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多謝!中川敬ソロLIVE

日曜に開催した中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)ソロライブ、ご来場くださったみなさん、ありがとうございました!

ニューエスト・モデル時代の名曲から、できあがったばかりの新曲、リクエストに応えてのカバー曲まで!
中川敬〈58回目の降臨祭〉らしく、盛り沢山の魅力的なセットリストでたっぷり2時間半!
よい夜になりました!!!

昨夏にリクオさんとの「うたのありか」で初めてお迎えした中川さん、今回は初めてソロのワンマンライブでお迎えしました。
中川さん自身、バンドでもソロでも山口県ではライブをしたことがなかったそうで、ついに実現した山口県初ライブ!でもありました(あとは秋田県と栃木県がまだ、だそうですよ。秋田と栃木のみなさん、ぜひ〜)。

実は、ヒマールはニューエスト・モデルのファンで、ソウル・フラワー・ユニオンになってからも何度もライブを観に行っているのですが。
中川さんのソロライブを観るようになって気づいたのは、バンドは圧倒的にサウンドに惹かれてライブに行ったり聴いたりしていたんだな、ということ。あらためてそう気づかされるくらい、中川敬ソロのライブやアルバムでは、うた、歌詞に心を動かされています。メロディーが胸の奥のほうにまで響いてくるなあ、と。
中川さんの歌声とギター、力強くて、だけどめちゃくちゃやさしくて、元気が出る!と思いながら観せてもらった今回のライブでした。

撮影はナガツカアキラさんです。いつもありがとう!
スタッフとして手伝ってくれた妹も、いつもありがとう。

中川敬さん、素敵なライブを届けてくださってありがとうございました!
ライブ前後にたくさんお話できたことも嬉しかったです!!
体力をはじめとしてこちらもまだまだいろいろ頑張りますので、ぜひまたライブにいらしてください。お待ちしています!

さあ、ヒマールでのライブ、次は来月、5月11日(土)にリクオさんをお迎えしますよー!
今回来られた方も、来られなかった方も、みなさんご都合つけてぜひ!ご予約絶賛受付中です。

昨年の「うたのありか」のときに中川さんとリクオさんにインタビューさせてもらった小冊子、h+ booklet 01『ミュージシャン・中川敬とリクオにきく 音楽と政治と暮らし』もぜひお読みいただけましたら! 大好評で重版しました!



多謝!ギターパンダLIVE

久しぶりにお迎えすることができたギターパンダ。
なんと、4年半ぶりでした!
ご来場くださったみなさん、お待たせしました!&ありがとうございました!

この4年半、身近なところでも世界でも酷いことが起こりすぎていて、正直なところ、のんきなヒマールでも、楽しいことを企画しながら「こんなことやってる場合かな……」と思ってしまったり、店という場所の存在意義に向き合いながら「もっともっと自分たちにできることがあるはず」と試行錯誤したり、そういう時間が以前よりも増えました。

ギターパンダの正体、山川のりをさんは昔からずっと変わらずに、多くの人が見たくないから見ないようにしていることや、考えるのがめんどくさいから考えないようにしていることを、歌にして気づかせてくれている人ですが、今回「ちょっと歌の補足説明をします」というのりをさんのMC(!)を生まれて初めて聞いてびっくりして、歌詞に込めた意味を気づく人だけが気づけばいいというんじゃもう間に合わない、世界の深刻さをあらためて思いました。
沖縄で自衛隊のミサイル配備が始まってしまったこと、ガザでパレスチナの人々がイスラエル軍に殺され続けていること、差別が社会を壊していっていること。
それでも! 深刻な状況に立ち向かうエネルギーを奮い起こしてくれるもの、それがロックだと思っています。
1曲目からアンコールまで、ぜんぶ素晴らしかったです!!
まさに「今」のライブでした!!!
のりをさん、ありがとうございました!

写真はナガツカアキラさん。いつもありがとう!
手伝ってくれた妹も、いつもありがとう。

ギターパンダは、ヒマールのライブの原点なので、これからもお届けできるように、歌をうたいながら店を続けていきます。

先走る気持ちをいなして 一歩ずつ/落ち着いて 基本に忠実に
基本に忠実に 理想を忠実に/少しずつ良くなるように/途中で投げ出さないように
基本的人権を忠実に
(by ギターパンダ「陰謀論2」)

多謝!キセルLIVE

キセル ワンマンツアー「春隣」番外編 at ヒマール 満員御礼!
ご来場くださったみなさま、ありがとうございました!!

