読むロバの会」カテゴリーアーカイブ

読むロバの会の日

でした。
ようやく気持ちよく晴れた気がする祝日。
晴れても降っても「読書日和だなあ」と思ってしまうのはなぜでしょうか。

参加者は1名。
読んでおられたのは、朴沙羅『ヘルシンキ 生活の練習』。
二人の小さな子どもとフィンランドへ移住した著者による、現地からの生活レポート。朴沙羅さんは、前回私が読んでいた『家(チベ)の歴史を書く』の著者でもある社会学者です。
「日本と全然違うことが多いんだけど、比較してどちらがいいかということではなく書かれているのがいい」とのこと。

わたしは、佐藤功『憲法と君たち』を。今日は憲法記念日なので。
現在の憲法制定に関わった著者が、中学生ぐらいの読者へ向けて「憲法とはなにか」をやさしく語ってくれる一冊。1955年に書かれた本の復刻新装版です。
こういう話はとても大事だけど忘れてしまいがちなので、何度も繰り返し読んだり聞いたりしたほうがよいなと思いました。大人にもおすすめです。

参加してくれた人もわたしも、「今日はポール・オースターの本を読もうかと思ったけど、なんとなく手がのびなかったんだよね」とお互いに言い合った別れ際。
もう新しい作品が発表されることはないけれど、日本語訳で出される新作をたのしみに待ちながら、既刊もまたゆっくり再読したいと思っています。

さて、次の読むロバの会はちょっと先、5月16日(木)15時から16時ごろまでやります。
読みたい本を持っていらしてください(または店頭で買ってください)。
読むロバの会は読書空間と読書時間を共有する読書会です。
ご予約不要ですので、お気軽にいらしてくださいね。

読むロバの会の日

でした。
参加者は2名。
それぞれに読んでおられたのは……
チェ・ギュソク(加藤直樹訳)『沸点 ソウル・オン・ザ・ストリート』
植本一子・滝口悠生『さびしさについて』

『沸点』はコミックで、1985年のソウル、韓国民主化運動を描いた群像劇。読書会の日とは知らず来店された方に「本を読んでいきませんか?」と声をかけてみたところ、「30分くらいなら」とのことで、短い時間でも漫画だったら入り込んで読んでもらえるかなと思っておすすめしてみました。帰り際に「これ、おもしろいです! ちょうどアナーキズムについて勉強しているところなんです」と。おー、そうでしたか! 知らずにおすすめしましたが、おもしろく読んでもらえて、読書会に初参加していただけてよかったです!

『さびしさについて』は、写真家と小説家、ふたりの往復書簡。写真家の植本一子さんはエッセイも多く書かれているので、ふたりの共通点である文章を書くということ、また子どもについてのやりとりがとてもいい、とのこと。奈良にある「ほんの入り口 とほん」が選書して送ってくれる「本の定期便」で今日届いたばかりの本だそうです。

わたしは、呉明益(天野健太郎訳)『歩道橋の魔術師』を。台北にあった中華商場(3階建てのアパートのような建物が何棟も並んで建ち、そこにさまざまな店が1,000軒近く入っている、現在で言うところのショッピングモール。だけど、各店の奥や屋根裏のような狭いスペースにはその店を経営する家族たちが暮らしている)を舞台にした連作小説。棟と棟をつなぐ歩道橋上にマジックを見せながら手品のグッズを売っている魔術師がいて、どの話にも登場します。1980年前後に商場で生活していた少年少女が、大人になって当時を思い出して語る話がどれもおもしろくて、わたしは当時の台湾のことなど全然知らないし台湾へ行ったこともないのに、読んでいてすごく懐かしいし台湾の空気を感じるのがふしぎです。

さて、次の読むロバの会は、4月27日(土)15時から16時ごろまでやります。
各自で好きな本を読み、読書時間と読書空間を共有する読書会です。
帰り際に読んでいた本を見せ合っています。
ご予約不要ですので、どうぞお気軽にご参加ください。

読むロバの会の日

でした。
参加者は1名。
読んでおられたのは、ジョージ・オーウェル(高橋和久訳)『1984年』。
「どういうストーリーかは大体知っているけれど読むのは初めて。友達とオンラインで定期的にやっている読書会があって、その会の次の課題図書なので」読み始めたのだそう。その読書会で「この本の次は村上春樹の『1Q84』を読む予定。まったく関連がないというわけでもないらしい」とのことです。

