Yumiko's

松井ゆみ子がアイルランドからお届けする「食」と「音楽」のこと

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「アイルランドの風」2022-2023冬号

「アイルランドの風 from Cllifoney Village, Co. Sligo」は、文・写真:松井ゆみ子、編集・デザイン・発行:ヒマールでお届けするフリーペーパーです(2022年春から季刊)。

下記の【配布店】で入手していただけるほか、このブログ上よりダウンロードしてお読みいただけます。
また、ヒマールのオンラインストアでのお買い物に同封してお送りします(すみませんが、フリーペーパーのみのご注文は承っておりません)。

下の画像をクリックしてください。PDFが開きます。
★ダウンロード・印刷はご自由にどうぞ!
★印刷しての再配布も大歓迎です。
★無断転載はお断りいたします。

【2022-2023冬号配布店】2022.12.9頃〜
広島県広島市 ミユキ茶房 (コロッケと喫茶の店)
福岡県福岡市 magic fun fair (雑貨と本のweb & pop upショップ)
愛知県名古屋市 オードインク(アイルランドと北欧音楽のスペース)
東京都杉並区 galerie non(オリジナル服と輸入雑貨とお菓子の店)
兵庫県神戸市 1003(書店)
広島県広島市 りんご堂(本屋&カフェ)
青森県弘前市 ロビンズネスト(ライブハウス・パブ・レンタルスタジオ)
東京都小平市 草舟あんとす号(植物の本屋)
宝塚・奈良・名古屋 hatao ケルトの笛レッスン会場
東京都世田谷区 twililight(書店・ギャラリー・カフェ)
広島県広島市 READAN DEAT(書店・ギャラリー)
東京都台東区 古書ほうろう(書店)
鳥取県東伯郡湯梨浜町 汽水空港(書店)
東京都台東区 ひるねこBOOKS(書店)
京都府京都市 レティシア書房(書店)
東京都文京区 喫茶ニト(喫茶店)
東京都杉並区 アステラスどうぐや (雑貨店)
神奈川県大磯 SALO(スタジオとテキスタイル関連のライブラリー)
大阪府三島郡島本町 長谷川書店水無瀬駅前店(書店)
山口県岩国市 ヒマール (フリーペーパー発行元)

【配布店】として置いてくださるお店(書店、飲食店など)を募集しています。また、イベント会場(アイルランド関連のコンサートなど)での配布も大歓迎です。
配布用に印刷したものをご希望の場合は、必要な枚数などをこちらよりお知らせください。
ダウンロードしてご自身で印刷してくださる場合は、A4コピー用紙に両面印刷したものを、まず【タイトル部分が外側にくるように上下二つ折り】、そして【タイトル部分が外側にくるよう左右二つ折り】にしていただくと、A6サイズ(はがきサイズ)となり、店頭に置いていただきやすくなります。

【配布店・配布会場】は、ヒマールのSNSなどからもご案内させていただきますので、どうぞお知らせください。



今注目を集めているミュージシャン特集

個人的なおすすめも含めて、気に入っていただけたら嬉しいなと思うミュージシャンをご紹介したいと思います。たぶんまだ日本ではあまり知られていない人たちばかり。
まずはヒマールご店主、辻川夫妻も大絶賛のこのグループから。
新譜がリリースされたばかり、ツアーも控えてブレイク直前、衝撃映像です!

北アイルランドとの境にあるダンドーク(Dundalk)出身のチャールズ(このヴィデオではメインヴォーカル)とアンドリューのヘンディ兄弟、ショーン・マッケーナのヴォーカリスト3人が中心。地元のサポートが熱く、すでに国営放送でも何度か取り上げられ、新作の発表とともにラジオでもこの曲ががんがん流れ始めたところ。わたしはつい最近、新作以前の作品を見つけてファンになったばかりなのですが、すっかり虜!
「Cod liver oil ( 肝油)とオレンジジュース」はスコットランドの歌です。

次は、最近ようやく名前と顔と声が一致したばかりの女性アーティスト。
音楽一家のなかで育ち、フィドルは3歳で始めたという多才な人でサクスフォンまでこなし、毎回印象が異なるので混乱していましたが全貌が見えたところです。スライゴーのテーマ・ソングともいえるこのチューンを。