初めてお迎えしたキセル。
個人的にはキセルのライブを生で観るのは3回目で、CDを聴いたり配信ライブを観たりもしていますが、やっぱり、生ライブは最高に素晴らしかったです!!!
楽器の音色と歌声、言葉とメロディーとリズム、信念と柔軟さ、空のようなひろがりと針のような鋭さ、結成25周年の積み重ねと進化……みたいなものが響きあって、全身に染み渡っていくようでした。とてもほぐされたし、すごく刺激を受けました。

けっこうな雨降りで、ご来場にはたいへんなお天気になってしまいましたが、雨の夜のキセルも、いいもんだなあと思いました。

ヒマールにとっては、ドラムセットのあるライブは初めてで、楽器の数も多かったりして、リハーサルが終わるまでは楽しみなどきどきよりもプレッシャーのほうのどきどきが勝っていたので(苦笑)、無事に演奏をお届けできてほっとしています。
ステージと客席の高さが同じ会場なので、席によっては見えにくくてすみませんでした……お楽しみいただけましたでしょうか。

写真はすべて、ナガツカアキラさんの撮影です。
いつもありがとう!(毎回手伝ってくれる妹も)

キセルとつないでくださった中村明珍さん、二階堂和美さん、ありがとうございました。
素晴らしいライブを開催できたこと、心から感謝しています!
(ニカさんには、ガンジーさんのドラムセットもお借りしました!)

最後になりましたが、キセルのおふたり、辻村豪文さんと辻村友晴さん、岩国まで演奏を届けに来てくださって、ほんとうにありがとうございました!!
今回、ぐっと近くでおふたりの演奏にふれることができて、ますますキセルのファンになりました。
また来ていただけますように!お待ちしています!!!


多謝!二階堂和美LIVE

二階堂和美「ちいさな年末歌謡ショー」
満員御礼!!!ありがとうございました!!

「満を持して」実現した、密かに「念願」だったニカさんライブでした。

わたしたちが初めて生でニカさんのステージを見たのは、10年くらい前でしょうか、周防大島で寄り道バザールが主催されたキセルとのツーマンライブ・イベントに出店させてもらったときでした。
寄り道バザールの中村明珍さんがヒマールのことをニカさんとガンジーさんに紹介してくれて、おふたりが店へ遊びに来てくださるようになりました。
その後、ヒマールでギターパンダ(山川のりをさん)のライブをやるときには「ふたりギターパンダ」「瀬戸内ギターパンダ」としてベーシストであるガンジーさんが必ず参加してくださるようになったり、じつはけっこうご近所なので、僧侶でもあるガンジーさんがおまいりの帰りに店へ寄ってくださってコーヒーを飲みながら沖縄の話を聞いたり本の話をしたり、ガンジーさんが住職を継承される会をお手伝いさせてもらったり、家族ぐるみでごはんを食べたりして過ごしていました。
そのあいだに、生でニカさんのステージを見る機会も増えていって、「なんてすごい歌手なんだ!なんてすごいソングライターなんだ!」と思う気持ちが見るたびに更新されていき、それゆえに「店で演奏してもらいたい」ということをどんどん言い出せなくなってきていました。

去年の3月にガンジーさんの訃報が届いたときは、信じられなくて、ほんとうにショックでした。かなしくてさみしくて、それ以上に、ニカさんのことが心配で気になって。
お寺のこともおうちのことも全部がいっぺんにその肩にのっかってきて、泣きながらでも止まることを許されずに走り続けているみたいなニカさんを見ていて、倒れちゃうんじゃないか、無理しないでほしい、と心配しながら、いっぽうでは、歌うことは続けてほしい!と願っている……ファンとは勝手なものですね。

そんな勝手なファンたちの荒療治(!?)のおかげで、今回のライブができたのかもしれないなーと、各地のみなさんに感謝いたします!

