Yumiko's

松井ゆみ子がアイルランドからお届けする「食」と「音楽」のこと

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今も音楽シーンを牽引するアンディ・アーヴァイン

ほぼ毎日ラジオを聞いていますが、アンディ・アーヴァインのスゥィートな歌声が流れない日は少ないです。リスナーだけでなく、プレゼンターもアンディのファンなのですよね。

まずは彼の詩集のタイトルで、彼自身のテーマソングともいえるこのチューンから。ドーナル・ラニーとアルタンのマレードが共演する豪華なヴァージョンでお届けします。

次はアンディが自書で「持ち歌のなかで、もっとも人気が高い」と明言している歌を。初めてレコードに収録したのは1972年、当時参加していたプランクシティ(Planxty)のアルバム。彼らとの貴重映像でお楽しみください。

Blacksmithは確かに「鍛冶屋」のことですが、日本ではたぶんあまり身近な存在ではなくなっていますよね?
アイルランドのブラックスミスは健在です。馬文化の国ですから馬の蹄鉄を作るブラックスミスの存在は欠かせませんし。
定住せずにキャラヴァンで旅しながら生活するトラベラーズとよばれる人たちがいて、彼らの多くがブラックスミスの仕事をすると聞きます。かつては馬車での移動でしたから、蹄鉄作りが必須だったのも理由のひとつ。そして彼らは伝統楽器のティンホイッスル、イーリアンパイプスの作り手でもありました。

次は、1950年代にアメリカで活躍したアイルランド人グループ The Clancy Brothers(以下クランシーズ)。今彼らの映像を見ると、あまりにステレオタイプなルックスで笑っちゃいますが(失礼)かのボブ・ディランもファンだったそう。ヴォーカリストのひとり、リーアム・クランシーのことを「最高のバラッドシンガー」とコメントしています。

クランシー兄弟はティパレリ出身でアメリカへ移住。ヴォーカリストのひとりトミー・メイカム(Tommy Makem)は北アイルランドのアーマ(Armagh)出身。

クランシーズがユニフォームにしているアランセーターが、彼らの成功のおかげでたくさん売れるようになったのですって。それまでは家族のために編むもので商品価値がでるとは考えていなかったよう。アイルランド人らしい。
クランシーズは1940年代に始まったアメリカのフォーク・リバイバルの流れのなかで登場しました。この流れは日本にも到達し、ピーター・ポール&マリーやジョーン・バエズ、ボブ・ディランなどの音楽とともに反戦をとなえるプロテストソングの在り方も伝わってきました。サイモン&ガーファンクルも然り。デビューまもないポール・サイモンはイギリスに渡り、現地の伝統歌を継承し「スカボロー・フェア」という新たな伝統歌を作り出しています。

アイルランドもアメリカ、イギリスのフォーク・リバイバルの影響を受けてはいますが、なにせテレビもラジオも普及していない時代。家でレコードを聴ける人も限られていたはずです。逆にそれが幸いし、この国ならではの音楽シーンが築かれたのかもしれません。
1960年代にショーン・オリアダが キョートリ・クーラン(Ceoltoiri Chualann)を結成し、庶民の家庭で受け継がれてきた音楽がステージでスポットライトを浴びる音楽へと変化。メンバーだったイーリアンパイプス奏者のパディ・モロニーが脱退して新たに結成したのが日本でもおなじみのチーフタンズ。伝統音楽にかつてなかった流れが生まれるなか、プランクシティはさらに衝撃的な存在として注目を浴びました。
ご紹介したプランクシティの映像は古いですけれど、演奏の斬新さと力強さは今でも「おお!」と感嘆。キョートリ・クーランはアカデミックな世界へ、チーフタンズは海外へ、プランクシティは国内で増えてきていた伝統音楽に疎い輩を刺激するために、それぞれ別の立ち位置でアイルランド音楽を高め広める役割を果たしました。

1970年代。プランクシティを離れてドーナル・ラニーは新たなグループ、ボシー・バンド(Bothy Band)を結成します。女性メンバーが参加しているのは大きな変化。60年代のグループには滅多に女性メンバーがいません。日本と同じで女性は家庭を守るものとされていて、ツアーに出るのが前提のバンドに参加するのには大きな抵抗があったのですね。70年代、女性が参加するグループが急に目立ち始めたのは“自由”の表れといっていいと思います。

アイルランドでしばしば「音楽を形にすると、この人になる」と思うことがあります。ここで記したのもそんな人たちです。
おまけに最近こんなヴィデオを見つけて思い切りやられました。圧巻。
彼は“こども”ではなく、小さなジェントルマンです。

次回は今もっとも注目のミュージシャン特集。

ひき続きお楽しみくださいませ!!