共演しているBridin はヴィデオの舞台になっているスライゴー南部エニスクローン(Enniscrone)出身のハープ奏者。実家が葬儀屋さんで彼女もフルタイムで働いているそう。父親は有名かつユニークな人物です。

クレア・サンズ(Clare Sands)の多才さを知っていただきたいので、もう1曲。

ポエトリーリーディングは歌の原点、ミュージシャンとの共演もしばしば行われます。コナル・クリーダンはコーク出身の作家で、わたしが愛聴しているラジオ番組のプレゼンター、ジョン・クリーダンの兄弟。

さて次。2021年に新譜がリリースされ、まだロックダウンモードが続くなかでしばしばラジオから流れてきたこの歌を。

閉ざされた家のなかで聴くにはぴったりでしょう?
エイドリアン・クラウリーはマルタ島で生まれ、ゴールウエイとダブリンで育ったユニークなシンガー。90年代後半、ダブリンにあったシンガーズ・クラブといった感じのカフェで歌うエイドリアンを観ています。暗いな〜〜と思いましたけど、20年以上続ければ“スタイル”になるのですよね。今聴くとかっこいい。変わらないところも、かっこいい。
そのカフェには、まだ無名だったデミアン・デンプシーやパディ・ケイシー、マンディたちが歌いに来ていました。なつかしいなーー

John Francis Flynn の名前はよく耳にしていましたが Ye Vagabondsと親交があるのはラジオのインタビューで知りました。
「ロックダウン中のほうが会う機会が多かったかも。解けたらお互いツアーに出ちゃってちっとも会えない」と冗談まじりにコメント。
ではジョン・フランシス・フリンのオリジナル曲を。

彼の歌う伝統歌「Lovely Joan」もすごくいいのでチェックしてみてくださいね。
ヴィデオにもちょこっと登場しているフィドラーのウルタン・オブライエン(Ultan O’Brien)はジョン・フランシスのサポートの他に、やはり今注目されているシンガー&ミュージシャン(コンサーティーナ、ホイッスルetc)のオーエン・オキャナボーン(Eoghan O’Ceannabhain)とユニットを組んでいます。

オーエンの新曲ヴィデオはおなじみマイルスの作品。ウルタンは登場しませんが、キッチンでの演奏風景はとてもアイルランド的。

オーエンは、ジョン・フランシス、ウルタンとともにSkipper Alleyという7人編成のトラッドグループで活動していました。7年ほど前のこと。
個々にデビューするよりもグループで活動を始めたのはとても賢いと思います。Planxtyは大きなお手本になっていたよう。
フェスティバルなどにも招かれ、テレビ出演もし、充分に注目を集めたのち、今それがそれぞれの活動のフックになっています。

最後は幅広い活動で独自の立ち位置を見つけたコンサーティーナ奏者コーマック・ベグリー(Cormac Begley)と、おなじみになってきたYe Vagabondsのセッションを。コーマックはディングル出身、父親も叔父も有名なアコーディオン奏者です。今、父親ブレンダン・ベグリーとキャラヴァン(キャンピングカー)でふたり旅をしながら行く先々の土地で地元のミュージシャンとセッションするテレビドキュメンタリー番組が好調。うちもかかさず観ています。
コーマックは珍しいコンサーティーナをたくさん所持していて、低〜い音の出るベース・タイプは彼の専売特許のようになっています。彼の演奏を初めて観たのは代々木でした(笑)。
そのすぐあとにアイルランドでライブを観ることができ、ステージ上に並べた様々なコンサーティーナに驚きました。手のひらにのりそうなピッコロタイプも。

このヴィデオではベースタイプを使用。演奏には力が要るそう。共演者たちはそれを知っていて、いつもだんだん演奏を加速していくのが面白くて。

お楽しみいただけたかしら。
まだまだご紹介したいミュージシャン&映像がたくさんあるので、いずれまた書かせていただきたいと思っています。
フリーペーパー冬号も準備を進めていますので、お待ちくださいねーー!