ニカさんと一緒にタイトルを考えた「ちいさな年末歌謡ショー」、いやー!めちゃくちゃたのしかった!!!!!(ニカさんはたいへんだったと思いますが・苦笑)
黒瀬みどりさんのピアノ(変幻自在!素晴らしいピアニストです!!)とニカさんの歌声だけで、こんなにちいさな会場で、しっかり「歌謡ショー」でしたよね? ご覧くださったみなさん、いかがでしたか?

荒療治の一貫で、ステージでまたニカさんをいっぱい泣かせてしまうことになって申し訳なかったけど、でもね、あんまりひとりで泣いてほしくはないからさ、会場のみなさんと一緒に思い出して一緒に泣こう! これからも。いつまでも。(と直接ご本人に言いにくくて、ここに書いてしまいます)
今回も、歌うニカさんのそばにはずっとガンジーさんのコントラバスがあって、1曲だけ、ニカさんが演奏しながら歌ってくれました。
ガンジーさんのコントラバスの音が、またヒマールに響いて嬉しかった。
終演後、「3人(ニカさんとみどりさんとガンジーさん)がいるみたいだった」と話してくれた方もいました。

写真はすべて、ナガツカアキラさんです。いつもありがとう!
フライヤーのイラストを描いてくれたきみ子さん、ありがとう!

二階堂和美「ちいさな年末歌謡ショー」、実現できて、ヒマールのこの1年をこんなに素晴らしいライブで締め括ることができて、ほんとうに嬉しい!
ご来場くださったみなさん、ありがとうございました! 今回は早々に満席になってしまってご覧いただけなかった方もあり、申し訳ありませんでした。次回がきっとあることを信じて! たのしみに待っていてくださいね。
ニカさん、みどりさん、素晴らしい演奏を届けてくださってほんとうにありがとうございました!またぜひぜひ、お願いします!!

2023年は、わたしが骨折してのリクオさんライブに始まり、夫がギックリ腰になってのニカさんライブで終えることになりました(笑)。打ち上げの準備や片付けを手伝ってくれたブロッコリグリルとEF、ありがとう! 来年は怪我せず、元気でいます。
2024年も、すでにたくさんのライブを予定しています! みなさん、どうぞ今後のヒマールのイベントをチェックして、ぜひライブにいらしてください。いいですよ〜、ライブは!!

(年末の営業は30日まで続きます!)

多謝!中川敬&リクオ「うたのありか2023」岩国篇

中川敬とリクオ「うたのありか2023」岩国篇、終了しました。

今年リクオさんをお迎えするのは、早くも2回目です。
1月に、昨年末ヒマールから出したリクオ初書籍『流さない言葉① ピアノマンつぶやく』出版記念ライブを開催したばかりですが、あれからわずか半年ちょっと。
じつは、本も発売からわずか半年ちょっとで、7月にめでたく重版したところで!
わたしたちにとっては“重版記念ライブ”という感もあった今回でした。祝!(本をお求めくださったみなさん、ほんとうにありがとうございます!まだの方はぜひ!)

リクオさんとソウル・フラワー・ユニオンの中川敬さんが一緒に長く続けているシリーズ「うたのありか」。
『流さない言葉① ピアノマンつぶやく』の一番最後に収録した書き下ろしエッセイは、昨年6月に宮城・南三陸で開催された「うたのありか」を軸とした物語です(力作!ぜひ読んでください!)。

中川さんをお迎えするのは今回が初めて。
なのですが、じつはヒマールは中川さんと初対面ではなく!35年前、夫がボーカル、わたしがマネージャーをしていたバンドが、新宿アンティノックというライブハウスで、中川さんの当時のバンド、ニューエスト・モデルと対バンしていて、打ち上げにも行っていたのでした!
打ち上げに誘っておきながらろくに話もしない、つまらないメンバーばかりだったので(苦笑)、中川さんの記憶に残っているはずもないのですが……バンド名だけ覚えておられました!チラシを手作りしていた効果!奇跡!(笑)

そんなこともあり、いろいろと気合や緊張や嬉しさが入りまじったライブ。
おかげさまで、予約完売で当日を迎えることができました!

ライブは、ふたりでの演奏から始まり、それぞれのソロがあって、最後にふたたびふたりで。そしてアンコールへ!

