読むロバの会」カテゴリーアーカイブ

読むロバの会の日

でした。
参加者は2人。
それぞれに読んでおられたのは…
『柴田元幸翻訳叢書 アメリカン・マスターピース 準古典篇』
イ・グミ(神谷丹路訳)『そこに私が行ってもいいですか?』

『アメリカン・マスターピース 準古典篇』は、ヘミングウェイ、フォークナーら巨匠によるアメリカ文学の定番から、本邦初訳作まで、20世紀前半に執筆・発表された名作中の名作短篇12篇がおさめられた一冊。もちろんすべて柴田元幸さんの訳。
イーディス・ウォートンの「ローマ熱」がめちゃくちゃおもしろい!そうですよ。女性ふたりの会話のやりとりで展開していくサスペンスなのだそう。

『そこに私が行ってもいいですか?』は、読み始めたばかりだけどおもしろそう、とのこと。
じつはこの本、昨年のK-BOOKフェスティバルの「本屋が特に推したい一冊」の動画リレーで、わたくしが推しておりますー。よかったら見てみてください。

わたしは、朱喜哲『〈公正(フェアネス)〉を乗りこなす 正義の反対は別の正義か』を。まだ2章まで。著者は言語哲学を専門とする研究者。「正義」や「公正」といったちょっと使いづらい?ややこしい?難しい?いわゆる「正しい言葉」について、その言葉の「ほんとうの意味」を理解しなくても、見よう見まねで「正しい使い方」を体得することはできる、それは自転車の乗り方を説明した文章を理解しなくても、実際に自転車に乗ることができるのと似ている…というようなことが最初に書いてあって、なるほどなーと思いました。
先日、リクオさんと中川敬さんと、ライブのあとでなぜか「正義」という言葉の話になって、その後もちょっと気になっていて、そんなときにこの本に出会ったのでした。そういうものですよねー。

さて、次の読むロバの会は、9月17日(日)15時から16時くらいまでやります。
どうぞお気軽にご参加くださいね。

読むロバの会の日

でした。
参加者は3名。

それぞれに読んでおられたのは…
(ま)&アサノタカオ『「知らない」からはじまるーー10代の娘に聞く韓国文学のこと』
福井栄一『本草奇説 もの言わぬ植物たちも夢を見る』
諸星大二郎『海神記(上)』

『「知らない」からはじまるーー10代の娘に聞く韓国文学のこと』は、きょう店頭で選んで参加してくださいました。
「韓国文学をよく知らないので知りたいと思ったのもあるけど、親子の対話を読んでみたいなと思って」とのこと。

『本草奇説 もの言わぬ植物たちも夢を見る』は、植物(草花、野菜など)についての説明のあとに、その植物が登場する竹取物語や古事記などの物語を抜粋して編まれた一冊。
著者は上方文化評論家とのことで、「植物学者や古典文学研究者ではないからこそつくれたアンソロジーかも」と。「工作舎の本、おもしろい」そうです。

『海神記(上)』は、古代を舞台にした漫画。再読だそうです。下巻で未完になっているそうですが、続きは描かれる予定がないのかな?「続きを読みたい気もするけど、これで終わってもいいような気もする」とのこと。

わたしは、イ・ジヘ(尹怡景訳)『差別はたいてい悪意のない人がする 見えない排除に気づくための10章』を。
多文化と差別などを研究する著者が、学術的な調査や分析を基に、自身の体験などもまじえながら書いた一冊。
きょう読んだ冒頭では、マジョリティには「見えない」さまざまな差別について、持っていることが当たり前すぎて気づいていない「特権」について、とてもわかりやすく、読みやすく書かれていました。わかっていると思っていたけど、はっとさせられることも。
読まなくてもいい、と思っている人ほど、読んだほうがいいかもしれないです。

さて、次の読むロバの会は、9月9日(土)15時から16時ごろまで開きます。
週末がお休みの方、本を片手に(店での購入も大歓迎!)気軽にお集まりください。

読むロバの会の日

でした。
参加者は2名。

それぞれに読んでおられたのは…
ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ(木下眞穂訳)『過去を売る男』
岸本佐知子『ねにもつタイプ』