今も音楽シーンを牽引するアンディ・アーヴァイン

ほぼ毎日ラジオを聞いていますが、アンディ・アーヴァインのスゥィートな歌声が流れない日は少ないです。リスナーだけでなく、プレゼンターもアンディのファンなのですよね。

まずは彼の詩集のタイトルで、彼自身のテーマソングともいえるこのチューンから。ドーナル・ラニーとアルタンのマレードが共演する豪華なヴァージョンでお届けします。

次はアンディが自書で「持ち歌のなかで、もっとも人気が高い」と明言している歌を。初めてレコードに収録したのは1972年、当時参加していたプランクシティ(Planxty)のアルバム。彼らとの貴重映像でお楽しみください。

Blacksmithは確かに「鍛冶屋」のことですが、日本ではたぶんあまり身近な存在ではなくなっていますよね?
アイルランドのブラックスミスは健在です。馬文化の国ですから馬の蹄鉄を作るブラックスミスの存在は欠かせませんし。
定住せずにキャラヴァンで旅しながら生活するトラベラーズとよばれる人たちがいて、彼らの多くがブラックスミスの仕事をすると聞きます。かつては馬車での移動でしたから、蹄鉄作りが必須だったのも理由のひとつ。そして彼らは伝統楽器のティンホイッスル、イーリアンパイプスの作り手でもありました。

次は、1950年代にアメリカで活躍したアイルランド人グループ The Clancy Brothers(以下クランシーズ)。今彼らの映像を見ると、あまりにステレオタイプなルックスで笑っちゃいますが(失礼)かのボブ・ディランもファンだったそう。ヴォーカリストのひとり、リーアム・クランシーのことを「最高のバラッドシンガー」とコメントしています。

クランシー兄弟はティパレリ出身でアメリカへ移住。ヴォーカリストのひとりトミー・メイカム(Tommy Makem)は北アイルランドのアーマ(Armagh)出身。

クランシーズがユニフォームにしているアランセーターが、彼らの成功のおかげでたくさん売れるようになったのですって。それまでは家族のために編むもので商品価値がでるとは考えていなかったよう。アイルランド人らしい。
クランシーズは1940年代に始まったアメリカのフォーク・リバイバルの流れのなかで登場しました。この流れは日本にも到達し、ピーター・ポール&マリーやジョーン・バエズ、ボブ・ディランなどの音楽とともに反戦をとなえるプロテストソングの在り方も伝わってきました。サイモン&ガーファンクルも然り。デビューまもないポール・サイモンはイギリスに渡り、現地の伝統歌を継承し「スカボロー・フェア」という新たな伝統歌を作り出しています。

アイルランドもアメリカ、イギリスのフォーク・リバイバルの影響を受けてはいますが、なにせテレビもラジオも普及していない時代。家でレコードを聴ける人も限られていたはずです。逆にそれが幸いし、この国ならではの音楽シーンが築かれたのかもしれません。
1960年代にショーン・オリアダが キョートリ・クーラン(Ceoltoiri Chualann)を結成し、庶民の家庭で受け継がれてきた音楽がステージでスポットライトを浴びる音楽へと変化。メンバーだったイーリアンパイプス奏者のパディ・モロニーが脱退して新たに結成したのが日本でもおなじみのチーフタンズ。伝統音楽にかつてなかった流れが生まれるなか、プランクシティはさらに衝撃的な存在として注目を浴びました。
ご紹介したプランクシティの映像は古いですけれど、演奏の斬新さと力強さは今でも「おお!」と感嘆。キョートリ・クーランはアカデミックな世界へ、チーフタンズは海外へ、プランクシティは国内で増えてきていた伝統音楽に疎い輩を刺激するために、それぞれ別の立ち位置でアイルランド音楽を高め広める役割を果たしました。

1970年代。プランクシティを離れてドーナル・ラニーは新たなグループ、ボシー・バンド(Bothy Band)を結成します。女性メンバーが参加しているのは大きな変化。60年代のグループには滅多に女性メンバーがいません。日本と同じで女性は家庭を守るものとされていて、ツアーに出るのが前提のバンドに参加するのには大きな抵抗があったのですね。70年代、女性が参加するグループが急に目立ち始めたのは“自由”の表れといっていいと思います。

アイルランドでしばしば「音楽を形にすると、この人になる」と思うことがあります。ここで記したのもそんな人たちです。
おまけに最近こんなヴィデオを見つけて思い切りやられました。圧巻。
彼は“こども”ではなく、小さなジェントルマンです。

次回は今もっとも注目のミュージシャン特集。

ひき続きお楽しみくださいませ!!



