2024.9/4(水)

読むロバの会の日でした。
参加者は2名。
それぞれに読んでおられたのは……
小山さんノートワークショップ編『小山さんノート』
ディーノ・ブッツァーティ(長野徹訳)『魔法にかかった男』

『小山さんノート』は、「小山さん」と呼ばれたホームレスの女性が遺した膨大な文章、80冊にも及ぶ手書きのノートを、複数の人たち(ワークショップメンバー)が集まって8年の歳月をかけてテキストデータ化し、編集して一冊にまとめられた本です。わたしも以前、この会の時間に読んだことがあります。
「暴力を受けていて読むのも苦しいけど、読みたいと思って」「初めて参加したけど、そばで誰かが読んでいると自分も読まなきゃと思うのか、集中して読めた」「だいぶ読めたので、がんばって最後まで読みたいです」とのこと。

『魔法にかかった男』は、現代イタリア文学を代表する作家のひとり、ブッツァーティの短篇集。「超短篇、ショートショートと言っていいくらいの短い作品が多い。ちょっと星新一作品みたいな感じ。だけど、SFではなくて……」と一つの物語のあらすじを紹介してくれました。
「子ども向けのお話も書いている」とのことで、「カルヴィーノ(以前、課題図書を読むロバの会で『見えない都市』を読んだ)もそうよね?」とわたしが言うと、「カルヴィーノはおしゃれな感じ。ブッツァーティは説教くさい」とのこと(笑)。

わたしは、佐々涼子『エンド・オブ・ライフ』を。友人にすすめられて随分前に購入していたもののなかなか気分が向かず、しばらく積ん読になっていましたが、佐々さんが亡くなられたと知り、今日、読み始めました。訪問診療でおもに終末医療に携わる、京都の診療所を取材したノンフィクションです。
まだ前半部分しか読めていませんが、いまのところ、「在宅医療は素晴らしいですよ」という言葉に佐々さんはまったく頷けず、看護師たちにも「家で看取られたいですか?」と聞いています。取材を通して、佐々さんの気持ちは変わっていくのだろうか、佐々さんは脳腫瘍でなくなったそうだけれど……と思いながら読んでいます。

さて、次の読むロバの会は、9月13日(金)18時から19時ごろまでやります。
お仕事帰りの方も、ぜひいらしてください。18時すぎて、途中からの参加も遠慮なくどうぞ。
読むロバの会は、各自で黙って本を読む、読書時間と読書空間を共有する読書会です。
帰り際に、その日読んでいた本を見せ合っています。
参加費のかわりに1ドリンクのご注文か500円以上のお買い物をお願いしています。
ご予約は不要ですので、ご都合ついたらお気軽にご参加ください(15時からやる日もあります)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

JPEG・JPG・GIF・PNG形式のみ