『過去を売る男』はアンゴラの小説。「なにかがどうかなるような話ではないけど、おもしろい」とのこと。

『ねにもつタイプ』は翻訳家によるエッセイ。「ちょっと軽いものが読みたいなと思って、選んでみた」そうです。

わたしは、バーナード・ゴットフリード(柴田元幸・広岡杏子訳)『アントンが飛ばした鳩』を。ポーランドに生まれたユダヤ人で、強制収容所を生き延びてアメリカで写真家となった著者による記録文学。
読み始めたばかりで、きょうの1時間では、戦争の影がうっすらと感じられるものの、わりとのんびりした、おかしくて笑ってしまったり、懐かしさを覚えたりする子供時代のエピソードが連作短編のように続いている。小説を読んでいるような気がした。
60年も経ってから子供の頃のことをこんなふうに書けるなんて、すごい記憶力と感性の持ち主だな、と驚きながら読んでいます。

さて、次の読むロバの会は、8月31日(木)15時から16時ごろまでやります。
どうぞお気軽にご参加ください。

読むロバの会の日

でした。
今日も暑い暑い!
参加者は2名。

それぞれに読んでおられたのは…
アリ・スミス(木原善彦訳)『夏』
イ・ジン(岡裕美訳)『ギター・ブギー・シャッフル』

『夏』は、アリ・スミスの四季四部作、完結となる作品。「8月になったからもう読んでもいいだろうと思って!」と夏を待ちわびていよいよページを開かれました。いいですね!アリ・スミス作品らしく「とてもテンポよく進んでいっている」とのこと。

『ギター・ブギー・シャッフル』は先週読み始めた続き。「思ったような展開になってきている」そうです。

わたしは、ともだちに借りた甘耀明(白水紀子訳)『冬将軍が来た夏』を。甘耀明の本を読むのは、前に同じともだちに借りた短編集『神秘列車』に続いて2冊目。帯文だけ読んだら、たぶんわたしはまだ手にとっていないだろうと思う。甘耀明の、このリズム!このトーン!変拍子と言ったらよいのか!?なんなんだ!?この人の書く小説は!こんなふうにあっちやこっちに振り回されながら、でもずっと連れていかれる小説には出会ったことがないよ。全然説明できないので、気になった人は読んで!帯文は読まずに、本文読んで!

さて、次の読むロバの会は、19日(土)15時から16時ごろまでやります。
来週はライブの準備で店内がいろいろ移動するので読書会はお休みで、2週間ちょっとあきますけど、お盆休みがある人も多いと思うので、読んだ本、よかったらコメント欄にアップしていってください。なかなか読書会に参加できない、家で参加してる、という人も、コメント欄に自由に書き込みしてくださいね。遠慮なくー。

読むロバの会の日

でした。
参加者は4名。
最高気温36度の猛烈な暑さの中、ご参加ありがとうございました!

それぞれに読んでおられたのは…
郡司ペギオ幸夫『やってくる』
萩原浩『金魚姫』
イ・ジン(岡裕美訳)『ギター・ブギー・シャッフル』
中島敦(山本善行撰)『かめれおん日記』

『やってくる』は、医学書院の「シリーズ ケアをひらく」の一冊。医療関係の本が多い出版社ですが、これはちょっと哲学書のような感じなのだそうです。タイトルと表紙の印象から「怪談本かと思いました」とお伝えしたら、「それは、外れてもいないと思う」とのこと。

『金魚姫』は、金魚すくいで持ち帰った金魚が女性になる!という物語。これぞ怪談本!?
「映画化されてませんでしたっけ?」とおっしゃる方がおられましたが、いま調べてみたところドラマ化されてました、NHKで。

『ギター・ブギー・シャッフル』は音楽と青春を描いた物語で、すいすい読みやすい、とのこと。

『かめれおん日記』は、灯光舎の「本のともしび」シリーズの一冊。「読んだことのある作品だったけど、灯光舎さんのこのシリーズが好きなので、この本で読みたくて」と再読。