音楽生情報を現地アイルランドより

ラジオ番組が超充実している国なので、新旧とりまぜてすてきなチューンを毎日楽しんでいます。

ヒマールで詩集を出版した大御所アンディ・アーヴァインのスゥィートな歌声も頻繁に聞くことができますし、彼に影響を受けたという若手たちも続々登場。ロックダウン中に熟成したミュージシャンが、今解き放たれて見事に羽ばたいている印象です。
そんな音楽シーンをここでお伝えできたらいいなと思いつき、サバイバルキッチンからお届けすることにしました。ラジオ、台所に置いてあるので!

まずはヒマールご店主夫妻のお気に入りYe Vagabonds 。
アイルランドの離れ小島6島をめぐりながらライブ&映像収録したドキュメンタリーの一部です。場所はアラン諸島のひとつInis Meain(イニシュ・マーン)。

兄弟デュオYe Vagabonds (イー・ヴァガボンズ)は中部域Calow(カーロウ)出身。伝統音楽不毛な地と思っていたのは彼らの他にカーロウ出身ミュージシャンをまったく知らないからです。最近聞いた彼らのインタビューによれば、お母さんがドニゴールにある離れ小島Arranmore(アランモア)で育ったのだそう。ルーツは北にありました。
新曲はオリジナル曲で、今ラジオでたくさんオンエアされているところ。ぜひ日本でもお聴きいただきたいのでご紹介いたします。あえて人気テレビ番組でのスタジオライブを。

ロックダウン中に書かれた新曲は、最近亡くなったアランモアの古い友人に捧げたものだと聞きました。
番組司会者Tommy Tiernan(トミー・ティーナン)はコメディアン。音楽にも造詣が深く、フィドルの巨匠マーティン・ヘイズも何度かゲスト出演しています。
Vagabonds は、古いチューンを歌い継ぐと同時にオリジナル曲も生み出し、新たな伝統をつくっていくタイプ。アイルランドの伝統音楽は、スタイルを変えずに守り続けるのではなく、変化しながら踏襲されていく、懐の深いものなのです。

さて次は、名実ともにトップクラスのトラッド&フォークグループLankum(ランカム)。わたしも大ファン。まずはこの映像から。

バンドメンバーは4人、フルメンバーのVideoを。

ファーストアルバムからのシングル曲で、ラジオでしばしば耳にしていました。イアンとダラは兄弟で当初バンドは彼らの苗字LynchをもじってLynchedを名乗っていたのですが、デビューするにあたって“リンチ”は誤解を招くかもとLankumに改名しています。
フィドルのコーマックはスライゴーフィドル奏者の代表格Oisin Mac Diarmada(オシーン・マクディアマダ)の弟!と気づいたのはこのコラムを書いている途中のこと。他のメンバーはみなダブリン出身なので、スライゴーつながりがなんだか嬉しい。

いつもランダムにyoutubeを楽しんでいたのですが、ふと共通項に気づきました。上記したミュージシャンたちはみな同じレコード会社と契約を交わしています。偶然というか、必然。イギリスのRough Tread、インディペンデントレーベル最高峰といっていいのかな。ここがアイルランドのフォーク・シーンに貢献しているなんてちっとも知らなかった。
そしてもうひとつ。ご紹介した youtube 1つめと3つめの映像は同じ作家が撮影しています。ここしばらく、かなりたくさんの映像を観てきたのですが、ふと気づいたらすべてMyles O’Reillyの作品!彼自身もミュージシャンなので、ここでご紹介します。いい曲です。

マイルス・オライリーは、プロデューサーのドーナル・ディニーンと組んで “This ain’t no disco” というヴィデオ作品をシリーズで制作しています。わたしは見事、彼らの作品群に絡め取られていたわけで。

