5月の読むロバの会(オンライン読書会)

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読んで書く、文章に親しみたのしむ読書会です。
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5月の「読むロバの会(オンライン読書会)」
テーマは……
「ダンス/舞踏」

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5月の読むロバの会(オンライン読書会)」への16件のフィードバック

  1. 大久保

    ハンス・クリスチャン・アンデルセン「赤い靴」(『アンデルセン傑作集 マッチ売りの少女・人魚姫』天沼春樹訳、新潮文庫、2015)

     美しい赤い靴に惹きつけられ、こっそり履いた少女カーレン。しかし靴は自分の意志を持っているかのように勝手に歩き、踊り続けます。「カーレンはゾッとして、赤い靴をぬごうとした。しかし、靴は足にはりついたように動かなかった。靴下をひきさいても、靴はカーレンの足にピタリとくっついたままだった。カーレンは踊った。踊るしかなかった。畑をこえ、野をこえ、降っても照っても、昼も夜も」。赤い靴から逃れるため、カーレンはとうとう首切り役人(!)に頼んで足を切り落としてもらうことになります。「そこで、首切り役人は、カーレンの足を赤い靴ごと切り落とした。それでも、赤い靴は、切り落とされた足をつけたまま踊りながら森の奥に消えていった」。
     二本の足だけが踊りながら消えていくこの場面が絵本でも描かれていて、子供心に強烈な印象を残したのでした(実際は違うのに、『リボンの騎士』あたりの手塚治虫の絵柄で思い浮かびます)。あらためて読み返してみると、アンデルセンの想像力は本当に不気味で、これを「童話」として絵本なんかにしていいのかどうか……。ポーや乱歩に近い感性を感じます。

    返信
    1. ヒマールじゅんこ 投稿作成者

      今回のテーマ「ダンス/舞踏」
      決めてはみたものの、どんな本があったか・あるか、思いつかずにいたのですが…
      『赤い靴』!ありましたね!!
      私も子どものときに子ども向けの本で読んで、ほんとうに怖いと思いました。エナメルの靴には憧れていたけれど、赤い靴を欲しいと思ったことはありません、このお話のせいです。
      グリム童話もけっこう怖いですよね。

      返信
    2. ちせ

      赤い靴、こわいですよね。
      こわいんですけど、こわいのは足を切り落とされるところまでで、
      「切り落とされた足をつけたまま踊りながら森の奥に消えていった」
      とか「門の前では、あの赤い靴がクルクル踊っている」とか
      「まだ教会の門にも着かぬうちに、目の前であの赤い靴が踊っている」
      とか、文章で読むと、どことなく滑稽でかわいらしげな妖怪のようで、
      ちょっと笑っちゃうんですが……笑えませんか?
      クルクル踊り続ける赤い靴(足つき)。

      余談ですが、新潮文庫版の訳者である天沼さんは、ご本人の創作も
      あやしくて不思議なおはなしが多く、そちらの系譜だと思います。

      返信
  2. ヒマールじゅんこ 投稿作成者

    『パンク侍、斬られて候』町田康

    過去に読んだ本です。いま手元にないので、内容、うろ覚えですが…
    確か…本格時代小説のような雰囲気でスタートしたと思うんですけど、冒頭で、この人が主人公なのかな、と思っていた人がいきなり死んで、えーっ!?となります。そしてその後、どんどんどんどん、えーっ!?えーっ!?という感じになっていきました、確か…
    「腹ふり党」というおなかをふって踊り狂う新興宗教団体が世を脅かしはじめ、それに対抗するはずが…というようなお話だった気がします。とにかく踊り狂う、そのイメージが記憶に残っています。
    お話の展開も、文体なんかも、かなり破茶滅茶な感じで進んでいくので、かなーり好き嫌いがわかれることでしょう。夫はINU(町田康が町田町蔵だったときのバンド)は聴いていましたが、小説は読み進められない、と言っていました。私も、好きかどうかと聞かれたら微妙なところです、読みましたけれども。

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  3. 大久保

    アンジェラ・カーター『ワイズ・チルドレン』太田良子訳(ハヤカワepi文庫、2001)

    「うたって踊る、この嬉しさ!」(What a joy it is to dance and sing!)