わたしは、ハン・ガン(井出俊作訳)『少年が来る』を。1時間で一章を読み終わり、二章にかかったところで、ああ、この章は前回のK-BOOKフェスティバルで、女優の安藤玉恵さんが朗読されたところだ、と気づき、一章で「君」が探していたチョンデが二章の「僕」、ここにいたんだね…と。
なかなか、苦しくて読み通せずにいた本ですが、今回は最後まで読みます。

さて、次の読むロバの会は8月2日(水)15:00〜16:00に開きます。
ご予約不要です。どうぞお気軽にご参加ください。
曜日や時間帯のリクエストも、ありましたら遠慮なくどうぞ。

読むロバの会の日

でした。
参加者は1名。

読んでおられたのは…
米澤穂信『いまさら翼といわれても』
“古典部”メンバーによる謎解きの人気シリーズ。短いお話を集めた一冊で、「先日の旅行中に読んでいた残り」とのこと。移動中にちょこちょこ読めるようにと、軽い読み物を選んだのだそう。文庫本ですから荷物も軽いですしね。

わたしは、チェ・ウニョン(古川綾子訳)『明るい夜』を。
ちょうど買い物のお客さまが続いたので10分ぐらいしか読めなかったのですが、その前に参加者の方と「母・娘・孫娘の三代だと、真ん中のお母さんを飛ばして祖母と孫が仲良くなることが多いよね(映画や小説で)、学年でも2年生を飛ばして1年生と3年生が仲良くなりやすい」というようなおしゃべりをしていて、『明るい夜』を読み始めたらさっそく、私と母と祖母が登場! やっぱり祖母と孫が仲良くなるのか?どうかは、まだわかりません、10分なので。

次の読むロバの会は27日(木)15時から16時ごろまでやります。
じりじり焼けるような暑さが続きますが、店内冷え冷えにしてお待ちしています。
お気軽にご参加くださいね。

読むロバの会の日

でした。
参加者は2名。

それぞれに読んでおられたのは…
チョン・セラン(斎藤真理子訳)『シソンから、』
イーユン・リー(篠森ゆみこ訳)『黄金の少年、エメラルドの少女』

『シソンから、』を読んでいた方は、『保健室のアン・ウニョン先生』に続いてのチョン・セラン作品。次は『フィフティ・ピープル』を読むそうです。よいですねー!

『黄金の少年、エメラルドの少女』を読んでいた方は、初めてのイーユン・リー作品だそうです。

わたしは、チョ・セヒ(斎藤真理子訳)『こびとが打ち上げた小さなボール』を。
長編小説だと思い込んでいましたが、中短編の連作小説でした。
最近の作品だと思い込んでいましたが、1970年代後半に発表された作品でした。
重たい小説だと思い込んでいてなかなか読み始めることができずにいましたが、読み始めてみたら重たいけれど読みたい気持ちが止められなくなる作品でした。
わたしが持っているのは単行本ですが、つい最近、文庫化されて入手しやすくなったので、ぜひ読んでほしいです。

次の読むロバの会は、23日(日)15時からです。
涼しい店内で読書時間をごいっしょしましょう。

読むロバの会の日

でした。
豪雨が心配な土曜日…
2名が参加してくださいました。

それぞれに読んでおられたのは…
西條奈加『とりどりみどり』
山本ふみこ『家のしごと』

『とりどりみどり』は、大江戸謎解き物語、とのこと。「ハン・ガンの『菜食主義者』を読んだばかりで、きょうは少したのしい軽いものを読みたくて」と。
西條奈加の『まるまるの毬(いが)』は、以前にやっていた読書会で課題図書として読んだことがあります。続編が出ている、と教えてもらいました。

『家のしごと』は、「ちょうど1時間で読めた!」そうです。読むロバの会におすすめの一冊ですね。

わたしは、カレン・チャン(古屋美登里訳)『わたしの香港』を。まだ45ページしか読めていませんが、20代〜30代に何度も香港へ旅したわたしにとって、この、30歳の著者が書いた1997年から2020年の記録は、あの場所の空気を懐かしく思い出しながら、やりきれない気持ちを抱える一冊になりそうです。きょう読んだところから少し抜粋を。
「この街が変貌する速さに後れないように書くことはできない。この都市で生き残れるものはない。しかし、自分の歴史を書き記すことが決して許されない場所では、記憶することすら過激な行為になる。」
「でも、抵抗することはできない。だって、自らの手で政府を選ぶことができないのだから。」

