10月の読むロバの会(オンライン読書会)

こちらは「読むロバの会(オンライン読書会)」の会場です。
日々のブログの更新は、ひとつ下の投稿から始まります。

読んで書く、文章に親しみ愉しむ読書会です。
本を読んで感じたこと、考えたこと、それを言葉に、ましてや文章にするのはなかなか難しいかもしれませんが、どうぞ気軽に書いてみてください。

10月の「読むロバの会(オンライン読書会)」
テーマは……
「酒」

10月末までの1ヶ月間、上記のテーマで選んだ本について、このブログのコメント欄に書いていってください。

過去に読んだ本から選び、オススメ紹介文を書いてもよし。
テーマをもとに自分自身の今月の一冊を選んで、読んだ感想などを綴ってもよし。
匿名でもOK。
何度書いてもOK。
誰かのコメントに返信してもOK。
書き方は自由です。
ヒマール店頭でも、今月のテーマで本をセレクトして並べますので、よかったらチェックしにいらしてください。

ご参加をお待ちしています!

2021年9月の読むロバの会「テーマ:老い」はこちら
2021年8月の読むロバの会「テーマ:戦争と平和」はこちら
2021年7月の読むロバの会「テーマ:夏」はこちら
2021年6月の読むロバの会「テーマ:ともだち」はこちら
2021年5月の読むロバの会「テーマ:仕事」はこちら
2021年4月の読むロバの会「テーマ;自然/nature」はこちら
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2021年1月の読むロバの会 「わたしたちが光の速さで進めないなら」はこちら
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「読むロバの会」がオンライン開催になったいきさつはこちら

12 thoughts on “10月の読むロバの会(オンライン読書会)

  1. 大久保

     こんにちは。
     今月のテーマ、まず漢詩が思い浮かびました。陶淵明から蘇東坡まで酒を詠じた文人は数知れず。なかでも李白は別格で、多くの酔吟のうち、「客中行」は特にお気に入りです。
      蘭陵美酒鬱金香
      玉椀盛來琥珀光
      但使主人能醉客
      不知何處是他郷
     うっとりするような酒杯の描写からおおらかな歓待の理想郷まで、たった28文字で表現されています。『唐詩選』岩波文庫版の前野直彬の訳を借りれば――「蘭陵のうまざけは鬱金の香りを放ち、玉の椀に盛られて、琥珀色の光をたたえる。この家のあるじが、旅人の私を心行くまで酔わせてくれさえするならば、どこが他国で、どこが故郷か、そんなことはかまうものか」。

    返信
    1. 大久保

       李白に遅れること半世紀、盛唐に劣らず文化の爛熟を極めたアッバース朝イスラム帝国で活躍した、もう一人の酒の詩人がアブー・ヌワース。代表作を集めた『アラブ飲酒詩選』(塙治夫訳、岩波文庫、1988)で、冒頭に掲げられた詩がこちら。

       朝酒は酔漢の頭をすっきりさせるもの、
        朝には手が素早く盃にのびてゆく。
       そこに快楽の伴侶で、話し上手の仲間がいれば、
        彼のざれ言と戯れは心の糧となる。
       深夜、私はそのような友を起こし、
        眠気を払ってやると、彼はしゃんとした。
       彼は「ランプをくれ」と言った。私は「待ちたまえ、
        私と君には酒の明かりで十分さ」と言った。
       私が酒をいっぱいグラスに注ぐと、
        それで朝がくるまで朝のようになった。(「朝酒」)

       酒杯を挟んだ男性同士の親密な関係の描写も読みどころ。少年愛を公言した詩人は別の詩で、「盃と少年があれば、私はこの世に満足」と謳っています。

      返信
      1. ちせ

        アラブ飲酒詩選!
        飲酒だけ詩集が一冊できあがってしまうなんて。
        塙治夫さんの翻訳も素敵ですね。
        「それで朝がくるまで朝のようになった」
        お酒のほの明るさが目にあたたかい。

        返信
    2. ヒマールじゅんこ 投稿作成者

      漢詩、訳がなければちゃんと読むことはできませんが、並んでいる漢字を眺めていると、お酒の匂いが漂ってくるようで、光が目に写り、その空気も感じられるようで、なんともゆったりと、しみじみとした気分になれて、いいものですねえ。

      返信
  2. ヒマールじゅんこ 投稿作成者

    「やし酒飲み」エイモス・チュツオーラ著/土屋哲訳

    十になった子供の頃から、やし酒を飲むことしか能のない男が、父が死に、専属のやし酒造りの名人が死に、やし酒を飲めなくなって友だちもいなくなったので、死んだやし酒造りの名人を連れ戻す旅に出て……というお話。
    やし酒のみの主人公が、やし酒造り名人を探す話ではあるのですが、死神を捕まえたり、頭蓋骨だけの生物から娘を救い出したり、その娘と結婚したら親指の先から凶暴な子供が生まれたり、あまりにも奇妙奇天烈摩訶不思議なことばかりで、「酒」の印象は薄く……。タイトルに「酒」があるのに、今月のテーマの本としてあげてよいのか悩むほどです(苦笑)。
    突拍子もない展開、支離滅裂な印象の文体も好き嫌いがかなり分かれそうですが、わたしはこの民話な感じはけっこう好き。びっくりしたり笑ったりしながらたのしめるほうです。