わたしは、カン・ファギル(小山内園子訳)『大仏ホテルの幽霊』。怖いのは苦手なのに、ついタイトルと装丁にひかれて読み始めてしまった長編小説。怖くてもう読むのをやめようと思いながらちびりちびり読んでしまっていて、気づけば中盤に。決定的に怖いシーンがあるというわけではないのですが、「これ絶対におそろしいことになるよね……」という空気がずーっと流れていて、なかなか先に進みたくないのです(でも気になる、という〜・苦笑)。今日『1984年』を読んでいた人は、カン・ファギルの『大丈夫な人』という短編集を読んだことがあるそうで、それも怖すぎて少しずつしか読めなかったらしく「『大丈夫な人』なのに全然大丈夫じゃなかった」とのことでした(笑)。

次の読むロバの会は4月19日(金)17時から18時ごろまでやります。
週末の夕方からやってみる日です。ご都合つく方、途中からでもぜひ。
読むロバの会は読書時間と読書空間を共有する読書会です。
各自で読みたい本を黙って読んで、帰り際に読んでいた本を見せ合っています。
なんの準備も予約も要りませんので、読みたい本を持って(または店頭で買って!)どうぞお気軽にご参加ください。

読むロバの会の日

でした。
晴れて暖かくなった土曜の午後、1名がご参加くださいました。

読んでおられたのは、マルコ・バルツァーノ(関口英子訳)『この村にとどまる』。“北イタリアチロル地方、ドイツ語圏の一帯はムッソリーニの台頭によりイタリア語を強制され、ヒトラーの移住政策によって村は分断された……”と本のカバーに書いてあり、「ああ、またこういう話の本を手に取ってしまった、と思いながら読み始めたけど、娘に聞かせるひとり語りで書かれた文章がとてもよくて、どんどん読めてしまう」そうで、読書会の1時間で3分の1くらいまで読み進んでおられました。

わたしは、キム・グミ(すんみ訳)『敬愛(キョンエ)の心』を。敬愛は主人公のひとりの名前です。この本の帯には、“心はどうやって廃棄すればいいですかーー1999年に韓国・仁川で実際に起きた火災事件を題材に、残された者たちの転機と再生を描く”とあり、わたしも「ああ、またこういう本を手に取ってしまった」と、重たい内容を想像して読み始めたのですが、ちょっとコミカル?シニカル?な感じもあっておもしろく、どんどん読めており、昨夜と今日の読書時間で3分の1くらいまで読み進みました。

「カバーや帯の紹介文などから想像していたのと、実際に読んでみたらなんか違うじゃんってこと、よくあるよね」と帰り際におしゃべりしました。『この村にとどまる』は「カバーに書いてある紹介文だけを読んで選ぶなら手に取っていないかも。新潮クレスト・ブックスの新刊だったから図書館で借りてみただけで。読んでみてよかった」とのことでした。わたしは編集者としてそういう紹介文を書く立場でもありいつも苦しんでいるので、いやほんと難しいんだよねえ、と思いながら話していました。

さて、次の読むロバの会は、4月10日(水)15時から16時ごろまでやります。
読むロバの会は読書時間と読書空間を共有する読書会です。帰り際に読んでいた本を見せ合っています。
ご予約不要ですので、読みたい本を持って(または店頭で買って!)お気軽にご参加ください。

読むロバの会の日

でした。
参加者は1名。
読んでおられたのは…
エリック・マコーマック(増田まもる訳)『隠し部屋を査察して』
おそらくマコーマック作品で唯一(少なくとも日本語訳作品の中では間違いなく唯一!)の短編集。マコーマック作品、『雲』を以前に課題図書を読む読書会で読んだので参加された方は同じように思われるでしょうけど、「マコーマックの短編って、一体どんなの?と思って読み始めた」とのこと。案の定「壮大なイントロダクション、で、いきなり終わり」みたいな短編が続くそう。どれも「この世界、ここからどうなるの!?」という、続きを長編にして読ませてほしい作品ばかりだそうです。

