12月の「読むロバの会」開催中!

こちらは「読むロバの会」の会場です。
日々のブログの更新は、この記事の下から始まります。

新しい「読むロバの会」についてはこちら
2020年11月の「読むロバの会」(課題図書「地下鉄道」コルソン・ホワイトヘッド著/谷崎由衣訳)はこちら

12月の「読むロバの会」(読書会)は
「2020年に読んだ中でおもしろかった・お勧めしたい一冊!」

毎年恒例、12月は、いつものように同じ課題図書を読んで感想を語り合うのではなくて、あなたが今年読んだ本の中でおもしろかった一冊、お勧めしたい一冊を紹介しあう月。
どんな本が登場するか、毎年たのしみにしています。

本のジャンルは問いません。
2020年に刊行された本でなくて構いません。
書き方も自由に。できれば理由を、書けなければタイトルだけでも構いません。

コメント欄に書き残していってください。
匿名でOK。
ひとりで2冊以上書いてもOK。
誰かのお勧めにコメントしてもOK。

店頭でも同時開催中。

思いついた方から、どうぞー!

12月の「読むロバの会」開催中!」への29件のフィードバック

  1. ピンバック: 12月のおたのしみと年内の営業 | 今日のヒマール

  2. nana

    久しぶりに読み返しておもしろかったのは、(全部読んでないけど)哲学者ハイデガーの『存在と時間』です。実存主義の流行に火をつけた画期的な著作ですね。この本は、20世紀最高の哲学書と言う評価があるくらい、まあすごい本、ドイツの哲学者らしい「深い」本なのですが、読み返して気づいたのは、ハイデガーがたいへん「流行」に敏感な人だったこと、新しい学問の成果を意欲的にこの著作に取りいれていたことです。たとえば、小動物のダニには視覚に頼らない独自の「世界」があることを発見した生物学者のユクスキュルの業績が、名前は出ていないけど、議論の背景にあります。そのうえで、人間にとって「世界」とは?を論じています。
    残念ながら、おすすめできるかというと、やはり概念がむずかしいかもしれませんが、適当な解説書(解説者)がいれば、わかるところはわかると思います。この機会に、ぜひ。

    返信
    1. (じ) 投稿作成者

      「存在と時間」、ちょっと読んでみたい気持ちはありますが、むずかしそうなのと、本のボリュームとで躊躇しています。
      いつかチャレンジしてみたいです!

      返信
  3. 村夏至

    『タネの未来 僕が15歳で会社を起業したわけ』
    (小林宙著、2019年、家の光協会)

    爽やかな気持ちになれる本です。

    小さい時からのタネ好きが高じて、15歳にして、日本各地に残る伝統野菜のタネを集めて販売する「鶴頸種苗流通プロモーション」を立ち上げた高校生が、なぜ自分が起業したかについて書いています(今、まさに大学受験のため事業は開店休業中)。

    農業関係の本をよく読み込み、かつ各地の種苗店の店主や農業関係の出版社の人や農家から直接話を聞いているし、自分も自宅の工場の屋根や別の場所に農地を借りて無農薬野菜を作っているので、よく知ったうえで書いていることがわかるわかりやすい文章。

    問題意識が明確で、自分で品種改良をしたりするのではなくて(自分でF1品種をつくったりという経験もしている)、タネを未来に残していくために、地域で採種されている伝統野菜のタネを、販売者の許可を取って売るということを通して、タネの重要性をわかってもらい、タネの未来をできるだけ多くの人と共有したいという思いから事業を起こしたのだそう。

    話題の種子法や種苗法についても自分なりの思いを語っていて、声高に対峙すると言うというより、アナログだけど地道にストレートな方法で風穴をあけようとしている感じがとてもいい。