さて、次の読むロバの会は、12日(水)15時から開きます。
16時ごろまでやってますので、ご都合ついたらどうぞお立ち寄りください。
読書時間と読書空間を共有しましょう。

読むロバの会の日

でした。
蒸し蒸しと湿度が高く、激しく降ったり照ったりで気圧の変化も著しい、頭も体も重たい日。

参加者は2名。
それぞれに読んでおられたのは‥
文芸誌『MONKEY vol.30』(特集:渾身の訳業)
キジ・ジョンスン(三角和代訳)『猫の街から世界を夢見る』

『MONKEY』は翻訳家・柴田元幸さん責任編集の文芸誌で、年に3回発行、ちょうど10年(祝!)の記念号ということで、柴田元幸翻訳作品づくし号です。
今日の1時間で、掲載作品を3つほど読めたそうですが、「オースターはやっぱりおもしろい!」と。これから出る新作長編の一部なのだそうです。
本になって出てぜんぶ読めるのが、またたのしみですね!

わたしは、甘耀明(白水紀子訳)『神秘列車』を。前回読んでいた方からお借りして。台湾の作家による短篇集で、貸してくれた方イチオシの「伯公、妾を娶る』からさっそく読んでみました。
なんだこれ!?とおもながら読んでいるうちに、どんどんツボにはまって、笑いを堪えられなくなってしまいました! ストーリーにのってきたぞと思っていたら足をひっかけられ、大真面目に受け取っていたら軽くあしらわれ。聖と俗の往来。すごいスピード感とドタバタ感。これは、マジックリアリズム?幻想小説?と思いきや、そうではなかったのだ、とわかった読後のなんともいえない味わい。
おもしろすぎます!ほかの作品も読んでみよう。

さて、次の読むロバの会は、7月8日(土)15時から16時までやります。
ご予約不要ですので、気が向いたらどうぞお気軽にいらしてくださいね。


読むロバの会の日

でした。
けっこうな雨降りの平日午後。
参加者は3名。

それぞれに読んでおられたのは…
津村記久子『ディス・イズ・ザ・デイ』
甘耀明(白水紀子訳)『神秘列車』
キジ・ジョンスン(三角和代訳)『猫の街から世界を夢見る』

『ディス・イズ・ザ・デイ』は、以前わたしが読んだ紹介をブログで見て「読んでみたくなって」と。おー、いいですねー、嬉しいですー。読み終えたら感想をおしゃべりしましょう、と約束しました。

『神秘列車』は台湾文学。甘耀明の作品は「詩的な美しさとドタバタ感が混在しているのが魅力」なのだそうで、この短篇集では表題作の「神秘列車」で詩的な美しさが、「伯公、妾を娶る」で大笑いしたくなるドタバタ感が味わえるそうです。読んでみたい!

『猫の街から世界を夢見る』はファンタジー小説とのこと。

わたしは、電子書籍で朝井まかて『ボタニカ』を。
牧野富太郎の生涯を描いた伝記小説。先日の休みに、高知の牧野植物園へ向かいながらスマホ画面で読んでいたものの残りを読了しました。
道中読みながら、牧野富太郎に腹が立って仕方がなく、高知に着いても、もうちょっと、植物園へ行くのやめようかと思うくらい腹が立っていたのですが(苦笑)、行ってみたら植物園は素晴らしく、まあ、ああいう人だったから、これだけのものをつくって今もたくさんの人を魅了して動かして残していけているのかもしれないよね…と、まあ思わなくもなかったんですけど…いや、でも、ねー…

さて次の読むロバの会は、29日(木)15時〜16時にやります。
お気軽にご参加ください。
開催曜日や時間帯のリクエストも遠慮なくどうぞ。