     元ダンサーの双子の姉妹、ドーラ・チャンスとノーラ・チャンスは、そろって75歳の誕生日を迎えたところ。ドーラが語る一族の物語は、あわせて5組の双子が登場するという楽しいでたらめさで、20世紀ヨーロッパ・アメリカの歴史も巻き込みながら、ぐいぐい読者を引っ張っていきます。
     「うたって踊る、この嬉しさ!」というフレーズが何度も繰り返されるのですが、何よりドーラの疾走感あふれる語り口自体、言葉が踊っているかのようです(英語原文で読むと、なおさらそう感じられます)。「あの日のバード・ロードは歌と踊りであふれていた、だから私たちも、いずれコロっといくまで、うたいつづけて踊りつづけるんだ、いいわね、ちびちゃんたち!」――この小説を遺作に、アンジェラ・カーターは52歳の若さで亡くなりました。翻訳が絶版なのは残念。

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  4. 大久保

     中島那奈子・外山紀久子編著『老いと踊り』勁草書房、2019。

     昨年9月、「老い」がテーマだったときにも紹介しようかと思った本です。
     ダンスや舞踏について、人はしばしばそれが「動ける身体」、すなわち「若く」「健康」で「正常な」身体を前提としていることを忘れがちです。しかしもちろん、病気や障がいを抱えていたり、あるいは単に老いたりして、自由に動けない人々は少なくありません。そうした人々を無視して、踊ることの素晴らしさ(自己表現や解放感)を語るだけでいいのだろうか? 
     そうした疑問を抱いていたときに、この本に出会いました。
     舞踏家たちは、否応なしに老いていく身体とどう向き合ってきたのか――研究者たちがさまざまな視点から論じています。それぞれの論文の主旨には納得したりそうでなかったり、ですが、ダンスと身体について、老いと表現について、考えるヒントをいろいろと与えてくれる1冊でした。

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  5. ちせ

    レアード・ハント『インディアナ、インディアナ』(朝日新聞社、2006年)

    「鋸音楽家は演奏した。きらきら光る鋼から不思議な音が出てきて、人々の歩みがますますゆっくりになっていった。少しずつ、人混みが出来ていった。通り全体のテンポがゆっくりになった。野菜のうしろに座ったノアはセコイアのことを考えた。そしてピクニックの服装をした男女のことを。遠いカリフォルニアの、暖かい晴れた朝だったが、セコイアのはるか下は涼しくて暗かった。誰が何を言っても柔らかく響いた。人々は話した。男が女に。女が男に。ずっと遠くの方から、鋸で仕事をしている男たちの小さな音が聞こえてきた。人々の足下の大地はひんやりとして滑らかで、歩くと軽く凹んだ。誰かが蓄音機を持ってきていた。黒いレコード盤が回って、涼しい不思議な光のなかに音楽が流れ出た。人々は踊った。いろんな色が彼らの上で舞った。まるで空気がわが身を切り分けて、成分一つひとつを移動させたみたいだった。酸素と窒素はこっち。炭素と水素はそっち。ゆっくり、それから速く。速く、それからゆっくり。人々は踊って、倒れた。結局しまいには一人残らず倒れた。」

    ダンスとも舞踏ともほとんど関係ない小説ですが、この場面が強く印象に残っていて、
    ふとしたときに「結局しまいには一人残らず倒れ」るイメージが頭に浮かんできます。
    たぶん現実だと思われる描写から、ノアの頭に浮かぶイメージの世界への移行が
    あまりにも自然で美しく、この小説全体のなかでいちばん好きな場面です。

