まずは、パブ!です。
メニューは飲み物だけ、というパブが思っていたよりも多くて、へえーそうなんだー、と。
大きなパブで昼間は「フィッシュ&チップス」や「シチュー」などアイルランドの伝統的な家庭料理をランチに出すところもあったけど、あとはあるとしても「今日のスープ」と「サンドイッチ」、せいぜいポテトチップスの小袋を置いているくらい。
ポテチ小袋さえない店も。
こちらは、料理も出す大きめパブでのランチ。
ゆみ子さんと3人で、フィッシュ&チップス、シェパーズパイ、サラダ盛り合わせ(付け合わせ用の野菜だけをお願いして盛ってもらった)をシェア。
ちなみに、アイルランドの人は基本的にシェアはしないそう。
パブで、ほとんどの人が注文するのはビール。
田舎町の小さな店でも、カウンター内に少なくとも7〜8本はタップが並んでいました。
こんな感じ。
カウンターの上からのぞいて光っているのがビール類のタップ。
カウンター越しに注文して現金と引き換えで受け取ります。
基本は1パイント(約568ml)。
こんなに飲めるか!と思ったけど、飲めちゃうんだな〜(苦笑)。
「ハーフ」か「グラス」と言い添えると、小さいグラスで出てきます。
アイルランドと言えば、ギネス!ですよねえ。
1パイントグラス1杯が、店によって4.3〜5.3ユーロくらい。
日本で飲んだことのあるギネスよりもスムースで、すいーっと飲めました(笑)。
ゆみ子さんによると、少し前まではギネスのモノポリー(独占状態)だったそうですが、最近はほかのスタウトも見かけるようになったとのこと。
私たちも滞在中、ギネスのほかにマーフィーズやオハラなどのスタウトを飲みました。
逆に、最近は「若者のギネス離れ、スタウト離れ」というのが深刻な問題なんだそうで……。
確かに、パブで観察していると、クアーズライトとかハイネケンとか、軽くて冷たい外国産ビールを飲む若者が多かったなー。
冷たい、と書きましたが、ギネスをはじめアイルランドのビールは、日本のビールほど冷えていない感じがしました。
ぬるいってほどではないですけど、冷たーいって感じではなかったです、スタウトだけじゃなくエールも。
エールも、おいしいアイルランドビールがたくさんありましたよ〜。
スミズィクスというレッドエール(ブラウンエールかな?)が気に入って、よく飲みました。
あと、アイルランドもやはりクラフトビールが流行っているそうで、「すぐ近くで作っている」とか「ウチのパブのオリジナル」とか聞くと、これまた飲みたくなるもので〜(苦笑)。
ビールの次に、パブで注文が多そうだったのは、サイダー。
りんごのお酒、シードルです。
ブルマーズというのをよく見かけました。
とりわけ女子に人気っぽい。
夏の飲み物というイメージもあるそうで、おじさんたちもかなり飲んでました。
私も何度か飲みましたが、サイダーの1パイントは無理!(女子もおじさんも1パイントで飲んでたけどね〜)。
だって、甘いし、実はギネスより度数が高いし、たぶんカロリーも……(苦笑)。
アイルランドはウイスキーも有名で、もちろんウイスキーやジンなどのボトルもカウンター内にずらりと並んでいたし、最近ではグラスワインを出すパブも増えてきているそうだけど、飲んでいる人はたまーにしか見かけなかったな〜。
夏だから、かもしれないですけどね。
それよりも、ミルクティーを飲んでいる人が結構いた!
オーダーすると、ステンレスのポットに入った紅茶と、大きなピッチャーにたっぷり入ったミルクと、マグカップが出てきます。
席がなくて立ってる人もいるほどぎゅうぎゅうに混雑しているパブでも、紅茶をオーダーする人はわりといて、そうするとポットやミルクピッチャーが置けるように、店の人やその人が頼んだりしなくても当たり前のように、カウンターやテーブルの隅があく。なんかすごい。
大体が、こんなにお酒を飲む人が大勢集まる場所なのに、酔っぱらって喧嘩になるとか、くだをまいて周りに迷惑をかけるとか、吐いて店内を汚すとか、お酒が原因のそういうトラブルは驚くほど少ないのだそう。
私たちも滞在中に一度も見なかった(酔っぱらって大声出してる観光客はホテルにいましたけどね……)。
マークさんが「アイリッシュの気質かなー」とおっしゃってましたが、観察していると、飲み方にも理由がありそう。
時間をかけてゆっくり飲む人が多い印象です。
パブは禁煙(パブに限らず人が集まる室内は原則禁煙らしい)なんですが、タバコを吸う人が少ないわけでは決してなくて、飲んでいる途中でグラスを置いたままタバコを吸いに外に出る、で、戻ってきてちょっと飲んでまた吸いに出る人が結構いる。
誰かとしゃべったり、音楽を聴いたり、持ってきた本を読んだり、ぼーっとしながら、ちびちび飲んでいる人も。
冷え冷えのビールじゃないからか、多少時間がたってもおいしく飲めるんですよねー。
1杯で1時間以上(!)とか全然アリ!
おつまみとかなく、ビールだけで、ですよ。
で、ほとんどの人が1杯か2杯で帰る、または店を変えている模様。
こうして毎日パブに通っていたら、素朴な疑問がわいてきました。
大きな街の、混雑するほどお客さんがいるパブはさておき、小さな田舎町の、カウンター席におじいさんが4〜5人しかいないようなパブは、なんでやっていけてるんだ!?と。
ゆみ子さんとマークさんに聞いてみると、田舎町だと副業を持っている人もいるとのこと。
隣や近所でほかにパブ以外の店をやっているとか、家族がほかの仕事で収入があるとか。
パブはライセンスがないとできなくて、このライセンスは新たに発行されることはないのだそう。
つまり、すでにライセンスを持っているパブが代々引き継がれていくのが基本で、新しくパブを開きたい場合は、跡を継ぐ人がいなくて閉店することになったパブからライセンスを買い取るしかない……つまり、過当競争のようなものがない。
しかし、いずれにせよ、なによりも、パブはアイリッシュにとってなくてはならない場所、とりわけ田舎になればなるほど、社会的にも大切な役割をもつ場所、誰にも行きつけのパブがあってほぼ毎日通う場所、自宅ともう一つの居場所みたいなところ、だからなくなることはない、アイリッシュの大切な文化の一つ、なのだそうです。
お酒を飲めない人も、パブにはたくさん。
ジュースやミルクティーを注文しても全然オッケーな感じ。
夜遅くない時間には子どもも来てたし。
田舎町の静かなパブにて。
カウンター席のお客さんとお店の人の会話、私にもっと英語力があれば……
どんな話をしているのか、こっそり聞いてみたかったな。
ところで、パブの近くに泊まると、真夜中や朝にガラガラとうるさい。
正体はこれ。
ぜーんぶ、ビールとサイダーの樽です!
夕べもみなさん、よく飲んだのねー。
さて、かなり長くなってしまいましたが、パブの話はまだまだ、音楽のことなどを「その2」で!
続きます!!
いーなーいーなーいーなー!!!
スミマセン…。