月別アーカイブ: 2024年9月

2024.9/13(金)

13日の金曜日、18時から、読むロバの会の日でした。

参加者は1名。
読んでおられたのは、ステファン・テメルソン(大久保譲訳)『缶詰サーディンの謎』。
若島正・横山茂雄 責任編集で国書刊行会から出版されている〈ドーキー・アーカイヴ〉という新海外文学シリーズの最新配本、8冊目。ドーキー・アーカイヴは、「知られざる傑作、埋もれた異色作を、ジャンルや年代を問わず、本邦初訳作品を中心に紹介するシリーズだそうで、この『缶詰サーディンの謎』も、ポーランドの前衛作家ステファン・テメルソンを日本に初めて紹介する長篇作品となるそうです。
「5章まで読んだけど。こんな話……というふうに説明できない! いろんなことが起きているんだけど、それぞれがどうつながって、これからどうなっていくのか、まったく想像もつかない!」とのこと。読みでがありそうですねえ。
「ドーキー・アーカイヴの1冊目も持っていて、シリーズ名の由来が確かあったと思うのだけれど、思い出せない……」そうです。

わたしは、ともだちが以前この時間に読んでいた『どこか、安心できる場所で 新しいイタリアの文学』を借りて、先日から読んでいます。〈いま〉のイタリア文学の複数の作家の作品を集めた短篇集で、今日の読書会の時間ではイジャーバ・シェーゴ(飯田亮介訳)「わたしは誰?」を読みました。
〈いま〉の日本文学、と言ってもさまざまなジャンルや作風などがあるように、〈いま〉のイタリア文学もそれぞれ、さまざまだということがよくわかります。収録順に読んでいますが、どれも、それぞれにとてもいいです! 味わいが違いながら読みやすい作品が集められているなあと感じます。おすすめ!
この本も、『缶詰サーディンの謎』と同じく、国書刊行会の出版。「国書刊行会、すごいよね」と帰り際に言い合いました。ほんと、おもしろい海外文学をこうして次々に読ませてくれて、すごくありがたいです。

さて、次の読むロバの会は9月19日(木)15時から16時ごろまでやります。
読むロバの会は、それぞれに黙って本を読む、読書時間と読書空間を共有する読書会です。
帰り際に読んでいた本を見せ合っています。
ご予約不要。
参加費のかわりに、1ドリンクのご注文か500円以上のお買い物をお願いしています。
ご都合つく方、どうぞお気軽にご参加ください。

2024.9/4(水)

読むロバの会の日でした。
参加者は2名。
それぞれに読んでおられたのは……
小山さんノートワークショップ編『小山さんノート』
ディーノ・ブッツァーティ(長野徹訳)『魔法にかかった男』

『小山さんノート』は、「小山さん」と呼ばれたホームレスの女性が遺した膨大な文章、80冊にも及ぶ手書きのノートを、複数の人たち(ワークショップメンバー)が集まって8年の歳月をかけてテキストデータ化し、編集して一冊にまとめられた本です。わたしも以前、この会の時間に読んだことがあります。
「暴力を受けていて読むのも苦しいけど、読みたいと思って」「初めて参加したけど、そばで誰かが読んでいると自分も読まなきゃと思うのか、集中して読めた」「だいぶ読めたので、がんばって最後まで読みたいです」とのこと。

『魔法にかかった男』は、現代イタリア文学を代表する作家のひとり、ブッツァーティの短篇集。「超短篇、ショートショートと言っていいくらいの短い作品が多い。ちょっと星新一作品みたいな感じ。だけど、SFではなくて……」と一つの物語のあらすじを紹介してくれました。
「子ども向けのお話も書いている」とのことで、「カルヴィーノ(以前、課題図書を読むロバの会で『見えない都市』を読んだ)もそうよね?」とわたしが言うと、「カルヴィーノはおしゃれな感じ。ブッツァーティは説教くさい」とのこと(笑)。

わたしは、佐々涼子『エンド・オブ・ライフ』を。友人にすすめられて随分前に購入していたもののなかなか気分が向かず、しばらく積ん読になっていましたが、佐々さんが亡くなられたと知り、今日、読み始めました。訪問診療でおもに終末医療に携わる、京都の診療所を取材したノンフィクションです。
まだ前半部分しか読めていませんが、いまのところ、「在宅医療は素晴らしいですよ」という言葉に佐々さんはまったく頷けず、看護師たちにも「家で看取られたいですか?」と聞いています。取材を通して、佐々さんの気持ちは変わっていくのだろうか、佐々さんは脳腫瘍でなくなったそうだけれど……と思いながら読んでいます。

さて、次の読むロバの会は、9月13日(金)18時から19時ごろまでやります。
お仕事帰りの方も、ぜひいらしてください。18時すぎて、途中からの参加も遠慮なくどうぞ。
読むロバの会は、各自で黙って本を読む、読書時間と読書空間を共有する読書会です。
帰り際に、その日読んでいた本を見せ合っています。
参加費のかわりに1ドリンクのご注文か500円以上のお買い物をお願いしています。
ご予約は不要ですので、ご都合ついたらお気軽にご参加ください(15時からやる日もあります)。