写真撮影はすべて、ナガツカアキラさんです。
いつもありがとう!

日曜の17時スタート。まだまだ明るい夏の夕方。ヒマールは窓ガラス面が広いので、真昼のような明るさからだんだんと暗くなっていく店内の感じは、ライブハウスでのライブとはまたちょっと違った雰囲気です。
よくライブハウスへ行かれる方にも、あまり行かない方にも、ライブをもっとたのしんでもらえたら嬉しいです。ライブ、ほんとにサイコーなんで!

いつものお客さんも、遠方から来てくださったお客さんも、ご来場ありがとうございました!

中川さん、リクオさん、素晴らしい演奏、最高な「うたのありか」、ありがとうございました!またお待ちしています!!



多謝!ヒライマサヤLIVE

ヒライマサヤさんのライブ『マーガレットズロース“NANANA”レコ発ソロツアー「歌になろうと思った」岩国編』、終了しました。
ご来場くださったみなさん、ほんとうにありがとうございました!!
めちゃくちゃたのしかったですね!!!

ヒライさんのライブ、これまでは島津田四郎さんとのツーマンだったり、ワンマンは平井正也DUOだったりThe Old & Modernsだったりしたので、「ソロ」で「ワンマン」というのは今回がじつは初めてだったのでした!
ヒライさんが大学生のときに結成したバンド・マーガレットズロースの7年ぶり10枚目のアルバムのレコ発ソロツアー、その初日だったのですが、たっぷりワンマンのおかげで「NANANA」の収録曲全曲演奏(バンドでのレコ発ライブでも全曲は演奏されなかったそう!)、アンコールも2回(弦が切れたのも2回!)、全身全霊という言葉を使わずにはおけない、それはそれはすんばらしいライブでした!
もっともっとたくさんの人に見てもらいたかったです。店の力不足を痛感しました。
次回に向けて、もうね、どんどん推していきますので!みんな、見て欲しい!!!!!

撮影はナガツカアキラさんです。いつもありがとう!

新しく作った幕が、偶然、ヒライさんが用意されてきた衣装(山下陽光さんのリメイクブランド「途中でやめる」の服)といい感じで、めっちゃ嬉しくなりました!

ヒライさん、今回もサイコーのライブを届けてくださって、ほんとうにほんとうにありがとうございました!
またぜひぜひ演奏に来てください!お待ちしています!!

多謝!ふちがみとふなとLIVE

わくわく、嬉しすぎた3年半ぶりのふちがみとふなと。

わたしはまだ松葉杖なので、手伝いの妹にカウンターに入ってもらい、お客さんの気分でたのしませてもらいました。感謝。

季節に影響されやすい、と話されていたふちがみさん。
わたしも心の中で「春が近いからやってくれるかな、聴きたいなー」と思っていた『だんだん日が長くなってきた』が演奏されたのでとても嬉しかった!
この曲は、ふちがみさんのうたもすてきだし、ふなとさんのベースもめちゃくちゃかっこよくて大好きなのですが、ふちがみさんが車窓から山や川を見るところがすごく好きなので、断然ライブで聴きたい、観たい曲のひとつなのです。

コロナのあいだにうまれた新曲もたくさん聴けました。
『プシュの命』サイコー!めっちゃかっこいい!そして、こみあげてくる可笑しさ、愛おしさよ(ムジカジャポニカさんがYouTubeチャンネルでお裾分けしてくださっている演奏を観られますので、よかったら!)
旅先からの手紙として書かれた(とおっしゃっていた、と思う)『ガゾメダ』(正確なタイトルじゃないかも…)は映画を観ているような感覚に。わたしは映画『キンザザ』のような映像が頭に浮かんでいました。

ふちがみさんがコロナ禍の2年目がしんどくて、しばらく歌えなくなっていた曲、と話されていた『忙しいあなたへ』。
年末に骨折して6週間のわたしの場合、忙しいわけではないのだけれど、なんにもできずに変わらずにただすすんでいくように感じられる毎日に焦って、それも自分がうっかりだったせいで、泣きたくなる日も多くて…
「急ぐなわたし 止まってもいいんだよ/急ぐなわたし 困ってもいいんだよ」
そう歌うふちがみさんの言葉に、とてもなぐさめられました。ありがとう、ふちがみさん。

来てくださったお客さんから、休憩中に、終演後に、「来てよかった!元気が出ました」「久しぶりにたのしい時間でした」「こんなだったわー!って思い出しました。最高!」と声をかけてもらって、ほんとうに嬉しくて、やってよかったです!
みなさん、ありがとうございました!!

