読むロバの会の日

でした。
参加者は2名。
それぞれに読んでおられたのは……
チェ・ギュソク(加藤直樹訳)『沸点 ソウル・オン・ザ・ストリート』
植本一子・滝口悠生『さびしさについて』

『沸点』はコミックで、1985年のソウル、韓国民主化運動を描いた群像劇。読書会の日とは知らず来店された方に「本を読んでいきませんか?」と声をかけてみたところ、「30分くらいなら」とのことで、短い時間でも漫画だったら入り込んで読んでもらえるかなと思っておすすめしてみました。帰り際に「これ、おもしろいです! ちょうどアナーキズムについて勉強しているところなんです」と。おー、そうでしたか! 知らずにおすすめしましたが、おもしろく読んでもらえて、読書会に初参加していただけてよかったです!

『さびしさについて』は、写真家と小説家、ふたりの往復書簡。写真家の植本一子さんはエッセイも多く書かれているので、ふたりの共通点である文章を書くということ、また子どもについてのやりとりがとてもいい、とのこと。奈良にある「ほんの入り口 とほん」が選書して送ってくれる「本の定期便」で今日届いたばかりの本だそうです。

わたしは、呉明益(天野健太郎訳)『歩道橋の魔術師』を。台北にあった中華商場(3階建てのアパートのような建物が何棟も並んで建ち、そこにさまざまな店が1,000軒近く入っている、現在で言うところのショッピングモール。だけど、各店の奥や屋根裏のような狭いスペースにはその店を経営する家族たちが暮らしている)を舞台にした連作小説。棟と棟をつなぐ歩道橋上にマジックを見せながら手品のグッズを売っている魔術師がいて、どの話にも登場します。1980年前後に商場で生活していた少年少女が、大人になって当時を思い出して語る話がどれもおもしろくて、わたしは当時の台湾のことなど全然知らないし台湾へ行ったこともないのに、読んでいてすごく懐かしいし台湾の空気を感じるのがふしぎです。

さて、次の読むロバの会は、4月27日(土)15時から16時ごろまでやります。
各自で好きな本を読み、読書時間と読書空間を共有する読書会です。
帰り際に読んでいた本を見せ合っています。
ご予約不要ですので、どうぞお気軽にご参加ください。

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