感謝!リクオ出版記念ライブ

ヒマールからの出版3冊目、ミュージシャンのリクオさんによる初書籍『流さない言葉① ピアノマンつぶやく』
刊行からひと月がたった先週末、ヒマールの店にリクオさんを迎えて出版記念ライブを開催することができました。

刊行してからリクオさんに会うのは初めてだったのですが、なにかと用事があってメールや電話で連絡を取り合っていたのでそんな感じもしなくてリラックスしていたところ、リハーサルが始まったら急に「出版記念ライブだ!」という思いが盛り上がってきて胸が熱くなってしまいました。
この本をつくっているあいだ、本をつくることになったいきさつも経過もあまり発信してこなかったので、この機会に少し書いてみようと思います。

コロナ禍がはじまって、人が集まるあらゆるイベントが中止され、リクオさんもまったくツアーに出られなくなってしまっていた頃のこと。リクオさんが「元気?」と電話をくれておしゃべりするなかで、Twitterに投稿した文章をまとめて本にするアイデアを聞きました。
私も夫も、日頃からリクオさんのSNSへの投稿やblogを読んでいて、共感したり気づかされたり考えさせられたり、同意するにしても反発をおぼえるにしても、リクオさんの言葉や文章が自分たちに届いていることを実感していたので、そのアイデアを一緒にかたちにしていきたいと思いました。

リクオさんは、SNSへの投稿を自身の“備忘録”と意識されていて、投稿した文章はすべてコピー&ペーストしてテキストデータにして保存されています。
本のタイトル『流さない言葉』は、タイムライン上で流してしまわない、こうした行為から、リクオさん自身がつけられたものです。
私の編集作業は、2011年の東日本大震災直後から約11年分の“つぶやき”をテキストデータで受け取って、同じようなことを言っているつぶやきを抜き出していくことからスタートしました。けっこうありました、同じようなつぶやき(笑)。それは、何年たっても社会の状況が変わっていないということだったり、リクオさんが10年近く前と変わっていないということだったりずっと軸はぶれていないということだったり、いろいろな発見がある作業でもありました。

最後に書かれた書き下ろしは、本の最後に収録した「物語は続くー南三陸・月と昴の奇跡」でした。
昨年6月4日の南三陸・月と昴での中川敬さんとの“うたのありか”ライブ公演が終わって、「このライブとそこに至るまでのことを書いたら、伝えたいいろんなことがすべて書ける気がする」とリクオさんから連絡をもらいました。
リクオさんのことだから11年前のできごともSNSやblogに記録されていて、それらを読み返しながら書かれたのだろうと思うけれど、それらをもう一度自分のなかに取り込むのはもう一度体験するようなことでもありしんどかったはずだし、あの奇跡の夜(私たちも配信で観ました)までつなげてきて1本の書き下ろしにまとめあげるのは相当なエネルギーが必要だったに違いないし、決してラクな作業ではなかっただろうと想像します。
実際、書き下ろしのなかでも一番時間をかけ、印刷所へ入れるギリギリまで手を入れた作品です。

文庫本サイズにすることと、表紙の絵をナカガワ暢(のん)さんにお願いしたいというのは、リクオさんのリクエスト。
暢さんのこれまでの作品を拝見して私たちもファンになり(京都で打ち合わせをさせていただいてますますファンに!)、サイズは文庫版でも片側だけ雁垂れ表紙にしてこういう紙にこんな感じで絵を描いてもらって……とデザイン担当の夫もどんどんイメージが湧いたようです。
暢さんにイラストをお願いできてほんとうによかったし、本文中に出てくるアイコン(リクオさんをモチーフ?にした、デザイナー作)も含めてすごくいい装丁に仕上がった、内容と装丁がひとつになる一冊がつくれた、と自負しています。

出版記念ライブで、実際に本を手にしている人、その本にサインするリクオさんとサインを待つ人たちを初めてこの目で見て、あらためて「この本をつくれてよかった」としみじみ思いました。

いつも店に通ってくれている人、広島や山口県内のあちこちからもたくさんの人に来ていただいて、にぎやかにたのしく記念すべきライブを開催することができました。
リクオさんの演奏はとても大きくて、温かさがどんどん溢れてひろがっていくようで嬉しかったです。

年末にうっかり足を骨折してしまい、骨折がわかったとき最初に思ったのが「リクオさんのライブ、できるのか!?」だったのですが、みなさんからのお見舞いと、家族の助け(特に分身となって働いてくれた妹!)と、夫の史上最大の頑張りにより、無事に開催することができました。

いろんな意味で、一生忘れられないライブになりました。
みなさん、ほんとうにほんとうにありがとうございました!!!!!

撮影はナガツカアキラさん。いつもありがとう。

出版&骨折記念に、われわれの写真もアップしておきます。


あ!『流さない言葉②』、いつになるかわかりませんが出す気満々ですので、どうぞおたのしみにー!

感謝!リクオ出版記念ライブ」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 多謝!中川敬×リクオ「うたのありか2023」岩国篇 | きょうのヒマール

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