    返信
  6. 大久保

     西垣晴次『ええじゃないか 民衆運動の系譜』講談社学術文庫、2021。

     江戸幕府の消滅を目前にした1867年の夏から年末にかけて、江戸から広島の広い範囲で、神社の御札が降り、人々が歌い踊った「ええじゃないか」。本書は各地に残る史料を辿って、「ええじゃないか」の歴史と意義をまとめた研究書。著者の分析と考察も興味深いのですが、まずは引用されている記録や証言が面白いのです。
     京都で「ええじゃないか」を目撃した人物は、次のように記録しています「是は近来の不景気時節直しじゃとてヨイジャナイカヨイジャナイカと云ふ踊りが初まり、猫も杓子も踊り狂う。……追々神札の降る家も数多くなり、世の中の狂い騒ぎも益々盛んになり、二枚三枚の縮緬友染等の絆纏着て踊り歩かぬものはない」。幕末の木曽路を舞台にした藤村の『夜明け前』でも「村の若い衆などの中には襦袢一枚で踊り狂ひながら……」と描かれます。

     さて小学生のころ教科書でこの事件(現象?)を知って以来、ぼんやり気になっていたのは、これはどんな「踊り」だったのだろう、ということです。例えば今村昌平の映画『ええじゃないか』を見てみると、群衆が、出鱈目なようでいて整然と「踊っている」のですが(「群舞指導」のスタッフがついている)、実態はもっといい加減というか、人々がそれぞれ勝手にはしゃぎまわっている様子を、ほかに言いようがないから「踊り狂う」と表現していたのではないでしょうか。

    ……「ダンス/舞踏」のテーマに合っているのか怪しいのですが、最近この本を読んだので、つい書いてしまいました。

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    1. ちせ

      ええじゃないか。昔から気になっていたのですが。
      目的がなんなのか、あるのかないのか、なにかに対抗する気持ちからなのか、
      だとしても、それで「踊り狂う」というのはどういう感じなんだろう。
      なんかこう、でたらめにでもからだを動かさずにはいられない、やむにやまれぬ
      衝動なんだろうか。
      ええじゃないか。したくなったり、せずにはいられなくなったりするときが来るんだろうか。

      返信
  7. ちせ

    小玉ユキ『月影ベイベ』(2013年1月〜2017年5月、月刊フラワーズ連載)

    富山市八尾町で、伝統芸能である「おわら」に勤しむ高校生たち、と、それを取り巻く大人たちの物語。
    実を言うと、はじめに読んだときには、「おわら」というものを全然知らなかったし、マンガではなかなかうまく動きがつかめんなあ、と残念に思っていました。
    それではあまりにも惜しいので、動画を検索したり、たまたま実際に踊るのを見たりしてようやく、なるほど、これだったのか!と。
    おわらの動きとその魅力を知ってから、その目でこの作品を読み返すと、ちょっとした指の動きやからだの傾きからだけでも、細かく深く感じられるものがあるし、それが物語の流れに乗っていってくれる。「おわらファイブ」のかっこよさもわかる。

    動きのあるものを、言葉や絵だけで伝えるのは難しい。マンガはそれをうまく伝える手段をたくさんもっていると思っていたけど、それでも「おわら」のような踊りの繊細な動きをあらわすのは難しい。難しいけど、読み手としてはそれを読み取りたい……。

    返信
    1. 大久保

      おわらといえば高橋治『風の盆恋歌』。高校生のとき、刊行直後(調べると1985年!)に読んで、おわらと八尾を知りました。それ以来、おわらのことを耳にするたびにこの小説を思い出すのですが、しかし、物語はまったく覚えていないのでした……。

      返信
      1. ちせ

        『風の盆恋歌』、未読なのできいてみるのですが、作品内におわらの動きの描写は出てきますか?
        もし出てくるなら、それを読んで動きを想像することができましたか?
        そんなこと、覚えてないかしら……。

        返信
        1. 大久保

          うーん、全然覚えていないんですよね。申し訳ありません。図書館で借りたので手元に実物がなく、インターネットであらすじを眺めても、本当に読んだのか? と思うくらいで……。
          Wikipediaによるとテレビドラマになっているんですね(主演が佐久間良子と田村高廣)。漫画化も、演歌化も(!)されていて、けっこう話題の作品だったようです。

          今読み返したらどう思うんだろう?という興味もあるので、こんど探してみます。

          返信
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