わたしは、昨日パレスチナのポスター展を見に行って購入した『ZINE for GAZA』を。パレスチナ・ガザ地区での即時停戦、虐殺を止めること、そしてパレスチナの解放と自由を訴えるスタンディングデモを毎日午後5時30分から午後7時まで、原爆ドーム前で続けているVigilの活動を伝えるZINEです。広島在住の作家・小山田浩子さん(課題図書を読む読書会で『穴』を読みましたね)もスタンディングに参加しZINEに寄稿されています。ほかの寄稿者も同様のことを書かれていましたが「広島の通りすがりの人、全然こっちを見ない」、反応してくれるのは「大部分が旅行者、特に海外から来たと思しき人に見える」、これ、わたしも経験したことがあるので(2008年の暮れから連日数百人の一般市民が殺されていると報じられたガザ紛争のとき、年明けに東京であった即時停戦を訴えるデモに、生まれて初めて参加しました)、その状況とそうやって無視される気持ちがすごくよくわかるのと同時に、広島でもそうなのか、あのときよりもさらに酷い状況になった今でもそうなのか、と、わかってはいたけれど(だからこうなっているわけなので)心底がっかりしました。でも、あのときデモに参加したことで現在のわたしがあり、張り紙をしたり缶バッジを作って配布したりするヒマールになり、誰か(お客さん)とそういう話もできるようになってきている実感もあるので、これからも発言していくし、Vigilの人たちも活動を続けていかれるはずだし、ちょっとずつ動いてきたことをもっと加速させていきたいと思いました。……話がそれました! 読書時間がまだあったので、柴崎友香『百年と一日』も少し読みました。文庫化されたばかりですが読めていなかった単行本で。ガザのことを考えた続きで読んだせいか、小説なのですが、オスタップ・スリヴィンスキー(ロバート・キャンベル訳)『戦争語彙集』を読んだときと同じような感じがして、みんな生きてるんだよなあ、同じなんだよなあ、と思いました。

さて、次の読むロバの会は3月30日(土)15時から16時ごろまでやります。
読むロバの会は、読書時間と読書空間を共有する読書会です。帰り際にお互いに読んでいた本を見せ合っています。
ご予約不要ですのでお気軽に、読みたい本を持って(または店頭で買って!)ご参加ください。
お待ちしています。

読むロバの会の日

でした。
月に一度は試してみている、夕方から開催の日。
参加者は1名。
読んでおられたのは、アデライダ・ガルシア=モラレス(野谷文昭/熊倉靖子訳)『エル・スール』。ビクトル・エリセ監督の名作映画「エル・スール」の基となった小説です。「『エル・スール』はとても好きな映画。スペインが舞台なのにとても寒々しい感じがして……。『瞳をとじて』(ビクトル・エリセ監督31年ぶりの長編新作だそう)公開記念で『エル・スール』も特別上映されるので、もういちど観に行く前に読んでおこうと思って。友だちに借りた」とのこと。

わたしは、チョ・ヘジン(浅田絵美訳)『ロ・ギワンに会った』を。Netflixで配信されたばかりの映画「ロ・ギワン」を先に観てから読み始めました。今日の読書時間で読み終わりたい気持ちで、すでに途中まで読んでいたけど読み終わりませんでした〜!なので、結末がまだわからないけれど、小説と映画、どちらを先にしようかと迷っている方へ、これは別のものだと思って、どちらからでも、両方をあまり比較せずに読んだり観たりするほうが楽しめるんじゃないかと思います。小説からロ・ギワンのプロフィールを借りてつくられたのが映画、という感じかなー。ほかの登場人物も変換(?)されてこの人になったんだろうなと思う人物もいなくはないけど、別のストーリーと言ってよいかと。

そういうわけで、今日はたまたま、どちらも「映画の基になった小説」を読んでいたわけですが、「やっぱり映画より原作小説のほうがおもしろいよね」とわたしが言うと、「エル・スールは映画のほうがいいかも」とのことでした!

次回の読むロバの会は、3月20日(祝・水)15時から16時ごろまでやります。
読むロバの会は、読書時間と読書空間を共有する読書会で、帰り際にお互いに読んでいた本を見せ合っています。
ご予約不要ですので、読みたいを本を持って(または店頭で買って!)お気軽にご参加くださいね。

読むロバの会の日

でした。
参加者は1名。
読んでおられたのは、梨木香歩『物語のものがたり』。前回、わたしが梨木香歩さんの『歌わないキビタキ』を読んでいたのを見て「梨木香歩作品が読みたくなって」と。
『物語のものがたり』も『歌わないキビタキ』と同じくエッセイ集。タイトルから想像できるとおり、児童文学をめぐるエッセイがおさめられています。
今日の読書時間ではフランシス・ホジソン・バーネットの『秘密の花園』について書かれた部分を読んだそう。『秘密の花園』、以前に課題図書を読む読書会で畔柳和代さん訳のものを一緒に読みましたね。「こんな読み方もあるのか!とおもしろくて。再読したくなった」とのことです。