90年代後半にToday FMが開局し、ドーナル・ディニーンの番組は超クールで大ファンでした。デヴィッド・グレイやデヴィッド・キット、ディヴァイン・コメディら当時はまだ無名に近いミュージシャンを次々に紹介し、カルトなムーヴメントを確立したのちにテレビの新番組No Discoのパーソナリティに抜擢。これがまたテレビでは珍しい斬新な音楽番組で注目を集める最中、番組パーソナリティのひとりが事故死する悲劇が起き、立て直しを図るものの数年後に打ち切りに。やるせないエンドマークでしたが、今またドーナル・ディニーンのクリエイティヴィティに再会できたのは嬉しい驚きです。This ain’t no discoという名前には、打ち切られたNo Discoに対する思いがこめられていたのでした。

This ain’t no discoのシリーズで、Lankumのラディ・ピートとリサ・オニールのコラボレーション映像を。レコードレーベル仲間でもあり、ラディがリスペクトしているユニークなシンガー、リサが古い歌に新たな息吹を与える瞬間。

次回は、若手ミュージシャンたちに大きな影響を与え続けているアンディ・アーヴァインの歌声を!



「アイルランドの風」2022秋号

「アイルランドの風 from Cllifoney Village, Co. Sligo」は、文・写真:松井ゆみ子、編集・デザイン・発行:ヒマールでお届けするフリーペーパーです(2022年春から季刊)。

下記の【配布店】で入手していただけるほか、このブログ上よりダウンロードしてお読みいただけます。
また、ヒマールのオンラインストアでのお買い物に同封してお送りします(秋号は9月1日より同封予定です。すみませんが、フリーペーパーのみのご注文は承っておりません)。

下の画像をクリックしてください。PDFが開きます。
★ダウンロード・印刷はご自由にどうぞ!
★コピーしての再配布も歓迎です。
★無断転載はお断りいたします。

【配布店】として置いてくださるお店(書店、飲食店など)を募集しています。また、イベント会場(アイルランド関連のコンサートなど)での配布も大歓迎です。
配布用に印刷したものをご希望の場合は、必要な枚数などをこちらよりお知らせください。
ダウンロードしてご自身で印刷してくださる場合は、A4コピー用紙に両面印刷したものを、まず【タイトル部分が外側にくるように上下二つ折り】、そして【タイトル部分が外側にくるよう左右二つ折り】にしていただくと、A6サイズ(はがきサイズ)となり、店頭に置いていただきやすくなります。

【配布店・配布会場】は、ヒマールのSNSなどからもご案内させていただきますので、どうぞお知らせください。

【2022秋号配布店】2022.9.5頃〜
広島県広島市 ミユキ茶房 (コロッケと喫茶の店)
福岡県福岡市 magic fun fair (雑貨と本のweb & pop upショップ)
愛知県名古屋市 オードインク(アイルランドと北欧音楽のスペース)
東京都杉並区 galerie non(オリジナル服と輸入雑貨とお菓子の店)
兵庫県神戸市 1003(書店)
広島県広島市 りんご堂(本屋&カフェ)
青森県弘前市 ロビンズネスト(ライブハウス・パブ・レンタルスタジオ)
東京都小平市 草舟あんとす号(植物の本屋)
宝塚・奈良・名古屋 hatao ケルトの笛レッスン会場
東京都世田谷区 twililight(書店・ギャラリー・カフェ)
広島県広島市 READAN DEAT(書店・ギャラリー)
東京都台東区 古書ほうろう(書店)
鳥取県東伯郡湯梨浜町 汽水空港(書店)
東京都台東区 ひるねこBOOKS(書店)
京都府京都市 レティシア書房(書店)
東京都文京区 喫茶ニト(喫茶店)
東京都杉並区 アステラスどうぐや (雑貨店)
山口県岩国市 ヒマール (フリーペーパー発行元)



涼しい風をクリフォニーから

コメントをいただいたことで、ひさしぶりにブログをアップしました。

ヨーロッパの熱波もここまでは届かず、わがクリフォニーのヴィレッジは冷夏です。笑っちゃうくらい曇天が続き。たまにちょろっと晴れ間が出ても、湿気が多いのか洗濯物がまったく乾かずにがっくり。それでも涼しくすごせているのはラッキーですよね。近隣諸国で気温が40℃に近いとか超えたとか聞くと、わたしにはとても耐えられそうにないと思います。
太陽に見放されたようなクリフォニーで、夏野菜の育ちも若干遅れ気味でしたが、ようやく出揃ったところ。トマトもやっときれいに色づきました。黄色のプチトマト(ここではチェリートマトとよびます)の甘いこと!
毎週たくさん買い込み、おやつがわりにつまんでいます。