音楽生情報を現地アイルランドより

ラジオ番組が超充実している国なので、新旧とりまぜてすてきなチューンを毎日楽しんでいます。

ヒマールで詩集を出版した大御所アンディ・アーヴァインのスゥィートな歌声も頻繁に聞くことができますし、彼に影響を受けたという若手たちも続々登場。ロックダウン中に熟成したミュージシャンが、今解き放たれて見事に羽ばたいている印象です。
そんな音楽シーンをここでお伝えできたらいいなと思いつき、サバイバルキッチンからお届けすることにしました。ラジオ、台所に置いてあるので!

まずはヒマールご店主夫妻のお気に入りYe Vagabonds 。
アイルランドの離れ小島6島をめぐりながらライブ&映像収録したドキュメンタリーの一部です。場所はアラン諸島のひとつInis Meain(イニシュ・マーン)。

兄弟デュオYe Vagabonds (イー・ヴァガボンズ)は中部域Calow(カーロウ)出身。伝統音楽不毛な地と思っていたのは彼らの他にカーロウ出身ミュージシャンをまったく知らないからです。最近聞いた彼らのインタビューによれば、お母さんがドニゴールにある離れ小島Arranmore(アランモア)で育ったのだそう。ルーツは北にありました。
新曲はオリジナル曲で、今ラジオでたくさんオンエアされているところ。ぜひ日本でもお聴きいただきたいのでご紹介いたします。あえて人気テレビ番組でのスタジオライブを。

ロックダウン中に書かれた新曲は、最近亡くなったアランモアの古い友人に捧げたものだと聞きました。
番組司会者Tommy Tiernan(トミー・ティーナン)はコメディアン。音楽にも造詣が深く、フィドルの巨匠マーティン・ヘイズも何度かゲスト出演しています。
Vagabonds は、古いチューンを歌い継ぐと同時にオリジナル曲も生み出し、新たな伝統をつくっていくタイプ。アイルランドの伝統音楽は、スタイルを変えずに守り続けるのではなく、変化しながら踏襲されていく、懐の深いものなのです。

さて次は、名実ともにトップクラスのトラッド&フォークグループLankum(ランカム)。わたしも大ファン。まずはこの映像から。

バンドメンバーは4人、フルメンバーのVideoを。

ファーストアルバムからのシングル曲で、ラジオでしばしば耳にしていました。イアンとダラは兄弟で当初バンドは彼らの苗字LynchをもじってLynchedを名乗っていたのですが、デビューするにあたって“リンチ”は誤解を招くかもとLankumに改名しています。
フィドルのコーマックはスライゴーフィドル奏者の代表格Oisin Mac Diarmada(オシーン・マクディアマダ)の弟!と気づいたのはこのコラムを書いている途中のこと。他のメンバーはみなダブリン出身なので、スライゴーつながりがなんだか嬉しい。

いつもランダムにyoutubeを楽しんでいたのですが、ふと共通項に気づきました。上記したミュージシャンたちはみな同じレコード会社と契約を交わしています。偶然というか、必然。イギリスのRough Tread、インディペンデントレーベル最高峰といっていいのかな。ここがアイルランドのフォーク・シーンに貢献しているなんてちっとも知らなかった。
そしてもうひとつ。ご紹介した youtube 1つめと3つめの映像は同じ作家が撮影しています。ここしばらく、かなりたくさんの映像を観てきたのですが、ふと気づいたらすべてMyles O’Reillyの作品!彼自身もミュージシャンなので、ここでご紹介します。いい曲です。

マイルス・オライリーは、プロデューサーのドーナル・ディニーンと組んで “This ain’t no disco” というヴィデオ作品をシリーズで制作しています。わたしは見事、彼らの作品群に絡め取られていたわけで。

90年代後半にToday FMが開局し、ドーナル・ディニーンの番組は超クールで大ファンでした。デヴィッド・グレイやデヴィッド・キット、ディヴァイン・コメディら当時はまだ無名に近いミュージシャンを次々に紹介し、カルトなムーヴメントを確立したのちにテレビの新番組No Discoのパーソナリティに抜擢。これがまたテレビでは珍しい斬新な音楽番組で注目を集める最中、番組パーソナリティのひとりが事故死する悲劇が起き、立て直しを図るものの数年後に打ち切りに。やるせないエンドマークでしたが、今またドーナル・ディニーンのクリエイティヴィティに再会できたのは嬉しい驚きです。This ain’t no discoという名前には、打ち切られたNo Discoに対する思いがこめられていたのでした。

This ain’t no discoのシリーズで、Lankumのラディ・ピートとリサ・オニールのコラボレーション映像を。レコードレーベル仲間でもあり、ラディがリスペクトしているユニークなシンガー、リサが古い歌に新たな息吹を与える瞬間。

次回は、若手ミュージシャンたちに大きな影響を与え続けているアンディ・アーヴァインの歌声を!