撮影はナガツカアキラさん。
いつもありがとう!

ひりひりしたり、ぴりっとしたり、きゅっとなったり、ゆる〜っとなったり、泣いたり、大笑いしたり、「気持ちの緩急がヤバイ!」(お客さん談)たっぷり2時間。
ふちがみとふなとさん、また演奏を届けに来てくださってほんとうにありがとうございました!
次は3年後よりも早く来ていただけますように。
待ち遠しいです。

感謝!リクオ出版記念ライブ

ヒマールからの出版3冊目、ミュージシャンのリクオさんによる初書籍『流さない言葉① ピアノマンつぶやく』
刊行からひと月がたった先週末、ヒマールの店にリクオさんを迎えて出版記念ライブを開催することができました。

刊行してからリクオさんに会うのは初めてだったのですが、なにかと用事があってメールや電話で連絡を取り合っていたのでそんな感じもしなくてリラックスしていたところ、リハーサルが始まったら急に「出版記念ライブだ!」という思いが盛り上がってきて胸が熱くなってしまいました。
この本をつくっているあいだ、本をつくることになったいきさつも経過もあまり発信してこなかったので、この機会に少し書いてみようと思います。

コロナ禍がはじまって、人が集まるあらゆるイベントが中止され、リクオさんもまったくツアーに出られなくなってしまっていた頃のこと。リクオさんが「元気?」と電話をくれておしゃべりするなかで、Twitterに投稿した文章をまとめて本にするアイデアを聞きました。
私も夫も、日頃からリクオさんのSNSへの投稿やblogを読んでいて、共感したり気づかされたり考えさせられたり、同意するにしても反発をおぼえるにしても、リクオさんの言葉や文章が自分たちに届いていることを実感していたので、そのアイデアを一緒にかたちにしていきたいと思いました。

リクオさんは、SNSへの投稿を自身の“備忘録”と意識されていて、投稿した文章はすべてコピー&ペーストしてテキストデータにして保存されています。
本のタイトル『流さない言葉』は、タイムライン上で流してしまわない、こうした行為から、リクオさん自身がつけられたものです。
私の編集作業は、2011年の東日本大震災直後から約11年分の“つぶやき”をテキストデータで受け取って、同じようなことを言っているつぶやきを抜き出していくことからスタートしました。けっこうありました、同じようなつぶやき(笑)。それは、何年たっても社会の状況が変わっていないということだったり、リクオさんが10年近く前と変わっていないということだったりずっと軸はぶれていないということだったり、いろいろな発見がある作業でもありました。

最後に書かれた書き下ろしは、本の最後に収録した「物語は続くー南三陸・月と昴の奇跡」でした。
昨年6月4日の南三陸・月と昴での中川敬さんとの“うたのありか”ライブ公演が終わって、「このライブとそこに至るまでのことを書いたら、伝えたいいろんなことがすべて書ける気がする」とリクオさんから連絡をもらいました。
リクオさんのことだから11年前のできごともSNSやblogに記録されていて、それらを読み返しながら書かれたのだろうと思うけれど、それらをもう一度自分のなかに取り込むのはもう一度体験するようなことでもありしんどかったはずだし、あの奇跡の夜(私たちも配信で観ました)までつなげてきて1本の書き下ろしにまとめあげるのは相当なエネルギーが必要だったに違いないし、決してラクな作業ではなかっただろうと想像します。
実際、書き下ろしのなかでも一番時間をかけ、印刷所へ入れるギリギリまで手を入れた作品です。

