でした。
窓を開けての読書が気持ちいい、からりと晴れた読書日和。
3名が参加してくださいました。
それぞれに読んでおられたのは……
ベンハミン・ラバトゥッツ(松本健二訳)『恐るべき緑』
ジェヨン(牧野美加訳)『書籍修繕という仕事』
ポール・オースター(柴田元幸訳)『ムーン・パレス』
『恐るべき緑』は、前回の参加日から引き続いて。「やっぱりよくわからない」そうですが、「禍福はあざなえる縄の如し、みたいなことなのかもしれないです」と。人の役に立つと思われた科学技術が、戦争で人を殺すために使われた、というようなことですね。
『書籍修繕という仕事』は、アメリカの図書館で本の修繕法を身につけた著者が韓国で書籍修繕店を開き、その方法や持ち込まれた本にまつわる物語などを綴った一冊。修繕のビフォーアフターなどがわかるカラー写真も豊富でおもしろそうです。「一番たいへんそうなのは、カビ」とのこと。でしょうねえ。
『ムーン・パレス』は、オースターの5作目にあたる小説。「読みかけてはなかなか読み終えられなかったけど、今回は読めそう」とのこと。登場人物である老人の一人称が「わし」なのが、どうしても気になる、と。「じゃあどう訳す?と言われたら困ってしまうけど……英語は“ I(アイ)”だけなのに」。確かに、僕、俺、私、儂(わし)、漢字かひらがなかカタカナかでも、ずいぶんとその人の印象が違ってきますよね。
わたしは、金石範の『満月の下の赤い海』を。金さんは1925年生まれだそうで、この本に収められた3作品の中から今日は、2022年(!)に発表された最新作「地の疼き」を読みました。ちょうどハン・ガンの『別れを告げない』を読み終えたところで、済州4・3事件のことをもっと知っておきたいと思って、店頭にあったこの本を手に取ったのですが、金石範さんの代表作『鴉の死』も読まなくては、と思っています。
さて、次の読むロバの会は、6月7日(金)15時から16時ごろまでやります。
読書時間と読書空間を共有する読書会、ご予約は不要ですので、ご都合がついたらどうぞお気軽にご参加ください。