じゃんじゃん育って消費が追いつかず、少々やっかい者扱いされてしまうのがズッキーニ。巨大化したものはマロウとよばれ、さらに嫌われる始末。
中身をくり抜いてミートソースなどを詰めてオーブン焼きするのがポピュラーなようで、ときどき巨大マロウを嬉々として購入する人もいますけれど。
ファームに野菜を買いに行くたび、売れ残っているズッキーニを見るとしのびなく、ついついたくさん買ってしまって若干後悔。たくさん使えるレシピはないものか?と毎年悩んでいる気がします(苦笑)。

そして今年、大活躍しているのが「ズッキーニのパンケーキ」。
ふつうもう少し小麦粉をまぜますが、わたしのは卵が多めでピカタに近い感じ。大事なポイントはフェタチーズとガーリック。フェタチーズは最近やっと使い方を覚えてお気に入りの食材になりました。ここではチェダーチーズよりも安く、カロリーも低めでヘルシー。スライスしたガーリックとともにオリーブオイルに漬け込んでおくと、味に深みが出てぐっとおいしくなりますし日持ちの短さもこれでだいぶ解消されます。サラダにまぜたり、オーブン料理するもののトッピングにしたり、今うちでいちばん活躍しているチーズはフェタ。日本ではまだ買いづらいのかもしれませんが、ぜひ一度試してみてください。フェタチーズを豆腐で代用するレシピもあるようで、それはそれでおいしそうですけれど、やはり「別物」だと思います。

アイルランドではイギリス流にズッキーニとよばず“クールジェット”とよびます。なぜ?はググってみてください。歴史に関わることで長くなりますからここでは割愛。アイルランド人に「ズッキーニって何?」と聞かれることはたびたびですが、わたしは慣れ親しんだ呼び名の“ズッキーニ”を使っています。

「ズッキーニのパンケーキ」

オーガニックファームの力強い卵のおかげで食欲倍増の出来上がり!バジルの葉をちょっとあしらってみています。左側に添えているのはカントリーマーケット仲間が作ったエルダーフラワーのピクルス。素晴らしく美味。花の香りとほのかな甘みと酸味、初夏そのものを瓶詰めしたような素敵な一品です。

【材料】2人分のおかずかおやつ
ズッキーニ 1本 みじん切り
コーンスターチ 大さじ1
塩 少々
卵 1個
フェタチーズ 適量(ガーリック2〜3片をスライスしたものとオリーブオイル大さじ2〜3ほどをからませておいたもの)

【作り方】
1.ズッキーニにコーンスターチをまぶし、塩少々を加えて卵をまぜる。
2.フェタチーズはスプーンで1センチ角ほどの大きさにくずし、1にまぜる。
*細かくしすぎず、大きさもばらばらがいいです。焼き加減に変化がつくので。
3.フライパンにオリーブオイル(分量外)を入れて熱し、生地を適当な大きさにのばして焼く。両面が色づいて、卵に火が通ればオッケー。

お好みでバジルやパセリなどハーブをまぜこんだり、アレンジしてみてください。バジルは火を通すと香りがとぶので、バジルペストを生地に混ぜ込む方がいいかもしれません。コリアンダーも夏らしくていいですね。

ハーブといえば。
カントリーマーケット仲間から生ハーブを分けてもらう機会が多く、最近はコリアン・ミントを初めて知りました。ただいま使い方を研究中。
ずっと使い道が見つからなかったのが、セージ。ですがやっと克服。フランスに住んでいるアイルランド人が帰省しているときに習いました。
葉を乾燥させてパスタにまぜる。これだけですが超おいしい!びっくりです。乾燥させやすい葉なのでキッチンで2〜3日、オーブンペーパーで軽く覆って完成。瓶に入れて食卓に常備しています。カシャカシャと手でくずして、卵料理や魚料理のトッピングに。楽しみが増えました。

ご好評いただいているヒマールとの共作フリーペーパー「アイルランドの風」の秋号の準備を進めています。8月中に完成させる予定なので、ヒマールのサイトでチェックしてくださいませ。

そうだ!おともだちの小松大さんのライブがヒマールで開催されますので、ぜひ聴きに行ってくださいね!!素晴らしいフィドラーです。カウンティ・クレア仕込み、名古屋で熟成。

久しぶりの更新で長くなってしまいました。
みなさま、よい夏を!!