「アイルランドの風」2022秋号

「アイルランドの風 from Cllifoney Village, Co. Sligo」は、文・写真:松井ゆみ子、編集・デザイン・発行:ヒマールでお届けするフリーペーパーです(2022年春から季刊)。

下記の【配布店】で入手していただけるほか、このブログ上よりダウンロードしてお読みいただけます。
また、ヒマールのオンラインストアでのお買い物に同封してお送りします(秋号は9月1日より同封予定です。すみませんが、フリーペーパーのみのご注文は承っておりません)。

下の画像をクリックしてください。PDFが開きます。
★ダウンロード・印刷はご自由にどうぞ!
★コピーしての再配布も歓迎です。
★無断転載はお断りいたします。

【配布店】として置いてくださるお店(書店、飲食店など)を募集しています。また、イベント会場(アイルランド関連のコンサートなど)での配布も大歓迎です。
配布用に印刷したものをご希望の場合は、必要な枚数などをこちらよりお知らせください。
ダウンロードしてご自身で印刷してくださる場合は、A4コピー用紙に両面印刷したものを、まず【タイトル部分が外側にくるように上下二つ折り】、そして【タイトル部分が外側にくるよう左右二つ折り】にしていただくと、A6サイズ(はがきサイズ)となり、店頭に置いていただきやすくなります。

【配布店・配布会場】は、ヒマールのSNSなどからもご案内させていただきますので、どうぞお知らせください。

【2022秋号配布店】2022.9.5頃〜
広島県広島市 ミユキ茶房 (コロッケと喫茶の店)
福岡県福岡市 magic fun fair (雑貨と本のweb & pop upショップ)
愛知県名古屋市 オードインク(アイルランドと北欧音楽のスペース)
東京都杉並区 galerie non(オリジナル服と輸入雑貨とお菓子の店)
兵庫県神戸市 1003(書店)
広島県広島市 りんご堂(本屋&カフェ)
青森県弘前市 ロビンズネスト(ライブハウス・パブ・レンタルスタジオ)
東京都小平市 草舟あんとす号(植物の本屋)
宝塚・奈良・名古屋 hatao ケルトの笛レッスン会場
東京都世田谷区 twililight(書店・ギャラリー・カフェ)
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鳥取県東伯郡湯梨浜町 汽水空港(書店)
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東京都文京区 喫茶ニト(喫茶店)
東京都杉並区 アステラスどうぐや (雑貨店)
山口県岩国市 ヒマール (フリーペーパー発行元)



涼しい風をクリフォニーから

コメントをいただいたことで、ひさしぶりにブログをアップしました。

ヨーロッパの熱波もここまでは届かず、わがクリフォニーのヴィレッジは冷夏です。笑っちゃうくらい曇天が続き。たまにちょろっと晴れ間が出ても、湿気が多いのか洗濯物がまったく乾かずにがっくり。それでも涼しくすごせているのはラッキーですよね。近隣諸国で気温が40℃に近いとか超えたとか聞くと、わたしにはとても耐えられそうにないと思います。
太陽に見放されたようなクリフォニーで、夏野菜の育ちも若干遅れ気味でしたが、ようやく出揃ったところ。トマトもやっときれいに色づきました。黄色のプチトマト(ここではチェリートマトとよびます)の甘いこと!
毎週たくさん買い込み、おやつがわりにつまんでいます。

じゃんじゃん育って消費が追いつかず、少々やっかい者扱いされてしまうのがズッキーニ。巨大化したものはマロウとよばれ、さらに嫌われる始末。
中身をくり抜いてミートソースなどを詰めてオーブン焼きするのがポピュラーなようで、ときどき巨大マロウを嬉々として購入する人もいますけれど。
ファームに野菜を買いに行くたび、売れ残っているズッキーニを見るとしのびなく、ついついたくさん買ってしまって若干後悔。たくさん使えるレシピはないものか?と毎年悩んでいる気がします(苦笑)。

