日別アーカイブ: 2024年5月16日

読むロバの会の日

でした。
参加者は2名。
それぞれに読んでおられたのは……
ポール・オースター(柴田元幸訳)『冬の日誌』
ベンハミン・ラバトゥッツ(松本健二訳)『恐るべき緑』

『冬の日誌』は小説ではなく、人生の冬にさしかかった当時のオースターが、幼少期からこれまでの自分の肉体と身体的感覚をめぐって綴ったエッセイ。「持っていたけど読んでなかった。もっと早く読めばよかった」とのこと。
『内面からの報告書』とあわせて文庫化されていますので、興味のある方はぜひ。

『恐るべき緑』は当日店頭でご購入いただきました。カバーに「科学史に着想を得た斬新なフィクション」とあったのが気になり手に取ったそう。収録作品の中から読書会の1時間で「私たちが世界を理解しなくなったとき」を読み、「ハイゼンベルクやシュレーディンガーの物理学を裏から理解できたらいいなと思ったけど、今のところは全然どういうことなのかわかりません!」とのこと。

わたしは、四方田犬彦『見ることの塩(上)イスラエル/パレスチナ紀行』を。5月15日はナクバの日ということもあって。パレスチナとイスラエルの問題、これまでの歴史をあまりにも知らなすぎたので知りたくて、いろいろな本を読んでいます。そして、読めば読むほど複雑な問題であること、100年以上も前から長く続いてきた問題であることがわかって愕然とします。近代史、知らなすぎる! ともあれ、現在ガザで行なわれている虐殺を許さないことに変わりはありませんが。

帰り際のおしゃべりで、オースターもユダヤ人で、アパートの上階に住んでいたユダヤ人のおばあさんとのやりとりが『冬の日誌』に出てくる、というような話も出ました。

次の読むロバの会は、5月24日(金)17時から18時ごろまでやります。
月に一度は開いてみている、夕方開催の日です。
もうちょっと遅い時間からなら……というお仕事帰りの方、ぜひご意見お聞かせください。来月の開催日時の参考にさせていただきます。
読むロバの会は、読書時間と読書空間を共有する読書会です。
各自で黙って好きな本を読み、帰り際に読んでいた本を見せ合っています。
ご参加の際は、1ドリンクのご注文か、500円以上のお買い物(本の購入大歓迎!)をお願いします。