「アイルランドの風」2022夏号

「アイルランドの風 from Cllifoney Village, Co. Sligo」は、文・写真:松井ゆみ子、編集・デザイン・発行:ヒマールでお届けするフリーペーパーです(2022年春からの季刊)。

下記の【配布店】で入手していただけるほか、このブログ上よりダウンロードしてお読みいただけます。
また、ヒマールのオンラインストアでのお買い物に同封してお送りします(夏号は6月1日より同封予定です。すみませんが、フリーペーパーのみのご注文は承っておりません)。

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【2022夏号配布店】2022.6.6頃〜
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「アイルランドの風」2022春号

「アイルランドの風 from Cllifoney Village, Co. Sligo」は、文・写真:松井ゆみ子、編集・デザイン・発行:ヒマールでお届けするフリーペーパーです(2022年春からの季刊)。

下記の【配布店】で入手していただけるほか、このブログ上よりダウンロードしてお読みいただけます。
また、ヒマールのオンラインストアでのお買い物に同封してお送りします(すみませんが、フリーペーパーのみのご注文は承っておりません)。

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【配布店】としてお店(書店、飲食店など)に置いてくださる方を募集しています。また、イベント会場(アイルランド関連のコンサートなど)での配布も大歓迎です。
配布用に印刷したものをご希望の場合は、必要な枚数などをこちらよりお知らせください。
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【配布店】*2022.4.20現在
広島県広島市 ミユキ茶房 (コロッケと喫茶の店)
福岡県福岡市 magic fun fair (雑貨と本のweb & pop upショップ)
愛知県名古屋市 オードインク(アイルランドと北欧音楽のスペース)
東京都杉並区 galerie non(オリジナル服と輸入雑貨とお菓子の店)
兵庫県神戸市 1003(書店)
広島県広島市 りんご堂(本屋&カフェ)
青森県弘前市 ロビンズネスト(ライブハウス・パブ・レンタルスタジオ)
東京都小平市 草舟あんとす号(植物の本屋)
宝塚・奈良・名古屋 hatao ケルトの笛レッスン会場
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広島県広島市 READAN DEAT(書店・ギャラリー)
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山口県岩国市 ヒマール (フリーペーパー発行元)



近況&ご報告

ご無沙汰ですみません。
思いがけず長くお休みしてしまいました。
珍しく少し体調不良でクリスマス以降2月いっぱい休養し続け、さすがにもう飽き飽き。命に関わる病いではないし、幸いゆっくり快方に向かい始めたので春の兆しとともに活動を再開したところです。
アイルランドはすでにマスクの義務化も取り払われました。ちょっと時期尚早な気がしているし、なによりあったかいのでまだわたしは着用していますが、同じ気持ちのアイルランド人も多いようでマスク姿は続いています。空港でのコロナ関連手続きも撤廃され、自由度が増した印象ですが、これはアイルランドが積極的に受け入れようとしているウクライナから逃れて来た人たちがスムースに入国できるよう考慮した措置。遠からず撤廃の気配でしたけど、少しびっくりの迅速さでした。
スライゴーにも戦火をくぐり抜けたウクライナの人たちが到着し始めています。このあたりはホリデーホームが多いこともあり、地方自治体から積極的な働きかけがあったようで、宿泊施設の確保が進んでいる様子。
スライゴータウンでは救援物資の準備に多くの地元民が手伝いに行っています。わたしはしばらく外出を控えていたので、すっかり出遅れて役立たず。来週は地元で寄付金集めのバザーが開催されるので、それはもうぜひお手伝い。アイルランド人の、助け合い精神の徹底ぶりにはいつも感心させられ、自分には何ができるのか自問を繰り返しています。

さて。
コロナによるロックダウンをきっかけにヒマールとともに始めた当ブログ。
2年が経ち、続けることも大切ですが繰り返しになってしまうのは避けたいし。ヒマールと協議の上「紙に戻ろう」という結論を出しました(おおげさ・笑)。
今、みなさんが手にとって読んでいただけるフリーペーパーを制作中。
完成したあかつきには、ヒマールのサイトとSNSでお伝えいたしますので、チェックしていてくださいませ。
春夏秋冬、年4回発行予定です。アイルランドらしい季節感を盛り込んだエッセイと毎回簡単レシピを2つお届けいたします。
このブログも、ときおりニュースがあったときなどに更新できるよう休眠ではなく“仮眠”状態で続けていきます。更新があるときは、やはりヒマールのサイトとSNSでお伝えしますので、お見逃しなく。