    妹や友達などに事業を手伝ってもらったりして、バイト代として野菜をあげたりしている様子も微笑ましい。

    こういう若者が希望だし、少なくともこういう若者を邪魔しない(できればそれとなく支援する)大人になりたいものだとつくづく思う今日この頃。

    返信
    1. (じ) 投稿作成者

      おもしろそうです!
      読んでみたくなりましたし、仕入れられたら店でも販売したいと思います。

      返信
  4. ピンバック: 多謝!まいにちノッティング in himaar | 今日のヒマール

  5. (じ) 投稿作成者

    ヒマールです。
    悩んだ末に、わたしの今年の一冊は…

    「マーティン・イーデン」ジャック・ロンドン著/辻井栄滋訳(白水社)

    労働者地区で生まれ育ち船乗りになって荒っぽい生活を送っていた若者マーティンは、裕福な女性と知り合ったことで、彼女にふさわしい知性を身につけようと図書館で本を読みまくり、文学に目覚めます。独学で小説や評論などを書き始めて作家を志しますが、自分では素晴らしいと思っているものが誰にも理解されず、生活は困窮していくばかり。絶望して文学を諦めようとしたとき、運命が一変して…!

    作家として売れない間も、売れてからも、主人公マーティンの孤独が胸に迫ってきてずっと苦しく感じながら、そんなふうにしか生きられない彼に腹が立ったり辛くなったり、ときには滑稽に思えて、またそれが悲しくもなったり。
    じつは、コロナ禍が始まってからしばらく本が読めなくなって、たくさんの本を読み始めては途中でやめていたときに、初めて読了したのがこの本でした。
    現実が重苦しいときに、なんでこんな重苦しい本を読んでいるんだろうかと自分で自分をふしぎに思いながら、読みやめることができませんでした。
    ジャック・ロンドンの自伝的小説だそうです。

    イタリアを舞台(小説はアメリカ)に映画化(マーティン・エデン)され、広島ではサロンシネマで12/24まで上映中。わたしは残念ながら映画館で観る機会を逃してしまいましたが、間に合う方はぜひ!原作もぜひー!

    返信
    1. 村夏至

      私もこの映画、観ようと思っていたのですが、残念ながら見損ねてしまいました。

      返信
      1. (じ) 投稿作成者

        そうでしたかー。今後、配信などで観られる機会はあると思うんですけど、原作が好きだったので劇場で観たいと思っていたのに、私も見損ねました。ざんねん。

        返信
  6. (じ) 投稿作成者

    みなさん、メリークリスマス!
    ふたたびヒマールです。
    これもよかった!と思い出しまして。

    「暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて ル=グウィンのエッセイ」
    アーシュラ・K・ル=グウィン著/谷垣暁美訳(河出書房新社)

    ル=グウィン生前最後のエッセイ集。
    この本はこれから何度も読み返す本になるなあと思っています。持っておく本。
    さっそく年末年始に読み返そうかな。

    返信
  7. もりたつ

    『シンデレラ』
    マシュー・ラインハート

    おそらく今年一番読んだ本です。
    2歳の娘が大好きな絵本で、大人の私も感動したシンデレラです。

    といっても、この絵本は皆さんご存知のとおりの普通のシンデレラのストーリーで、文章もイラストも至って普通です。シンデレラ自身が魔法を使うわけでもないし、レオナルド・ダ・ヴィンチの挿絵があるわけでもありません。むしろ翻訳が直訳ストレートで子供には理解しにくいですし大人の私が読んでも「うーん、わかりにくい」という感じ。

    ではこの絵本の何がすごいのかというと、飛び出す仕掛けがすごいんです。
    「こんな飛び出るの!?」というぐらいニョキっと飛び出てくる仕掛けは圧巻で、ページをめくるたびに、「こんな飛び出し方をするのかー!」と息を呑む絶景を味わうことができます。しかも飛び出す仕掛けはどれもが複雑な構造であるにも関わらずにスムーズに開閉することができて、まるでこの本自体が魔法の本ではないかと感じてしまいます。

    子供も大人も感動できる本だと思います。

    返信
    1. (じ) 投稿作成者

      飛び出す絵本、すごく凝ったものがありますよね。
      しかし、シンデレラという有名なお話なのに、大人でもわかりにくいとは!?
      むしろ、そのわかりにくい翻訳が気になります!