わたしは、ハン・ガン(古川綾子訳)『そっと 静かに』を。ハン・ガン作品、日本で翻訳出版されている小説は全部読んでいますが、エッセイは初めて。実は先日、「韓国の本を巡る旅」に参加しまして(このことは明日にでもアップします)、思いがけずハン・ガンさんにお会いしてゆっくりお話をさせていただく機会があったのです! お会いできると知っていたら、この本も先に読んでおいたのに……と思ったのですが、今日読み始めてみると、実際にお会いしたからこそ、ハン・ガンさんにはこんなことがあったんだな、こんなことを考えておられたのだな、というのがとても近くに感じられて、お会いしてから読めてよかったなと思いました。小説だったらそうは思わないかも、エッセイならではかも、とも。

次の読むロバの会は3月15日(金)17時から18時ごろまでやります。
昼間でなく夕方です。時間にお気をつけください。

読むロバの会は、読書時間と読書空間を共有する読書会です。
各自で読みたい本を黙って読んで、帰り際に読んでいた本を見せ合っています。
ご予約不要です。お気軽にご参加くださいね。

読むロバの会の日

でした(昨日になりましたが)。
参加者は2名。

それぞれに読んでおられたのは…
『日本幻想文学集成 内田百閒』
ジョイス・キャロル・オーツ(栩木玲子訳)『とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢』

新編が出ている『日本幻想文学集成』シリーズですが、旧版から『内田百閒』の巻を持って来られました。前回の読書会の日に、ちょうど楢喜八のヨゲンジュウ原画展を開催中でクダン(件)の話になり、「百閒先生の『件』を読みたくなって」再読とのこと。「やっぱりいつ読んでも百閒先生はいい。おもしろい」と。

『とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢』は、「タイトルにひかれて買ってみた」とのこと。『とうもろこしの乙女』というタイトルの中編のあとに6つの短編が続くようですが、それらが関連があるのか、全体で『七つの悪夢』になるのかは「まだわからないけど、たぶん関連はないんじゃないかな」とのこと。

わたしは、梨木香歩『歌わないキビタキ』を。毎日新聞での連載エッセイをまとめた一冊。百閒先生と同じく、やっぱりいつ読んでも梨木香歩はいいです。おもしろい。鳥や植物の話、政治の話、親戚の人や自分の病気の話……ばらばらに見えて決してばらばらでない、人生だなあ、と思いました。百閒先生を読んでいた人と、海外文学を素晴らしい翻訳で読めるのはもちろんありがたいことだけれど、こうして日本語で書かれた素晴らしい文章をそのまま味わえることを体験すると、ほんとうに得をした気持ちになるね、というようなことを話しました。ありがたい。

次の読むロバの会は、3月7日(木)15時から16時ごろまでやります。
読むロバの会は、読書時間と読書空間を共有する読書会です。
各自で読みたい本を黙って読み、最後に読んでいた本を見せあったりしています。
なんの準備も(予約も)いりませんので、どうぞお気軽にご参加くださいね。

読むロバの会の日

でした。
参加者は2名。

それぞれに読んでおられたのは…
松井ゆみ子『アイリッシュネスへの扉』
ジャン・エシュノーズ(関口涼子訳)『ラヴェル』

『アイリッシュネスへの扉』は、前回に続いて。アイルランドが舞台の新作映画「コット」を観てこられたばかりだそうで、その映画とこの本に重なる部分も見つけながら(たとえば、水の事故で亡くなったこども、ゴム長など)いっそうおもしろく読み進めている、と話してくださいました。

『ラヴェル』は、「ボレロ」などで知られるフランスの作曲家・ラヴェルの晩年を描いた小説。「まるで音楽のような文章!」とのこと。ラヴェルはとてもユニークな人だったようで、アメリカへの演奏旅行の船旅では一日に何度も服を着替え、パジャマだけでなんと27着も持って行っていて「今日はエメラルドグリーンのパジャマにしよう、と着替えたり、読んでいて笑えておもしろい」そうです。

