌が凝縮。ヒマール刊行のアンディ詩集のおかげで予習も充分!
歌の内容がさらに伝わって、感動が倍増しました。

「The Plains of Kildare/キルデアの平原」は、マークとわたしにとって特に思い入れの多い歌です。だって“キルデアの平原”=Curragh(カラ)はマークの実家のすぐ近く。わたしもしばらく住んでいた思い出深い場所です。
歌の舞台になっているカラ競馬場には数え切れないほど行きました。
マークが競馬専門のジャーナリストになったきっかけでもありますし。

ヒマール刊「Never Tire of The Road/旅に倦むことなし」の82ページを参照してください(学校の授業みたい・笑)
カラではダービー始めクラシックレースが開催されますが、2頭立てのレースって??と不思議だったのですが、この歌の舞台は18世紀までさかのぼるそう。歌われている馬たちはサラブレッドではなくポニーと総称される少し小さめの馬です。ポニーレースは今も健在ですが、正規の競馬とは異なります。でも“草競馬”の様相で、この歌のシーンに近いかもしれません。
アンディが参加したPlanxty/プランクシティのイルンパイプス奏者リーアム・オフリンが乗馬の名手であったことは、日本ではあまり知られていないと思います。

絶対に聞きたかったのが「A Blacksmith Courted Me/鍛冶屋に口説かれた」。Planxtyを聴き込むようになってから大のお気に入りになった1曲です。ちなみに、この歌に出てくる“鍛冶屋”は定住をしないトラベラーのことと推測しています。かつては馬車で移動しながら暮らしていて、馬の蹄鉄を直したりするために必要に迫られて身につけた鍛冶屋の技術。それが生活の糧にもなっていったのだと思います。行く先々で鉄製のものを直して生計の足しにするのです。伝統音楽に欠かせないイルンパイプスの奏者にトラベラーのバックグラウンドを持つ人は少なくありません。ティンホイッスルもそうですが、鍛冶屋の技術が楽器も生み出すのです。
詩集の中でアンディが書いているように、最後のインスト部分がまた圧巻。ドーナルが以前どこかで「ブズーキは素晴らしい楽器だよ。パーカッションにもなるしね」と言っていて「え?弦楽器が打楽器に??」と不思議に思ったのですが、彼がステージで証明してくれました。そこからグルーブが生まれるのです。たったふたりなのにバンドサウンド。すごすぎ。

本のタイトルになっている「Never Tire of The Road」はアンコールに応える形で歌われました。

アンディはまだまだツアーが続きます。
またどこかで必ずコンサートを見よう!と固く誓ったマジックナイトでした。

1976年の演奏から「The Plains of Kildare/キルデアの平原」を。
ポール・ブレイディ、ドーナル・ラニーとの演奏です。




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