読むロバの会の日

でした。
晴れて暖かくなった土曜の午後、1名がご参加くださいました。

読んでおられたのは、マルコ・バルツァーノ(関口英子訳)『この村にとどまる』。“北イタリアチロル地方、ドイツ語圏の一帯はムッソリーニの台頭によりイタリア語を強制され、ヒトラーの移住政策によって村は分断された……”と本のカバーに書いてあり、「ああ、またこういう話の本を手に取ってしまった、と思いながら読み始めたけど、娘に聞かせるひとり語りで書かれた文章がとてもよくて、どんどん読めてしまう」そうで、読書会の1時間で3分の1くらいまで読み進んでおられました。

わたしは、キム・グミ(すんみ訳)『敬愛(キョンエ)の心』を。敬愛は主人公のひとりの名前です。この本の帯には、“心はどうやって廃棄すればいいですかーー1999年に韓国・仁川で実際に起きた火災事件を題材に、残された者たちの転機と再生を描く”とあり、わたしも「ああ、またこういう本を手に取ってしまった」と、重たい内容を想像して読み始めたのですが、ちょっとコミカル?シニカル?な感じもあっておもしろく、どんどん読めており、昨夜と今日の読書時間で3分の1くらいまで読み進みました。

「カバーや帯の紹介文などから想像していたのと、実際に読んでみたらなんか違うじゃんってこと、よくあるよね」と帰り際におしゃべりしました。『この村にとどまる』は「カバーに書いてある紹介文だけを読んで選ぶなら手に取っていないかも。新潮クレスト・ブックスの新刊だったから図書館で借りてみただけで。読んでみてよかった」とのことでした。わたしは編集者としてそういう紹介文を書く立場でもありいつも苦しんでいるので、いやほんと難しいんだよねえ、と思いながら話していました。

さて、次の読むロバの会は、4月10日(水)15時から16時ごろまでやります。
読むロバの会は読書時間と読書空間を共有する読書会です。帰り際に読んでいた本を見せ合っています。
ご予約不要ですので、読みたい本を持って(または店頭で買って!)お気軽にご参加ください。

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