    いまは岩波文庫から出ていますが、わたしが持っているのは晶文社から1983年に出た単行本の新装版。
    この本の文字組みの微妙なぐにゃぐにゃ感やばらばら感が、気になって気になって。
    DTPはない時代ですから、ブックデザインの平野甲賀さんが植字工の人に「わざとずらしたりあけたりして組んで」と頼まれたのでは?(訳の文体にあわせて)と想像してしまったのですが、違うかなあ。

    返信
    1. 大久保

       『やし酒飲み』、楽しい小説(ほら話?)ですよね! 僕も晶文社の単行本で読みました。晶文社からは、ブラッドベリの『たんぽぽのお酒』という小説も出ていて(「文学のおくりもの」シリーズ)、やし酒もたんぽぽ酒も飲んだことはないのですが、ずっと気になっています。

      返信
      1. ちせ

        昨日、古本屋で晶文社版『たんぽぽのお酒』を見つけて、買おうか
        どうしようか迷ったあげく、棚に戻しました……。

        『やし酒飲み』は読みかけのまま、うちの本棚で眠っている……。
        うちのは世界文学全集に入っているバージョンなので、端正に整い
        過ぎているような。
        晶文社版のぐにゃぐにゃばらばらな感じのほうが、この話には
        はるかに合っていると思われます。
        そろそろ読む頃合いかな。

        返信
        1. ヒマールじゅんこ 投稿作成者

          「たんぽぽのお酒」は小学生か中学生のときに図書館で借りて読んだ記憶がうっすらあります。
          やし酒とたんぽぽ酒、わたしも飲んでみたい!
          本に出てくる架空のお酒(?)では、ハリーポッターのバタービールがずっと気になっています。甘くてちょっと塩気のあるバターキャンディー(チェルシーとか)みたいな、トフィーみたいな味じゃないかな、それがちょっと泡立ってて生ぬるいようなものを想像しているのですけど、どうでしょうか。

          返信
          1. ちせ

            本に出てくる飲んでみたいお酒、といえば、
            これはもう過去形になってしまうけど、村上春樹の
            『ダンス・ダンス・ダンス』のピナ・コラーダ!
            当時は、ピナ・コラーダって何だ???という感じで
            すごく興味をひかれたのを覚えています。
            その後、実際のんでみたけど、できたらハワイで
            飲んでみたかったな、と思いました。

  3. 大久保

     ところで、酒はミステリーとも相性がいいような気がします。ギムレットといえば『長いお別れ』、というように、酒で連想するミステリーにもいろいろありますが、中でも気に入っているのが西澤保彦『麦酒の家の冒険』(講談社ノベルス、1996)です。ミステリーとはいえ、人が死なず(そもそも事件らしい事件も起きない)、登場人物がひたすらビールを飲みつづけます。
     タックとボアン先輩、タカチとウサコの大学生四人組が、旅行の帰り、道に迷ってたどり着いた山荘。住人の気配はなく、家具は新品のベッドひとつだけ、そしてクローゼットに隠された96本の缶ビール、そしてジョッキが13個。この不思議な「麦酒の家」を、誰が何のために用意したのか? 四人はビールを次々と空にしながら、夜を徹して推理を重ねていく……。
     タック&タカチのシリーズはしばしば重苦しい展開を見せるのですが、これは例外的に楽しい一作。「原材料」「アロマホップ」「麦芽」「熟成」等々、各章のタイトルもしゃれています。謎解きもさることながら、友人と飲みながらぐだぐだ話して時間を潰す大学生の(携帯電話もSNSもない、20世紀末らしい?)のんびりした雰囲気が味わえます。

    返信
    1. ヒマールじゅんこ 投稿作成者

      このコメントを拝見して、カクテルの名前が各章のタイトルについているミステリーがあったような記憶がパッと蘇ったのですが……全然思い出せません!赤川次郎?……違うか。
      勘違いかなあ。でも、ありそうですよね。

      返信
  4. 大久保

    こんばんは。

    スコット・フィッツジェラルド『ある作家の夕刻 フィッツジェラルド後期作品集』(村上春樹編訳、中央公論新社、2019)

     1930年代のフィッツジェラルド作品には、酒に依存するキャラクターたちがしばしば登場します。「アルコールに溺れて」はもちろんのこと、「ひとの犯す過ち」や「風の中の家族」でも、主人公は酒を手放せません。禁酒法時代のアメリカで活躍したフィッツジェラルドが、酒という主題に取り憑かれていたのは、意外というべきなのか必然というべきなのか……。
     やはり本書に収録されたエッセイ「私の失われた都市」(以前は「マイ・ロスト・シティー」と訳されていた)では、禁酒法下のニューヨークの実態が、次のように明かされています。

     「アルコール中毒ではない人々も、一週間のうち四日は酩酊し、擦り切れた神経があたりに満ち満ちていた。落ち着かなさの程度によって人々のグループが形成され、二日酔いは日常の一部となり、スペインの午睡[シエスタ]と同様、おおっぴらに認められた。私の友人たちの大半は度を越して飲んでいた。時代に調子が合っていればいるほど酒量は増えていくのだ」(p. 268)。

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