      返信
  8. みかんじゅく

    伝記「ノストラダムス」
    が今年の一冊です。
    出版社はおもいだせません。
    街の不穏な空気を感じはじめ、今年2月に手にとった時、占い師さんだとおもって読みはじめましたが感染症と闘った医師だったんですね。人類愛と肯定的な行動する人。書物に込めた想いは、希望だったと。例年以上にお給料から出してたーくさん本を読んだ年になりました。安藤忠雄、横尾忠則といった世界的な方が、ご自分の本にサインをされて、売っていて、何冊かずつ買うことができたのも、今年の幸せな出来事でした。サインの筆記用具、筆跡とか、滲み出るものが素敵でため息ものでした。来年も、こんな機会があればぜひ参加したいとおもいます。

    返信
    1. (じ) 投稿作成者

      ノストラダムスが感染症と闘った医師だとは知りませんでした!

      初のご参加、ありがとうございました。
      来年もぜひぜひご参加ください!

      返信
  9. 村夏至

    自分と他人の許し方、あるいは愛し方』
    (三砂ちづる著、2020年、ミシマ社)

    三砂ちづるさんというと、十数年前に読んだ『オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す』(三砂ちづる著、2004年、光文社新書)がちょっと衝撃的で記憶に残っています(タイトルは変ですが、中身は本当に面白い)。山口県出身というのもちょっと親近感を持ったりする(山口県にいた期間は少ないようです)。

    この本は、ミシマ社のウェブ雑誌に連載されたものをまとめたエッセイ集のような感じで、読みやすい。

    まえがきに、
    「生まれてきただけで完璧な存在で、世界に愛されて、この世に受け止められていて、ここにいていいのだ。人間はみんなそう思って生まれてきて、そう思って育ってゆくことができるような存在のはずなのだけれど、あなたもわたしもいろいろな欠点があるように、あなたとわたしが生まれてきたとき周囲にいた人も欠点だらけだったために、また、生きているこの時代と世界が、けっこう、それなりにめんどくさかったりするために、シンプルに、生まれてきた自分は、この世界に全幅の信頼を置けなくなっちゃったりしているのである。」
    と書いてあって、本当にそういう面はあるなあって思います。

    でも、それを正面から理詰めで説くというより、なんとなくのらりくらりと本音を交えて、時に不意を突かれたり、時にちょっと極端かもと感じられることも書いてくれていて面白い。

    本音というと、お偉いさんが、自分に思い込みがあるかもしれないとか考えもせずに、偏見に満ちた考え方を、さもこれが正直なみんなの意見だ、みたいに言うのとは違って、見砂さんの語り口は多くの場合心地いい。

    その時々のパートナーに付いて行って、その場その場で仕事(保健関係?)を見つけ、海外暮らしも長い著者の、生身の人間をいとおしむ感じが好きです。

    返信
    1. (じ) 投稿作成者

      この本、わたしもまえがきだけ読んでいて、そうだなあと思いました。
      続きも読もうと思います。

      この本は店頭にもありますので、気になる方は1/12以降でよろしければ、ぜひ!手にとってご覧ください。

      返信
  10. AKI

    『料理大好き小学生がフランスの台所で教わったこと』ケイタ著

    2人目の息子が生まれ、全く余裕がなくなってしまった今年の最後に読んだ本です。
    写真がたくさんあるし、すぐ読めるし、小学6年生のケイタくんの感性がとても可愛らしい本です。
    神戸生まれのケイタくんは家族で長野県の田舎に移住して両親と2人の弟と暮らしています。お父さんの農業のボランティアに世界のいろいろな国の人も受け入れていて、その内でとても仲良くなったフランス人のジェレミーというシェフの友達を尋ねてフランス料理を教えてもらうという旅行記&レシピ本です。ケイタくんは翻訳家のお母さんと2人でフランスに行きますが、このお母さんが凄くて、子どものやりたいという瞬間を逃さずにキャッチできる人で、ケイタくんに料理をさせ始めたのは何と1歳1ヶ月の時!

