読むロバの会の日

でした。
ガラス越しの光が眩しいほど明るい午後。
参加者は1名。
読んでおられたのは、紀蔚然(舩山むつみ訳)『台北プライベートアイ』。
プライベートアイとは私立探偵のこと。ハードボイルド長編小説です。
「一度図書館で借りたけど長くて読み終えられなかったので、自分で文庫本を買った」とのこと。
読み始めから今日の読書時間の終わりまでではまだ誰も死んでおらず、「理屈が続いている。おもしろくなるのはこれから、かな?」だそうです。
厚さからして、かなり読みごたえがありそうです。

わたしは、月刊たくさんのふしぎから、菅瀬晶子文/平澤朋子絵『ウンム・アザールのキッチン』を。
イスラエルの北部・ハイファに暮らす、ウンム・アザール(=アザールのお母さん)の1週間が描かれています。
修道院へ修道士たちの食事をつくる仕事に行ったり、近所に住む子や孫にごはんを食べさせるのが喜びだったり、離れた村で暮らす娘家族が週末に遊びに来たり、留学中の孫とスマホの画面越しに話をしたり。
とてもいい。おすすめしたい一冊です。
ウンム・アザールはアラブ人のキリスト教徒で、イスラエルではわずか1.4%の少数派なのだそう。14歳のときに父親ときょうだいと一緒にハイファへ移り住んだそうで、「ハイファは自由な考え方の人が多く、アラブ人とユダヤ人がいっしょに平和にくらせるイスラエルでただひとつの街です」と書いてあります。
とはいえ、ハイファが最初からそういう街だったわけはないので、そうなる前のハイファを知ろうと思って、読書時間の残り30分でガッサーン・カナファーニー(黒田寿郎/奴田原睦明訳)『ハイファに戻って/太陽の男たち』から「ハイファに戻って」を読み始めました。

読むロバの会、次回は6月12日(水)15時から16時ごろまでやります。
読書時間と読書空間を共有する読書会です。
各自で黙って本を読んで過ごし、帰り際に読んでいた本を紹介し合っています。
ご予約不要、どうぞお気軽にご参加ください。

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