文庫本サイズにすることと、表紙の絵をナカガワ暢(のん)さんにお願いしたいというのは、リクオさんのリクエスト。
暢さんのこれまでの作品を拝見して私たちもファンになり(京都で打ち合わせをさせていただいてますますファンに!)、サイズは文庫版でも片側だけ雁垂れ表紙にしてこういう紙にこんな感じで絵を描いてもらって……とデザイン担当の夫もどんどんイメージが湧いたようです。
暢さんにイラストをお願いできてほんとうによかったし、本文中に出てくるアイコン(リクオさんをモチーフ?にした、デザイナー作)も含めてすごくいい装丁に仕上がった、内容と装丁がひとつになる一冊がつくれた、と自負しています。

出版記念ライブで、実際に本を手にしている人、その本にサインするリクオさんとサインを待つ人たちを初めてこの目で見て、あらためて「この本をつくれてよかった」としみじみ思いました。

いつも店に通ってくれている人、広島や山口県内のあちこちからもたくさんの人に来ていただいて、にぎやかにたのしく記念すべきライブを開催することができました。
リクオさんの演奏はとても大きくて、温かさがどんどん溢れてひろがっていくようで嬉しかったです。

年末にうっかり足を骨折してしまい、骨折がわかったとき最初に思ったのが「リクオさんのライブ、できるのか!?」だったのですが、みなさんからのお見舞いと、家族の助け(特に分身となって働いてくれた妹!)と、夫の史上最大の頑張りにより、無事に開催することができました。

いろんな意味で、一生忘れられないライブになりました。
みなさん、ほんとうにほんとうにありがとうございました!!!!!

撮影はナガツカアキラさん。いつもありがとう。

出版&骨折記念に、われわれの写真もアップしておきます。


あ!『流さない言葉②』、いつになるかわかりませんが出す気満々ですので、どうぞおたのしみにー!

多謝!小松大×梅田千晶「アイルランドと北欧音楽の夕べ」

一昨日の夜のこと。
名古屋よりフィドル奏者の小松大さん、神奈川よりアイリッシュハープ奏者の梅田千晶さんをお迎えして、店としてはほぼ1年ぶり(!)にライブを開催することができました。

アイルランドが大好きで、アイルランドにまつわる本を2冊も出版しているヒマールとしては、念願の、ようやくの、初のアイルランド音楽のライブ。
おふたりの素晴らしい奏者を迎えてお届けすることができて、とてもとても光栄でした!

のびのびと響く音に心を委ね、たのしい曲にからだを揺らし、激しいリズムに足を鳴らす。
アイルランド、スウェーデン、デンマークの音楽に包まれ、最高の夜だったと感じています。
ご参加くださったみなさん、ありがとうございました!いかがでしたでしょうか?

撮影はすべてナガツカアキラさんです。
いつもありがとう。

小松さんにつないでくださった松井ゆみ子さん、ありがとうございました!

小松さん、梅田さん、すてきな演奏をほんとうにありがとうございました。
またお待ちしています!

日常に音楽がある場所

書こうとすると喉の奥がぐっとなる、先週のライヴで感じたこと。

ヒライマサヤさんと森孝允さんの二人組バンド「The Old & Moderns」。
ツアー直前にして急遽キャンセルとなった最終日の会場の代わりに、配信だけでもさせてもらえないかと連絡をもらったことが表している、ライヴをとりまく現状。まず引き受けようと決めて、速攻でやれるやり方を考えた。
展示会の開催中だったのでライヴ営業にすることはできないけれど、どうせなら配信だけじゃなく、ひとりでもふたりでも生でお客さんに観てもらいたいと思って、通常営業の店内で演奏してもらって配信しつつ、たまたま買い物に来られたお客さんとか、来られる方には観に来てもらうのはどうですか、と提案した。
まさか、ツアーに出発する朝に、森さんから「解散」という言葉が出て、これがモダンズのラストツアーになって、通常営業の中で引き受けたライヴがそのファイナルになるなんて、わたしたちはもちろんモダンズのふたりだって、そのときは思ってもいなかった。

ラストツアーのファイナルが、平日の16時からで、通常営業の店内で、いいんだろうか……と申し訳なく感じていた。急に決まったライヴだし、平日の夕方だし、数人観に来てくれて、2〜3曲聴いていってくれたらいいくらいだろうな、と思っていた。

