「飼い喰い 三匹の豚とわたし」を読んで

昨日は「11月の読むロバの会(読書会)」でした。

11月の課題図書は『飼い喰い 三匹の豚とわたし/内澤旬子著』
世界各地の屠畜の現場(屠畜場も個人家庭も)を取材した『世界屠畜紀行』という著書のある内澤さんが、この取材の後、「肉になる前を知りたい」という思いから始めた豚の飼育。
それは、受精に立ち合うところから始まって、豚を飼うための家を借りて、飼育して、約1年後に屠畜して、その肉を食べる会を開く……という、これまでに聞いたことも読んだこともない体験ルポ!

昨日の読書会で、参加者たちがまず口にした感想は、「内澤さんて、すごい人!」ということでした。
こんなことを思いついて、たった一人で(実際にはたくさんの方々のたいへんな協力があるのですが)やってしまうなんて!
内澤さんのこの体験を通して、内澤さんも私たち読者も、日本における畜産の現状、養豚から肉となって流通するまでのしくみなどを知ることになるのですが……
全然知らなかったよー!ということだらけで、驚くばかり。
とても深刻な問題も取り上げられているし、豚に名前をつけて飼ってその肉を食べるということは想像しただけでも重たい気持ちになりそうなんですが、ふしぎとみなさん、読むのが辛いというようなことはまったくなく、むしろおもしろく読めた、と。
これはひとえに内澤さんのルポのスタンス、書き口、人柄によるものであろう、という話になり、このように読みやすい本で、自分が食べているものが一体なんであるか、どうやって届けられているのかを知ることができるのは貴重だ、という話になり、もっとたくさんの人に読んでもらいたい、という話になりました。
話は必然的に、食の問題や命について考えることなどにもひろがりましたが、最後は「やっぱりおいしい豚肉を食べたい。食べる、というのは、ただ栄養とエネルギーを摂取するだけではなくて、人間にとってもっといろんな意味で大事なことだと思う」というのがまとめ(かな?)。
この本を読んで豚肉を食べられなくなった、という人は、今回の参加者にはいませんでした。

月に一度開催している「読むロバの会」も、今回で7回目です。
参加者は毎回4人〜6人といったところですが、ほぼ馴染みの顔ぶれになりつつあります。
もっとたくさんの人に参加してもらいたくて、平日の夜にしてみたり、週末の夜にしてみたり、本もさまざまなジャンルから選ぶようにしていますが、なかなか新しい参加者の方がいらっしゃいません。
うまくたくさん話す必要はありませんし、ほかの参加者の感想を聞いているだけでもおもしろいと思います。
ふつう、本は一人で読むもので、読んだ本について誰かと話をする機会はふだんあまりないと思いますが、やってみると一人で読んだとき以上の発見や気づきが必ずあって、その本をより深く知ることができると感じます。
どうぞお気軽に、一度のぞいてみていただけたらと思います。

12月の読むロバの会
日時:12月17日(火)18:00〜(1時間半程度)
課題図書:翻訳夜話/村上春樹・柴田元幸(文春新書)より「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」村上訳と柴田訳の2篇
※参加費は無料ですが、喫茶で1ドリンクのご注文をお願いします。

今回の課題図書は本一冊ではなく、そこに収録されている同じ原作を訳した“村上版”と“柴田版”の短編作品のみを読み比べます。
師走の忙しい時期かと思いますが、短時間で読める量だと思いますので、ぜひご参加ください。

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