でした。
参加者は2名。
それぞれに読んでおられたのは…
松井ゆみ子『アイリッシュネスへの扉』
ジャン・エシュノーズ(関口涼子訳)『ラヴェル』
『アイリッシュネスへの扉』は、前回に続いて。アイルランドが舞台の新作映画「コット」を観てこられたばかりだそうで、その映画とこの本に重なる部分も見つけながら(たとえば、水の事故で亡くなったこども、ゴム長など)いっそうおもしろく読み進めている、と話してくださいました。
『ラヴェル』は、「ボレロ」などで知られるフランスの作曲家・ラヴェルの晩年を描いた小説。「まるで音楽のような文章!」とのこと。ラヴェルはとてもユニークな人だったようで、アメリカへの演奏旅行の船旅では一日に何度も服を着替え、パジャマだけでなんと27着も持って行っていて「今日はエメラルドグリーンのパジャマにしよう、と着替えたり、読んでいて笑えておもしろい」そうです。
わたしは、岡真理『ガザとは何か』を。昨年10月の早稲田大学と京都大学での講義内容をまとめて緊急出版された一冊。ちょうどその頃に、わたしは広島の大型書店へ行く機会があって、書店員さんに「パレスチナ問題について書かれた本が読みたいのですが、どのへんにありますか?」と尋ねたところ、「そういう本はまだないですね。ウクライナとロシアの本ならあるんですけど」と言われ、いろんな意味ですごくショックを受けたことがありました。その後、あまり詳しくない人でもわかりやすく読める本はないだろうかと自分なりに調べてみて、選択肢はあまり多くないなと感じ(絶版で仕入れられなかった名著も多いです)、この現状こそがまさに、日本(世界も)のほとんどが70年以上パレスチナを見ないようにしてきたということなのだなと感じました。遅いことはわかっているけれど。「まずここから」の一冊として、この本はとてもわかりやすかったのでおすすめしたいです。
次の読むロバの会は2月27日(火)15時から16時ごろまでやります。
火曜は定休日ですが、この週は「北岡幸士・渡辺キエ 二人展」会期中につき営業します。
読むロバの会は、読書時間と読書空間を共有する読書会です。
ご都合のつく方はぜひ。いっしょに本を読みましょう。