16時よりも前に、ライヴを目指して来てくださったお客さんが3人。それから、ちょっと遅れて続々と。夕方からの店を開ける時間ギリギリまで観ていってくれる人もいれば、仕事が終わって駆けつけてくれる人、子どもを習い事に送ってそのあいだに観てくれる人、途中で仕事を抜け出して少し観てからまた戻ってきてくれる人。入れ代わり立ち代わり、たくさんの人が、ヒマールでの最後のモダンズを観に集まってくれた。
結局、16時から閉店時間の18時を過ぎるまで、2時間以上のものすごいライヴになってしまった。ヒライさんがMCで「これが通常営業ですか!? これがヒマールの通常営業ですか!」と叫んでいた。

こみ上げてくるものが止まらなかったのは、もうこれで、うちの店でふたり揃っての演奏を観ることはないんだ、と思ったこともある。もちろんそれもあるのだけれど。
ヒライさんが店に演奏しに来てくれるようになって、森さんをサポートとして連れてくるようになって、その次にはふたりで「平井正也DUO」と名乗って演奏するようになって、それから「The Old & Moderns」という二人組のバンドになりました!と言って、モダンズは来るたびにどんどんモダンズらしくなってバンドになっていった。その過程を、わたしたち店の者もだけど、最後のライヴに駆けつけてくれたお客さんたちも、ずーっと観てきた。ほとんどの人が、ヒマールで初めてヒライさんたちの演奏を観て好きになった人たちで、それで毎回観に来てくれるようになって、定期的にライヴの回数を重ねてきた。だからこそ、平日の夕方なのに、通常営業なのに、めちゃくちゃ盛り上がったライヴになったんだ。これって、すごいことじゃない!? 9年、店を続けて、こんなふうにライヴをやってきた、その結果だなあ、と思った。やってきてよかった、やっとここまできたなあ、とライヴを観ながらこみ上げてしまったのです。

この1年8ヶ月、ライヴをするということは、ミュージシャンにとっても、ライヴに関わる仕事の人たちにとっても、会場となる店にとっても、すごく難しくて苦しいことになってしまった。
ヒマールでは毎回、ライヴの前に出演者と店の者とで、キットを使って抗原検査をする。抗原検査じゃ十分ではないことはわかっているけど、岩国でPCR検査を受けたら、たとえば今回のモダンズとわたしたちの4人分で10万円以上かかる。いくらなんでもそれは無理だ。ヒライさんは別府市在住なんだけど、廃校になった中学校にPCR検査・抗原検査センターが作られて、いまのところは9月末までらしいが市民は無料でいつでも予約なしでPCR検査を受けられるという。抗原検査なら旅人でも無料で受けられる、と。どうしてこれをすべての自治体でやってくれないのだろう。まともな補償がないことにも腹が立つけど、せめていつでも誰でも受けたいときに無料で、いや、広島県知事が広島市内で無料でやっているPCR検査の費用は1回2,000円くらいと以前に言っていたのを聞いたからそれくらいなら支払ってもいいから、PCR検査を受けられるようにする、それが国がやるべき最低限の対策で補償で支援じゃないのか、と思う。そうなればライヴも、もう少し苦しくなくやれる。
ライヴに対しては「今やらなくても。落ち着いてからやれば」と言われることもある。でも、それはいつになるんだろう。そのときに、好きなあの人は音楽活動を続けられているんだろうか。そのときに、うちの店はまだやれているんだろうか。
なくなってしまったら、もう戻らない。それはちょっと周りを見てみればわかることだ。なくならないようにするには、続けていくしかないんだよ。そうじゃない?
音楽に興味がない人もいるだろうけど、音楽のある場所がなくなるときは、ほかのたのしみがある場所もなくなるときじゃないかと思う。

日常に音楽がある場所になれたらいいな、と思ってた。まだ確信は持てないけど、そういう場所になれつつあるのかも、と感じられたのが先週のライヴだった。それくらい感じられるようになるまで、9年かかった。
不確かな世界でなくなってしまわないように、細々とでも続けて守っていきたい。それがいま自分たちにできることで、仕事で、役割だと思っている。

ぼくたち、オールド・アンド、モダーーーーーンズ!
本当にすごいバンドでした!
素晴らしいライヴをたくさん届けてくれてありがとう!!!!!

撮影はすべて長束晃さんです。
いつもありがとう。