わたしは、岡真理『ガザとは何か』を。昨年10月の早稲田大学と京都大学での講義内容をまとめて緊急出版された一冊。ちょうどその頃に、わたしは広島の大型書店へ行く機会があって、書店員さんに「パレスチナ問題について書かれた本が読みたいのですが、どのへんにありますか?」と尋ねたところ、「そういう本はまだないですね。ウクライナとロシアの本ならあるんですけど」と言われ、いろんな意味ですごくショックを受けたことがありました。その後、あまり詳しくない人でもわかりやすく読める本はないだろうかと自分なりに調べてみて、選択肢はあまり多くないなと感じ(絶版で仕入れられなかった名著も多いです)、この現状こそがまさに、日本(世界も)のほとんどが70年以上パレスチナを見ないようにしてきたということなのだなと感じました。遅いことはわかっているけれど。「まずここから」の一冊として、この本はとてもわかりやすかったのでおすすめしたいです。

次の読むロバの会は2月27日(火)15時から16時ごろまでやります。
火曜は定休日ですが、この週は「北岡幸士・渡辺キエ 二人展」会期中につき営業します。
読むロバの会は、読書時間と読書空間を共有する読書会です。
ご都合のつく方はぜひ。いっしょに本を読みましょう。

読むロバの会の日

でした。
木曜の夕方17時。
3人がご参加くださいました。ありがとうございました!

それぞれに読んでおられたのは……
鎌田東二『超訳 古事記』
松井ゆみ子『アイリッシュネスへの扉』
『冬の本』

『超訳 古事記』、古事記は原文・読み下し文で読むのはとても難しく、たくさんの「訳本」が出されていますが、これは超訳というだけあって「とても読みやすくて、一気読みできそう」と。「ちょっと前に町田康さんの『口訳 古事記』も読んだのですが、おもしろかったです!」とのこと。そういえば、以前に課題図書を読むロバの会でも古事記を読んだことがあったね……という話になり、どの訳本を読んだんだったっけ?と思い出せずにいたら、読書会を一緒にやっている人から帰宅後に連絡もらい、福永武彦『現代語訳 古事記』でした!

『アイリッシュネスへの扉』は、「最近、続けてアイルランド関連のニュースを目にすることがあったので、今日来て店頭で見て、気になって手にしてみました」とのこと。読みながらたくさん書き込みをされているようでしたが、「歴史とともにある生活なんだなあ、と。松井さんの文章がとてもいい。じっくり読みます」とおっしゃっていました。ヒマールで出版した本なので、読んでいただけて感想も伺えて、とても嬉しいです!

『冬の本』は、冬を描いた本、冬を連想させる本など、「冬」と「本」をテーマに、84人が書いたごく短い(見開きページくらいの)エッセイをまとめた一冊だそう。短いエッセイは、どんどん読めそうないっぽうで、「続けて読むと、文体などがばらばらなのが気になって、入り込めない感じもある」とのこと。「青山南さんが取り上げている本(昔のニューヨークへ行きたいと強く願っているうちに、写真を見ていたらタイムスリップできるようになった……というSF小説?←追記:ジャック・フィニー『ふりだしに戻る』でした!)がおもしろそう」と話されているのを聞いていたら、わたしもそれが読みたくなってきました。

わたしは、オスタップ・スリヴィンスキー(ロバート・キャンベル訳)『戦争語彙集』を。著者はウクライナの詩人で、ウクライナの西の端・リヴィウ在住。2022年2月のロシアのウクライナ侵攻以降、爆撃が多い地域からの避難者が急増したリヴィウでボランティアをしながら、避難者たちの話を聴き、そこから77の言葉とその証言を記録した文芸ドキュメントを発表しました。訳者のキャンベルさんは、そのドキュメントを英訳から日本語に訳し、言葉の背景に近づくために著者とオンラインで対話を重ね、さらにはリヴィウを訪れて著者の聴き取りにも同行、そのときの手記もあわせて収録されています。戦争に巻き込まれ犠牲になっているのは、当たり前だけど一人ひとり名前のある人間で、それはたまたまわたしじゃないだけで、わたしであってもおかしくはないんだってこと、考えずに忘れていたいと思ってしまうこともあるのですが、覚えていなくちゃいけないです。

さて、次の読むロバの会は、2月18日(日)15時から16時ごろまでやります。
各自で黙って好きな本を読む、読書時間と読書空間を共有する読書会です。ご予約不要。お気軽にご参加ください。
以前やっていた課題図書を読むロバの会も、そろそろ再開してみたいなと思っています(各自で読むロバの会は続けつつ)。ご意見やリクエストなどありましたら、どうぞお聞かせください。