そして今年、大活躍しているのが「ズッキーニのパンケーキ」。
ふつうもう少し小麦粉をまぜますが、わたしのは卵が多めでピカタに近い感じ。大事なポイントはフェタチーズとガーリック。フェタチーズは最近やっと使い方を覚えてお気に入りの食材になりました。ここではチェダーチーズよりも安く、カロリーも低めでヘルシー。スライスしたガーリックとともにオリーブオイルに漬け込んでおくと、味に深みが出てぐっとおいしくなりますし日持ちの短さもこれでだいぶ解消されます。サラダにまぜたり、オーブン料理するもののトッピングにしたり、今うちでいちばん活躍しているチーズはフェタ。日本ではまだ買いづらいのかもしれませんが、ぜひ一度試してみてください。フェタチーズを豆腐で代用するレシピもあるようで、それはそれでおいしそうですけれど、やはり「別物」だと思います。

アイルランドではイギリス流にズッキーニとよばず“クールジェット”とよびます。なぜ?はググってみてください。歴史に関わることで長くなりますからここでは割愛。アイルランド人に「ズッキーニって何?」と聞かれることはたびたびですが、わたしは慣れ親しんだ呼び名の“ズッキーニ”を使っています。

「ズッキーニのパンケーキ」

オーガニックファームの力強い卵のおかげで食欲倍増の出来上がり!バジルの葉をちょっとあしらってみています。左側に添えているのはカントリーマーケット仲間が作ったエルダーフラワーのピクルス。素晴らしく美味。花の香りとほのかな甘みと酸味、初夏そのものを瓶詰めしたような素敵な一品です。

【材料】2人分のおかずかおやつ
ズッキーニ 1本 みじん切り
コーンスターチ 大さじ1
塩 少々
卵 1個
フェタチーズ 適量(ガーリック2〜3片をスライスしたものとオリーブオイル大さじ2〜3ほどをからませておいたもの)

【作り方】
1.ズッキーニにコーンスターチをまぶし、塩少々を加えて卵をまぜる。
2.フェタチーズはスプーンで1センチ角ほどの大きさにくずし、1にまぜる。
*細かくしすぎず、大きさもばらばらがいいです。焼き加減に変化がつくので。
3.フライパンにオリーブオイル(分量外)を入れて熱し、生地を適当な大きさにのばして焼く。両面が色づいて、卵に火が通ればオッケー。

お好みでバジルやパセリなどハーブをまぜこんだり、アレンジしてみてください。バジルは火を通すと香りがとぶので、バジルペストを生地に混ぜ込む方がいいかもしれません。コリアンダーも夏らしくていいですね。

ハーブといえば。
カントリーマーケット仲間から生ハーブを分けてもらう機会が多く、最近はコリアン・ミントを初めて知りました。ただいま使い方を研究中。
ずっと使い道が見つからなかったのが、セージ。ですがやっと克服。フランスに住んでいるアイルランド人が帰省しているときに習いました。
葉を乾燥させてパスタにまぜる。これだけですが超おいしい!びっくりです。乾燥させやすい葉なのでキッチンで2〜3日、オーブンペーパーで軽く覆って完成。瓶に入れて食卓に常備しています。カシャカシャと手でくずして、卵料理や魚料理のトッピングに。楽しみが増えました。

ご好評いただいているヒマールとの共作フリーペーパー「アイルランドの風」の秋号の準備を進めています。8月中に完成させる予定なので、ヒマールのサイトでチェックしてくださいませ。

そうだ!おともだちの小松大さんのライブがヒマールで開催されますので、ぜひ聴きに行ってくださいね!!素晴らしいフィドラーです。カウンティ・クレア仕込み、名古屋で熟成。

久しぶりの更新で長くなってしまいました。
みなさま、よい夏を!!