ウエブサイトで発信するのは迅速ですし、手軽ですし、プラス面は多いのですが、今わたしの暮らす辺境と日本との距離感のなさに違和感を持っているのも事実です。贅沢かもしれません。ふつう「距離がなくなって素晴らしい」と喜ぶ点ですもんね(笑)。
“せっかくこんな遠くにいるのだから、遠くであることをもっと意識していたい”と思ったのが、紙面=フリーペーパーづくりのきっかけです。
ニュースソースは限られますが、たくさん書けばいいということでもないと思っているので、限られた紙面でも充分に楽しんでいただけるようなものを作りたいと思います。

ではでは、引き続きどうぞご贔屓に!

PS:みなさんからのメッセージは、ひき続きこのブログあてにお送りくださいませ!



リセット

 アイルランドでは最近まであまり使わない言葉だと聞きました。ほんとかな??でも確かにデジタルなものがあふれだしたのはつい近年のこと。リセットという言葉になじみが薄かったのかもしれません。
 年明けの1月、わたしの暮らしも”リセット”してみようと思います。
 月2回のカントリーマーケットも1月はお休み。ファームも農閑期で休みになり、わたしの海苔巻きづくりもベーキングもしばし休業。
 この数ヶ月、引っ越しも加わり、珍しく追いまくられるような日々で、ごはんづくりも手抜きになりがちだったし、新しいレシピをつくる余裕もなく、このままじゃいかんな、と感じていました。そもそも不器用で、時間の使い方が超下手。頭脳の使い分けも得意ではないので、リセットという手段に行き着きました。
 なので1月、このブログもお休みをいただくことにいたしました。
 次に進むために立ち止まる。そんな時間にしたいと思っています。

 リフレッシュ休暇をいただく前に、手抜きレシピをご紹介しておきますね。

「ハーブ&チーズ・ペーストリー」

これは、たまねぎのみじん切りをちらせています。チーズはチェダーとパルミジャーノの2種。

パンより手軽。甘くないビスケット生地でつくるピザのような感じかな。トマトソースは使いませんが。冬に欠かせないスープのお供に最適です。
マークのお母さんがアイリッシュシチューを作ると必ず、ペーストリー生地を大きく伸ばしたものを焼いて食卓の真ん中に置き、家族それぞれがちぎってシチューにひたして食べたという話が忘れられず。
これは少しリッチなヴァージョンで、スープ抜きでそのまま食べても充分おしいいです。

【材料】ふたり分
小麦粉 200g
バター 100g
水 大さじ3
ハーブ(タイム、ローズマリーなどを適量。できれば生を)
チェダーチーズ 適量 すりおろす
塩 少々(ナチュラルでよい品質のものを。まぜこまず、最後にちらすのがわたしは好みです)

【作り方】
1.小麦粉とバターをそぼろ状にまぜあわせる。
2.水を1に加えて生地にまとめる。
3.生地を二分して平たくのばす。綿棒なしでもオッケー。あまり薄くしすぎず、5ミリから1センチくらいの厚みで。わたし流は、へりを薄めにし、中央を少し厚めにして、カリカリとパン食感の両方を楽しみます。
4.ハーブ、チーズ、塩をトッピング。200℃に余熱したオーブンで約15分焼き、余熱で5分。
5.オーブンから取り出したらラックの上で5分ほど休ませる。
*カリっとした食感になるには少し冷まさないとならないのですが、冷ましきらない方がおいしいので、うまくジャッジしてください。
*ブラックペッパーやカイエンペッパーを少しまぜるのもおいしいです。

追記ですが、今年のクリスマスディナーはローストチキン。アイルランドでは珍しくもない料理ですが、うちでは滅多に登場しないので充分にエキサイティング。ふたり家族にターキーは大きすぎるし、なにより大味だし。
ガーリックとローズマリーをつめてローストし、焼き上がり20分ほど前に、醤油とマーマレード、バルサミコをあわせたものをまわしかけて軽くカラメライズ。これがいい味をかもしだしました。翌日、ゼリー状になったものがさらにおいしかった!