    現在ケイタくんの趣味は400ページ以上の世界の名作の本を読むことで、料理は趣味と生活の間の存在とのこと。

    2021年は私はもう少しおおらかな気持ちで息子達と暮らそうと思いました。

    タネの本(種には私も少し興味があります)もシンデレラの絵本もノストラダムスも読んでみたい!

    年末ギリギリの投稿ごめんなさいー

    返信
    1. (じ) 投稿作成者

      この本、ともだちからおもしろかったと聞いていて、カスタードクリームをつくったらおいしかったと言っていました。
      AKIさんちの息子さんたちはおいしいもの大好きだから、一緒に作ったらたのしそうですね!たいへんか!?

      投稿ありがとうございました!

      返信
  11. ちせ

    Stuart Dybek,”I Never Told This to Anyone”

    一冊ではなく、”ECSTATIC CAHOOTS”という短編集に入っている一作です。
    今年は夏のまえぐらいからぜんぜん本が読めなくなって、どうせ日本語でも
    読めないんだから英語でもいいや、と読み始めたら、回路が違うのか何なのか、
    意外と読めてしまって、で、この”I Never Told This to Anyone” を読んでいるうちに、
    あれ、これ読んだことあるなあ、あるよなあ、なんだっけなあ、と思いながら、
    最後のあたりまで来たところで、ようやく正体に気がつきました。
    『道のまん中のウェディングケーキ』というアンソロジーがあって、それに入っていた
    のを読んだんだった、ダイベックだからもちろん柴田元幸訳で。
    1994年に白水社から刊行された、「道のまん中のウェディングケーキ」をテーマにして
    編まれた短編集。
    懐かしい。
    あまりにも懐かしかったので、思わず自分で訳してみました。
    少年の夢と現実と、色あせていく世界と行きどまりの未来と、そこから抜け出していく
    自分だけの道。
    短い文章の中にも、リズムがあって、抑揚があって、それを少しずつ解きほぐしながら
    作品の像に触れていく、そういう楽しみをひさしぶりに味わいました。
    物語の終盤、文章のスピードがぐんっとあがるところの高揚感がすばらしい作品なのですが、
    そこがどうしてもうまく訳せなかったのが残念。
    あのスピード感を表現できるようになりたいなあ。

    今年いちばん読み込んだ一作、ということで取り上げてみました。
    あぶないあぶない、もうちょっとで日付も年も改まってしまうところだった。
    来年もまたよろしくお願いいたします。
    みなさま、よいお年を!

    返信
    1. (じ) 投稿作成者

      わたしも、今年は読めない時期がわりとありました。
      全然違うジャンルの本を手にとったり、一度読んだ本をパラパラめくってみたり。
      無理して読むことはないんだけど、やっぱり本が好きだから読みたい気持ちだけはあって。

      自分で訳して読むのっていいね。
      憧れます!

      返信
  12. グリコ

    [ペスト]カミュ

    不条理文学

    世の中にそもそも条理ってあるのかという
    壮大な問いに気がつきました。
    不条理を乗り越える鍵を読み解き
    小さな視野で捉えていた問題を大きく
    考えられるきっかけになりました。

    2020年に読むべきタイミングで読むことが出来て一歩成長できた作品です。

    返信
    1. (じ) 投稿作成者

      なるほどー。
      グリコさんの感想コメントの中に「小さな視野で捉えていた問題を大きく考えられるきっかけ」とあるのを拝見して、これっていまものすごく大事なことなんじゃないかと思いました。ヒマールとしては、そういうきっかけを届けていけてたらいいな、とも。

      ご参加ありがとうございました!

      返信
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