「アイルランドの風」2022夏号

「アイルランドの風 from Cllifoney Village, Co. Sligo」は、文・写真:松井ゆみ子、編集・デザイン・発行:ヒマールでお届けするフリーペーパーです(2022年春からの季刊)。

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また、ヒマールのオンラインストアでのお買い物に同封してお送りします(夏号は6月1日より同封予定です。すみませんが、フリーペーパーのみのご注文は承っておりません)。

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「アイルランドの風」2022春号

「アイルランドの風 from Cllifoney Village, Co. Sligo」は、文・写真:松井ゆみ子、編集・デザイン・発行:ヒマールでお届けするフリーペーパーです(2022年春からの季刊)。

下記の【配布店】で入手していただけるほか、このブログ上よりダウンロードしてお読みいただけます。
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【配布店】*2022.4.20現在
広島県広島市 ミユキ茶房 (コロッケと喫茶の店)
福岡県福岡市 magic fun fair (雑貨と本のweb & pop upショップ)
愛知県名古屋市 オードインク(アイルランドと北欧音楽のスペース)
東京都杉並区 galerie non(オリジナル服と輸入雑貨とお菓子の店)
兵庫県神戸市 1003(書店)
広島県広島市 りんご堂(本屋&カフェ)
青森県弘前市 ロビンズネスト(ライブハウス・パブ・レンタルスタジオ)
東京都小平市 草舟あんとす号(植物の本屋)
宝塚・奈良・名古屋 hatao ケルトの笛レッスン会場
東京都世田谷区 twililight(書店・ギャラリー・カフェ)
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山口県岩国市 ヒマール (フリーペーパー発行元)



近況&ご報告

ご無沙汰ですみません。
思いがけず長くお休みしてしまいました。
珍しく少し体調不良でクリスマス以降2月いっぱい休養し続け、さすがにもう飽き飽き。命に関わる病いではないし、幸いゆっくり快方に向かい始めたので春の兆しとともに活動を再開したところです。
アイルランドはすでにマスクの義務化も取り払われました。ちょっと時期尚早な気がしているし、なによりあったかいのでまだわたしは着用していますが、同じ気持ちのアイルランド人も多いようでマスク姿は続いています。空港でのコロナ関連手続きも撤廃され、自由度が増した印象ですが、これはアイルランドが積極的に受け入れようとしているウクライナから逃れて来た人たちがスムースに入国できるよう考慮した措置。遠からず撤廃の気配でしたけど、少しびっくりの迅速さでした。
スライゴーにも戦火をくぐり抜けたウクライナの人たちが到着し始めています。このあたりはホリデーホームが多いこともあり、地方自治体から積極的な働きかけがあったようで、宿泊施設の確保が進んでいる様子。
スライゴータウンでは救援物資の準備に多くの地元民が手伝いに行っています。わたしはしばらく外出を控えていたので、すっかり出遅れて役立たず。来週は地元で寄付金集めのバザーが開催されるので、それはもうぜひお手伝い。アイルランド人の、助け合い精神の徹底ぶりにはいつも感心させられ、自分には何ができるのか自問を繰り返しています。

さて。
コロナによるロックダウンをきっかけにヒマールとともに始めた当ブログ。
2年が経ち、続けることも大切ですが繰り返しになってしまうのは避けたいし。ヒマールと協議の上「紙に戻ろう」という結論を出しました(おおげさ・笑)。
今、みなさんが手にとって読んでいただけるフリーペーパーを制作中。
完成したあかつきには、ヒマールのサイトとSNSでお伝えいたしますので、チェックしていてくださいませ。
春夏秋冬、年4回発行予定です。アイルランドらしい季節感を盛り込んだエッセイと毎回簡単レシピを2つお届けいたします。
このブログも、ときおりニュースがあったときなどに更新できるよう休眠ではなく“仮眠”状態で続けていきます。更新があるときは、やはりヒマールのサイトとSNSでお伝えしますので、お見逃しなく。

ウエブサイトで発信するのは迅速ですし、手軽ですし、プラス面は多いのですが、今わたしの暮らす辺境と日本との距離感のなさに違和感を持っているのも事実です。贅沢かもしれません。ふつう「距離がなくなって素晴らしい」と喜ぶ点ですもんね(笑)。
“せっかくこんな遠くにいるのだから、遠くであることをもっと意識していたい”と思ったのが、紙面=フリーペーパーづくりのきっかけです。
ニュースソースは限られますが、たくさん書けばいいということでもないと思っているので、限られた紙面でも充分に楽しんでいただけるようなものを作りたいと思います。

ではでは、引き続きどうぞご贔屓に!

PS:みなさんからのメッセージは、ひき続きこのブログあてにお送りくださいませ!




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