翌日、スープストックづくり。いつも水を入れすぎて薄味になるのを解消したく、今回は少なめの水(骨1羽分に対して水2リットルほど)で30分じっくり煮出します。ベイリーフ1枚とパセリの軸数本、これで充分でした。
スープをガラス容器に移したあと、同じ鍋と同じ骨に水を1リットル加えてまた30分。2番出汁も充分な味でした。

ローストチキン、ときどき作ろう!と固く決意。
肉だけでなく、スープストックをつくるだけでも調理する価値あり。
余った鶏肉はサンドウィッチ、サラダなどに活用し、スープはカレー、麺もの、炊き込みごはんにして数日間、献立考えずにすみました(笑)。
ブログの再開はヒマールのサイトでお知らせいたしますので、チェックしてくださいませ。

Stay safe & Stay in touch



続・プーカと冬の嵐

 しばし間があいちゃってすみません。
 オイルタンクから聞こえてくるヴァン・モリソンの歌声の続きです。

 毎朝11時になると、あいかわらずタンクの中から声が聞こえてきます。
 流れてくるのは地元ラジオ番組「フランシー・ボイラー・ショウ」。そうか、ボイラーだからタンクの中か!と納得したら、マークに「残念だけど、ボイラーじゃなくてボイランです」よくある名字だそう。知らなかった。
 ここの大家さんは、ちょくちょく納屋やファームのメンテナンスに来るのですけれど、しばらく留守するとかでご無沙汰の時期に起きた出来事。用心深い人なので、きっとラジオにタイマーを仕掛けて「留守じゃないぞ」とアピールしてるのだろうと納得することに。でも、われわれがいるのに??
 そしてある朝、大家さんが納屋に置いてある薪を取りに来たとき「ラジオにタイマーかけていきました?」と聞いてみると「おお、ラジオ!なくしたと思ってたよ。タイマーって??」
 ラジオは、雨に濡れないようオイルタンクの陰から現れました。中じゃなかったのね。しかし、大家さんはラジオにタイマー機能があるのをご存知なかった……。
 それは大家さんが来る時間帯に合わせてあり「夜の11時じゃなくてよかったねー」と笑い合ったあとに気づいたのです。そういう可能性もあったのに、あえて午前11時。やはりプーカだったか……と確信したのでした。

The End ?

 話は変わって。クリスマスを控えた12月7日、アイルランドに台風が上陸しました。南西部コーク、ケリー、クレアが最初に直撃され、ゆっくりと北上し、スライゴーに到達したのは夜になってから。日中は比較的おだやかだったので「ここまで来ないんじゃないの?」と油断してたら、やってきました。
 キッチンは海の方に向いているし、換気扇から入り込む風の音でラジオのボリュームを上げないとならないほど。
 夜半からさらに風は強まり、部屋の照明がふーっと弱まるときがあり、停電するかも……と心配し始めました。念のために、いつもより多くのキャンドルを灯しておいたのは大正解。うたた寝して目が覚めると電気もラジオも消えており。
 おまけにバスルームは水浸し!幸いトイレからの水ではなかったのですが、部屋まで水がきたらどうしよう……停電はいつまで続くのか?ごはんは!?
 クッカーもオーブンも電気なので手も足も出ません。お茶も飲めないのか〜
 おにぎり作っておくべきだった、と反省しながら寝直したのですが、幸い翌朝、電気は復旧しました。まだ停電が続いている地域も多かったので、うちはラッキーだったようです。バスルームの水も引いていました。前の家だったら、どこも雨漏りでえらい騒ぎだったと思います。
 強風は翌日の夕方になっても勢いが衰えず、今までここで体験した風雨の中ではダントツに激しかった。家の中で聞いているだけで、なんだかひどく疲れました。レスキューの人たちや、電気工事の人たちは、ほんとうにたいへん。

 そんなこんなで、レシピのご紹介はもう少しお時間くださいませ。
 火を使わない料理を研究しておかなくちゃ!と考えています。

非常食としてとっておくべきだったポテトブレッド。マーケット仲間のコーリーン作で、すっごくおいしいんです。人気商品で、いつもあっという間に売り切れ。バターで焼き直すとカリカリに。やはり停電中には向きません〜〜



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